インドネシアは、日本政府の設ける「ビザ免除措置」の対象国となっています。
そのため滞在期間や目的などの条件を満たす場合、インドネシア人はビザの発給を受けずとも日本に入国・滞在できます。
しかし、免除措置の条件を満たしていても事前登録などの準備をしておかなければいけない点には注意が必要です。
ビザ免除措置の条件を満たしていない場合には、目的に応じたビザの発給を受ける必要があります。
ビザには種類があり、滞在目的に応じたものを取得しなければなりません。また、ビザの種類によって必要書類や滞在できる期間が異なります。
この記事では、訪日インドネシア人に対するビザ免除措置の条件や申請方法、ビザを発給するための必要書類や費用、新型コロナウイルス対策としての入国制限を解説します。
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インドネシア人が日本に来るときのビザ
外国人が日本に滞在する場合は、原則としてビザの発給を受けなければなりません。
しかし、短期滞在者を含む全員に煩雑な手続きを要するのは合理的でないため、外務省では特定の条件を満たす場合に限りビザの免除措置を設けています。
インドネシア人が日本を訪れる場合、ビザの発給が必要なケースと不要なケースがあります。
以下では、インドネシア人が訪日する際のビザ発給について解説します。
インドネシア人の訪日:15日以下の観光では事前登録すればビザ不要
外務省では、特定の国や地域に対してビザの免除措置を設けており、それらの国から来日する人々はビザを発給せずに入国できます。
2020年5月現在、68の国と地域がビザ免除の対象となっており、インドネシアも免除措置の対象国に含まれています。 免除措置を受けるためには、以下の4つの要件があります。
- 滞在期間が15日以下であること
- 滞在目的が観光、商用、会議、親族や知人の訪問であること
- ICチップ入りのパスポートを所持していること
- 事前登録を済ませていること(事前登録は、インドネシア国内の日本ビザ申請センター、日本大使館、日本総領事館、日本領事事務所で受け付けています。)
例外として、日本で報酬を受ける活動に従事する場合にはビザの発給を受ける必要があるため、注意が必要です。
インドネシアからの日本留学、就業、15日以上の滞在はビザが必要
インドネシアは免除措置の対象国となっていますが、15日以上滞在する場合にはビザの発給が必須です。観光や商用、会議、親族や知人の訪問を目的とした来日であっても同様です。また、報酬を受ける活動に従事する目的で来日する人々は、滞在期間にかかわらずビザを発給する必要があります。
就労や長期滞在を目的としたビザには、以下の7種類があります。
- 高度専門職ビザ
- 就業ビザ
- 一般ビザ
- 特定ビザ
- 起業(スタートアップ)ビザ
- 外交ビザ
- 公用ビザ
留学や就業を目的とした来日、または15日以上の滞在の場合には、これらの中から目的に合ったビザを発給してもらう必要があります。これらのビザはそれぞれ在留期間についての規定が異なるため、個別に確認しなければなりません。
ビザには有効期限がある
一般ビザは3か月から4年3か月、就業ビザは3か月から5年と、それぞれのビザに応じて滞在の申請ができる最短期間と最長期間が異なります。
ビザで定められた有効期限を超えて滞在してしまうと、不法滞在となり罪に問われます。正当な理由があり期限以降も滞在を続ける場合には、有効期限内にビザを更新しなければなりません。
また、ビザの更新以外に滞在を続ける方法として永住権制度があります。原則として10年以上日本に在留している人は、永住権を申請できます。
永住権の申請にあたっては、在留期間以外にも在留資格や国への貢献、公的義務の履行、刑罰を受けていないなどいくつかの要件があるため、確認しておくとスムーズに手続きを進められます。
インドネシア人が日本のビザを取得する方法
インドネシア人が日本を訪れる場合、インドネシア国内にある施設でビザを取得します。申請の際には申請料や手数料、その他必要書類が求められるため、事前にチェックしておかなければなりません。
以下では、インドネシア国内で訪日ビザを発給する場合の申請場所や必要書類、費用、日数を解説します。
日本ビザ申請センター・総領事館・領事事務所で申請
インドネシア国内でビザの申請ができるのは、日本ビザ申請センター(JVCA)、日本国総領事館、日本国領事事務所です。
日本ビザ申請センターは首都・ジャカルタ、日本国総領事館はスラバヤ、デンパサール、メダン、日本国領事事務所はマカッサルにあり、ビザの発給を受け付けているのは計5か所です。
以前は日本国総領事館、日本国領事事務所、日本国大使館の3か所でビザの申請を受け付けていましたが、訪日ニーズの高まりに伴い発給件数が急増したため、2017年に日本ビザ申請センターが開設されました。
2020年現在、日本国大使館では外交・公用ビザしか取り扱っておらず、それ以外のビザ申請は受け付けていない点に注意が必要です。ビザ免除の登録は受け付けています。
ビザの申請に必要な書類は?
ビザを申請するうえではいくつかの書類が必要となります。たとえば就業や留学を目的としたビザを申請する場合であれば、パスポートや査証申請書、証明写真、身分証のほか、日本の入国管理局で申請・交付を受けた在留資格認定証明書が求められます。
ビザの発給にあたっては在留目的を示す必要があり、その他のビザの場合もこれに類する別の書類が求められるでしょう。必要な書類はビザの種類によって異なるため、事前に確認すべきポイントです。
必要な書類のチェックと用意が終われば、日本ビザ申請センター、日本総領事館、日本領事事務所のいずれかで申請手続きに進みます。
また、場合によっては追加書類の提出を求められるため、ビザの申請はある程度余裕を持って進めておくと安心です。
ビザの申請にかかる費用と審査日数は?
ビザの申請に必要な在留資格認定証明書は無料で申請できます。
申請手続きは行政書士に依頼もでき、その場合は別途事務手数料が必要です。
滞在目的によって一部金額が異なるものの、手数料の相場は12~15万円前後です。発行には1か月~3か月程度の時間を要するため、ビザの申請に間に合うよう、前もって準備しておかなければなりません。
ビザの申請には申請料がかかります。申請料は、一次入国であれば39万ルピア(約2,700円)、数次入国であれば78万ルピア(約5,200円)です。
また、日本ビザ申請センターでの申請手続きには16万5,000ルピア(約1,100円)の手数料が別途課されます。ビザは原則として申請日から5営業日以内に発給されます。
新型コロナウイルスでビザ発給や入国への影響は?
2020年に入ってから新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行しており、各国の外交や入出国に大きな影響を与えています。
日本政府もインドネシアからの入国に制限を付しています。また、インドネシアも外国人の入国を原則禁止とするなど、水際対策に力を入れています。
以下では、新型コロナウイルス感染症の拡大による、ビザや入国への影響を解説します。
【入国制限まとめ】5/16更新:5類移行に先立ち水際対策「終了」/日本・世界のコロナ対策渡航制限 最新情報が一目でわかる一覧表
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インドネシアはビザ制限・入国制限の対象となっている
政府は新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、73の国と地域に対して入国制限を設けました。
この制限は、既に発給済みのビザを含むすべてのビザの効力を停止させ、該当する国と地域からの入国を拒否します。
同制限は2020年4月3日~4月30日の期間限定で設けられたものでしたが、世界的な感染拡大が収束していないため、当面の間は延期する結果となりました。
2020年5月現在、政府はそれぞれの国と地域の感染状況を鑑みたうえで、3つの段階を設けて制限を緩和することを検討しています。
日本人はインドネシアから帰国できるが、14日間の自宅待機が必要
インドネシア人の訪日は制限していますが、現地に滞在している日本人の帰国は認められています。
海外から帰国した日本人は原則としてPCR検査を受け、陽性の場合は隔離入院、陰性の場合は自宅やホテルで14日間の待機が義務付けられています。その間は外出が禁止され、定期的に保健所から健康状態を確認する連絡が届きます。
また、空港から待機場所までの移動に公共交通機関やタクシーを利用することはできず、送迎を頼むかレンタカーなどを利用する必要があります。
インドネシアは全ての外国人を入国禁止にしている
インドネシアでは、2020年4月2日からすべての外国人の入国受け入れを停止しています。
例外的に入国を許可する対象者は、滞在許可や定住許可を持っていることに加えて、健康証明書を所持していることや非感染地域に14日以上滞在していることが条件として求められます。
これらの条件をクリアしていても、入国時に新型コロナウイルス感染症が疑われる初期症状がある場合には14日間の隔離生活を送らなければなりません。
インドネシア人はビザ免除も可、事前登録が必要な点に注意
訪日外国人は原則として入国に際してビザを取得する必要がありますが、インドネシアはビザ免除措置の対象国となっているため、一定の条件を満たす訪日インドネシア人はビザを取得することなく日本に滞在できます。
滞在期間が15日以下であることや、滞在目的が観光、商用、会議、親族や知人の訪問であること、ICチップ入りのパスポートを所持していることなどの条件を満たせばビザなしでの訪日ができますが、事前登録が必要な点に注意すべきです。
事前登録は、インドネシア国内の日本ビザ申請センター、日本国総領事館、日本国領事事務所で受け付けています。
これらの条件を満たさない場合は、滞在目的に応じたビザを取得する必要があります。ビザは原則として申請から5日以内に発給されますが、在留資格認定証明書など、発行に時間がかかる書類もあるため、準備は余裕を持って進めていくとよいでしょう。
2020年5月現在、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、日本ではインドネシアからの訪日外国人に対して入国制限を設けています。今後、各国の感染状況によって制限を緩和していく可能性が示唆されているため、随時確認が必要となるでしょう。
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