今、日本が「中東」に注目する理由:紀伊国屋「アブダビ店」進出・JNTO「重点市場」追加、インバウンドの存在感も一段と

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紀伊国屋書店は今年5月6日、アラブ首長国連邦(UAE)の首都・アブダビに新たな店舗を開店しました。紀伊国屋書店の海外店舗としては39店舗目で、中東ではドバイ店に続いて2店舗目です。

中東地域は今年4月、訪日プロモーション実施対象とするビジット・ジャパン重点市場に追加されたばかりです。アウトバウンドインバウンド共に中東地域へ注目が高まっているといえます。


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紀伊国屋書店、アブダビに中東2号店をオープン

アブダビ店はアブダビ中心地に位置するショッピングモール「ザ・ギャレリア」内にオープンしました。

アブダビはUAEの首都であるにもかかわらず書店らしい書店はなく、かねてから現地の人や駐在員から多くの出店要望がありました。近年はルーヴル・アブダビ開館や世界的な大学の進出による外相のビジネス機会増加などチャンスを見込んでおり、その中でショッピングモールからの出店オファーを受け、出店となりました。

店内は日本とアラビアのデザインが融合された2フロアで、英語とアラビア語を中心とした約15万冊もの本を揃えており、中には日本の漫画や関連のフィギュア、日本の文具、児童書も含まれています。

今後はカフェも併設される予定で、地元住民や家族連れにとって「オアシスのような」滞在型の書店を目指します。

滑り出しは順調「巣ごもり消費」が追い風か

開店時は、新型コロナウイルスの流行とラマダンに重なっていたものの、巣ごもり需要から書籍やパズルやゲームが多く売れ、好調な滑り出しとなりました。

さらに、モールの閉鎖から店舗での売り上げがない時期もオンラインでの売り上げが通常の約2倍になり、店舗分の売り上げのマイナスもカバーしたとのことです。

ビジット・ジャパン事業「重点市場」に中東・メキシコを追加

ビジット・ジャパン事業とは、日本政府観光局JNTO)が推進する訪日外国人の増加を目指すプロモーション事業です。

2020年4月に、ビジット・ジャパン重点市場に中東地域とメキシコが追加されました。今回追加された中東地域とメキシコは2019年の訪日旅行者数は過去最高数値に上っていることから、今後のさらなるインバウンド需要の拡大を見込んでと思われます。

また、中東地域・メキシコ共に富裕層の訪日旅行需要をターゲットとしており、富裕層への訪日旅行プロモーションが予定されています。

官民一体で推進するビジット・ジャパン事業、2020年は「重点市場」に中東・メキシコを追加:新型コロナ収束の折には忘れず対策を

観光庁とJNTOは訪日プロモーション事業の実施対象とするビジット・ジャパン重点市場に、中東地域8ヶ国(サウジアラビア・UAE・バーレーン・オマーン・カタール・クウェート・トルコ・イスラエル)とメキシコを計画通り追加しました。以前から、中東や中南米といった今後の訪日インバウンドの成長が見込まれる市場において、JNTOの現地事務所の設置準備を進めるとともに、重点市場化に向けた市場調査や先行試行的なプロモーション等を実施していました。中東地域は2019年3月にはビジット・ジャパンの準重点市場とし...


インバウンド・アウトバウンド共に中東に注目集まる

文化面・ビジネス面において発展しはじめているUAEの首都アブダビは、今までドバイと比較して娯楽施設が少なかったり、書店らしい書店が存在しませんでした。こうした実情から近年の発展を鑑みると、今後のアブダビは進出先として「伸び代」がある商圏といえます。

さらに、JNTO中東地域を「重点市場」に追加し、訪日旅行を積極的に訴求していく構えであることからも、インバウンドアウトバウンドの両面で中東に対して注目が集まっていることが伺えます。

インバウンド関連事業者にとっては、中東地域からのインバウンドは今まで比較的馴染みがなく、それに対しての対策も多くはないでしょう。しかし、今後のコロナ収束後を見据え、ターゲットとなっている中東地域の特徴をおさえた施策を行うことが重要といえます。

<参照>

・日本貿易振興機構:紀伊國屋書店、アブダビに中東2号店をオープン

・株式会社紀伊国屋書店:2020年5月6日 紀伊國屋書店アブダビ店をオープン

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

  • 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
  • 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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  • 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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