外国人観光客の「舞妓」への迷惑行為の現状、京都の対策とは

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「舞妓」は、日本が誇る伝統文化の一つです。宴会を盛り上げる役目を担う舞妓ですが、美しい容姿と艶やかな着物姿から、外国人観光客にも非常に人気です。

京都には舞妓になる体験ができる場所や、リーズナブルにお座敷遊びが体験できる場所も多くあります。一方で、マナー違反による祇園観光公害も問題となっています。

観光客向けの舞妓体験施設の充実も大切ですが、観光客のマナー違反による舞妓やお座敷の被害祇園を利用する人の被害についても考えなければなりません。

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日本の誇る「舞妓」とは

日本文化として知らない人はいない「舞妓」ですが、その歴史や特徴について改めて振り返りましょう。

混同されがちな「芸妓」との差に触れながら、舞妓についてその特徴や歴史を解説していきます。

舞妓とは

「舞妓」とは、宴会に華を添えてくれる人のことです。宴会でお酌や会話をしたり、舞を披露したり、宴会を大いに盛り上げてくれます。京都の花街において京文化を継承している貴重な存在と言えますが、その数は年々減少傾向にあります。

舞妓はみな、「仕込み」と呼ばれる下積み時代を経て舞妓になります。仕込みは中学を卒業したばかりの未成年の女性であることが多いため、仕込みや舞妓が生活する「置屋」には「おかあさん」と呼ばれる女将さんがおり、芸事や生活の面倒を見てくれます。

舞妓の歴史

舞妓の歴史は江戸時代にまで遡ります。その始まりは、京都にある神社仏閣の参拝客の間で利用されていた「水茶屋」でした。

当初、水茶屋で働いていた女性はお茶やお菓子を振る舞うのみでしたが、次第に歌や舞、三味線を披露するようになり、それが現在の舞妓や芸妓のルーツだと言われています。水茶屋で提供していたものも、お茶やお茶菓子からお酒や料理というような内容に変わり、最終的に現在の形となりました。

舞妓と芸妓の違い

よく「舞妓」と混同されるのが、「芸妓」です。実はこの2つの大きな差は、修行期間です。

舞妓は芸妓になる前の修行期間を指し、一般的に舞妓としての修行期間は5~6年と言われています。その経験の差から、お座敷で舞を披露する際には経験の浅い舞妓が舞を担当する「立方」を担い、経験豊富な芸͡妓が三味線や歌を担当する「地方」を担うというように、役割に違いがあります。

また、帯の長さ髪の結い方着物の柄といった部分にも違いが見られます。

京都で舞妓を体験する

舞妓の体験には、「自身が舞妓になる体験」と「本物の舞妓と触れ合う体験」の二通りあります。ここではこの二通りの体験について、京都で体験できる場所を紹介します。

舞妓コスプレ体験

舞妓になる体験ができるスポットは京都にたくさんあります。

中でも「夢工房」の舞妓体験は、値段もリーズナブルな上、プランが豊富という点で魅力的です。特にプランに関しては、子供専用のプランや舞妓になってみたい男性向けのプランなど、幅広いニーズに対応しています。

続いては「」です。こちらも幅広いプランやお得な価格設定が魅力ですが、夢工房との大きな違いは母娘プランや芸妓プランがあり、幅広い年齢に対応している点です。

舞妓と楽しむ

お座敷遊びは、料金表のない「言い値」の世界とも言われています。しかし中には、お座敷遊びを体験してみたいという観光客のためのプランを設定しているお店もあります。

その一つが「宴-utage-」です。申し込みの時点で料金が分かり、後から追加料金を請求される心配はありません。一見さんお断りのお店も多いお座敷遊びの世界ですが、一見さんでも来店可能です。

また、旅館祇をん新門荘」でも、明朗価格でお座敷遊びを楽しめます。こちらは40名までの団体での利用にも対応しており、大人数でも利用可能な点が魅力です。

観光公害の改善を求める

外国人に人気の舞妓ですが、一方でマナー違反による観光公害も発生しています。さまざまな取り組みをしてきましたが改善には至っておらず、このままでは舞妓の担い手の減少のような問題が発生するのではないかと懸念されています。

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外国人観光客の迷惑行為の現状

舞妓だけでなくさまざまな日本文化を感じられるとあって、京都は外国人観光客に大変人気です。そういった観光客の中には一部マナーを守らない観光客もおり、頭を悩ませています。

実際に建物の中に無断で入られたり、お座敷へ向かう舞妓を写真撮影のために取り囲んだりといったマナー違反が見受けられます。

お座敷では、かつてのはんなりした雰囲気が失われてしまったと、常連のお客さんが離れるケースも実在しているようです。

また、写真撮影のために力ずくで舞妓を止める、自宅までつけられるといった被害も発生しています。

京都の改善策

こういった現状を打開するために、様々な団体が対策に乗り出しています。

祇園町南側地区協議会では、祇園でのマナーについて細かく記されたしおりを作成し、直接観光客に配布しました。

こういった呼びかけ以外にも、私有地へ入ろうとする観光客の抑制を図るため、監視カメラを増設警備員を配置しました。さらに、パトカーの巡回や、複数言語によるマナー周知のアナウンスといった対策も行っています。

2017年には京都市観光協会が、京都弁である「あきまへん」をもとにした観光マナーのガイダンスを発表しました。また観光案内サイトに、外国人にも伝わりやすいようなグラフィックを用いたビデオを載せ、マナー周知を図りました。

しかしこういった改善策もむなしく、マナーの改善には至っていないようです。

伝統文化の維持に必要なのは大切にする心

舞妓は日本の宝であり、日本人だけでなく外国人にも非常に人気です。しかし、観光客のマナーの悪さによる観光公害も深刻化しており、祇園の雰囲気が失われ、舞妓へ被害が及ぶケースも発生しています。

実際に舞妓になる体験ができる場所も多くありますが、一方で、そういった舞妓体験中の方が観光客に写真を許可することで、本物の舞妓にも被害を与える様子も見受けられます。

このような体験プランを用意している店舗からの顧客への注意も必要です。さらに、観光客がよく利用するタクシーや公共交通機関でのマナー改善の呼びかけも求められます。

このままでは舞妓の担い手がいなくなり、最悪の場合、文化の継承が難しくなることも考えられます。伝統文化を維持するには、その文化を尊重し大切にする心が不可欠です。普段から観光客に意識してもらえるような広報活動が必要です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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