「中国人の消費傾向を知りたい」「大型連休の旅行レポートを見たい」「若者のライフスタイルを知りたい」――コンテンツのすべてを読めないにしても、そんな中国のちょっとした情報を、簡単にネットで調べられたら…なんてことがあるのではないでしょうか。
調べたいことがあるとしても、お目当ての中国事情を探り当てるための検索には慣れが必要です。中国語を知ってても入力できても、知りたい情報にたどり着くにはコツをつかまないと難しくもあります。
Googleは中国から接続できないことは知られていますが、中国国外からGoogleを使って中国のことを調べるにしても調べたいことが思うように出てこないということも少なくありません。
かといって中国の検索エンジン百度で調べようと思っても、百度の検索結果にも知りたい範囲の情報がないということがあります。
経験して中国情報のプロになる人ならその辺の癖をしって検索できるのは当然ですが、ちょっと中国の事情を知りたい時に、検索エンジンが頼りにならないとなると、途方に暮れてしまいます。
そこで、この記事では、中国について執筆する筆者の使う調べ方を紹介したいと思います。なお、今回継続して長く使えているサービスを紹介しますが、中国のネットサービスはよく変化しますので、ある日突然使えなくなるかもしれません。そのときは諦めてください(またそのときに書ければ幸いです)。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
「199it」の調査レポートから市場動向を把握
冒頭に書いたような、自分が知りたい主題に対して、調査レポート、中国語で「報告(报告/バオガオ)」を見るのはひとつの手段です。
調査会社は世界的な著名企業や地場大手から、立ち上がっては数本調査結果を出しては消えるものまであり、加えて大手ネット企業や政府組織もレポートを出します。
経済発展に比例して調査レポートは出てくるもので、中国では日々いくつもの調査レポートが出ていますし、また東南アジア各国でもこれから調査会社が出てくるでしょう。
調査レポートはあるのに、検索サイトで最新の調査レポートを検索しようとしても、完全に見つけるのは至難の業です。この場合、直接、幅広い範囲のレポートを公開しているサイトにアクセスするのが一つの解決方法になります。
199itは中国語や中国に関係する世界のレポートをまとめたサイトです。ページを開くと、様々なジャンルの最新調査レポートが表示されています。
199itで検索するコツ:役立つ中国語のキーワードも紹介
同サイトの検索窓から、キーワードを入れれば、その関連の調査結果が出てきます。検索ワードは中国語でないといけませんが、ある程度検索サイトの「百度」や簡体字変換サイトや翻訳サイトがある程度助けてくれます(後述)。
例外が「旅行」という言葉で、中国語にも旅行という言葉があるけれど、これでは完全に検索結果が出てこないのですね。ここで「旅游」と入れて検索すると、旅游が付く調査レポートも検索されるのでより多くの結果が出てきます。
最近の調査結果は「旅游 2019」など、年を入れるとより絞れるでしょう。「海外旅行」についても、「出国游」という言葉で検索すると結果が出てきます。
199itのサイトでは、タグとなるキーワードがあり、そのキーワードからも様々な検索結果が見つかります。
ECであれば「电子商务」で、旅行ユーザー動向であれば「旅行预订」で、消費者動向であれば「用户研究」で、食品日用品化粧品などの消費は「生活数据」になります。
中国版Google Trends、「百度指数」と「360趨勢」で検索傾向を知る
「世界中の検索トレンドをチェックできる」というGoogle Trendsというサービスがあります。しかし、残念ながら中国ではGoogle利用者が極めて少ないため、中国の検索トレンドをチェックするツールとは言い難いのが実情です。
代わりとなるのが「百度指数」と「360趨勢」です。いずれもWeChat(微信)のアカウントから利用できます。
登録はWeChatのアカウントで
WeChatのアイコンを探してログインしましょう。百度は右上の「注册」で画面が移った後、「已有帐号?登录」の「登录」をクリックするとWeChatアイコンが出てきます。
「360趨勢」は、右上の「登录」をクリックするとWeChatアイコンが出てきます。アイコンをクリックして、出てきたQRコードをスマートフォン版WeChatからスキャンしてログインすると、利用できるようになります。
使い方:結果をどう活かす?
無事ログインしたら利用してみましょう。使い方はGoogle Trendsと一緒です。簡体字やアルファベットで検索ワードを入れると、時期ごとの注目傾向や情報露出量や関連情報が出てきます。
例えば日本旅行に相当する「日本旅游」で検索すると、「観光地」「地図」「ビザ」「自由旅行」「注意事項」「いくら必要か」などが出てくるわけです。
今は新型コロナのおかげで検索数は少ないですが、「日本旅游」の「日本」の代わりに地名で検索するとその土地の人気の場所や行動など何かヒントが出るかもしれません。
化粧品で検索してみたところ、化粧動画、化粧の仕方、ブランドランキング、偽物判定、バービーの化粧品といった化粧とセットで検索される単語が出てきました。
とすると、中国で売る際には、オフィシャルサイトで本物の判別方法を公開し、動画コンテンツの配信や拡散に向く微博(Weibo)や微信(WeChat)のオフィシャルアカウントでは化粧のハウツーなどを書くとよさそうですね。
中国の文字の入力方法:入力できないなら、翻訳すればいい
ところで中国の文字はどうやって入力すればいいのでしょうか。ひとつは翻訳サービスを使うという手があります。
Google翻訳などで日本語から中国語に翻訳するよう設定し、入力するというのが1つのやり方です。
漢字だけが違う場合は、いくつか日本にある簡体字日本語漢字変換サイトか、検索サイトの百度で日本語漢字を入力し変換すると簡体字となって表示されるので、それをコピーするというやり方もあります。
最初は慣れないので時間がかかるし、面倒くさいと感じるかもしれませんが、気になったときに調べてみることを習慣化し、何度も繰り返し行えば、コツがつかめるとともに、なんとなく中国市場がもやっとながら少しずつですが見えてくるようになります。
実務に関係なく、関心があるジャンルから試してみることも、情報収集スキルの習得への近道かもしれません。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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