山形花笠まつりは東北四大祭りの一つで、参加する各団体は衣装を揃え花笠音頭に合わせて伝統的な踊りや、趣向を凝らした踊りを披露します。
山形の花である紅花をあしらった笠や衣装は華やかさを、「ヤッショ、マカショ。」という掛け声や太鼓の響きがダイナミックさを演出します。
山形花笠まつりは市民参加型の祭りとして開催されており、当日飛び入りでの参加ができる点が特徴的です。国籍を問わず誰でも自由に参加できるため、国際交流の場としても有効的なお祭りです。
本記事では、山形花笠まつりの概要と特徴、県内の在日外国人に向けた取り組み、そしてお祭りのインバウンド対策について紹介します。
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山形花笠まつりとは
山形花笠まつりは、花笠音頭に合わせて、笠を用いながら華麗な踊りが披露されます。その姿を目当てに毎年多くの人々が訪れます。
一糸乱れぬ踊りを鑑賞するだけではなく、祭りの参加者として飛び入りで楽しむことができることも特徴の1つです。
ここでは山形花笠まつりの概要や見どころについて紹介します。
概要
山形花笠まつりは東北四大祭りの一つで、毎年8月5,6,7日の3日間にわたり開催される市民参加型の夏祭りです。
花笠音頭パレードは、以前「蔵王夏まつり」のイベントの一つでしたが、1965年以降に単独のイベントとして開催されるようになりました。
残念ながら2020年の開催は1963年の第1回以来初の中止となってしまいましたが、例年では100万人を超える来場者が集まります。
また山形花笠まつりを盛り上げるために、毎年ミス花笠や花火の実施などさまざまな取り組みも開催期間に合わせて行われています。
見どころ
山形花笠まつりの見どころは、花笠音頭に合わせて一糸乱れぬ踊りが次々と披露されるパレードです。
パレードは蔵王大権現の山車を先頭に進み、薫風最上川や蔵王暁光などの伝統的な踊りをはじめ、参加者が独自に作り上げた創作花笠も披露されます。
山形の花である「紅花」をあしらった笠や、華やかな衣装をまとった踊り手の「ヤッショ、マカショ」という威勢のいい掛け声と勇ましい花笠太鼓が響き渡り独特の雰囲気を演出しています。
誰でも自由に参加できる「飛び入りコーナー」
山形花笠まつりの特徴として、飛び入り参加で楽しめるチャンスが各日2回設けられています。
飛び入り参加にはゴール付近市役所前にて参加できる「オープニング花笠輪踊り」と、パレード団体の最後尾に参加できる「最後尾飛び入りコーナー」の2種類があります。
それぞれ個人や20人以下のグループであれば誰でも自由に参加可能です。お祭りを観賞するだけでなく、実際に踊って楽しむことができる機会として、毎年多くの方が飛び入りで参加しています。
山形花笠まつりで国際交流
花笠まつりは今や在日外国人の方々も多く参加するイベントとなっており、国際交流の場としての側面も持つようになりました。
山形市国際交流協会の活動や、外国人参加者の感想を紹介します。
県内に暮らす外国人に呼びかけ、花笠まつりパレードに参加
山形市内で開催される花笠まつりには、県内に暮らす多くの外国人も参加しています。
山形市国際交流協会は、市民を主体とした幅広い分野における国際交流を推進する活動の一環として、外国人に花笠パレードの参加を募集しています。
「万国軍団」という名前で毎年参加しており、2018年には総勢174名がパレードに参加しました。
祭りへ参加するという体験は、留学生をはじめ日本文化に興味をもつ多くの外国人にとって貴重な経験となります。
参加した外国人の声
花笠まつりで実際に花笠踊りを体験をした外国人参加者の感想をいくつか紹介します。
「母国には集団で歌ったり踊ったりする祭りというイベント自体があまりないため、新鮮に感じられる。」という感想や「練習会や本番を通して様々な国の方とすぐに親しくなれる。」「一緒に踊ることで心を一つにできる貴重なイベント。」という声もあがりました。
お祭り自体の珍しさや、お祭りを通した交流が高く評価されています。花笠まつりへの参加は外国人の方にとっても交流やふれあいの場となっています。
まつり以外にも様々な活動で山形県に住む外国人をサポート
国際交流協会では、山形県に来て間もない外国人が暮らしになじめるようにさまざまな活動に取り組んでいます。
協力協働事業としては、日本語を学ぶ機会の提供や日本で暮らすうえで必要な知識を教えるといった生活の支援などを行っています。
また交流事業では、日本の食文化の体験、花笠まつりへの参加や国際交流イベントの主催を行い、文化体験を通した国際交流をはかっています。
日本に来て間もない頃に、同協会の活動に助けられたことがきっかけでボランティアをしている人もおり、支援と交流の輪が広がっていることがわかります。
山形花笠まつりのインバウンド施策
花笠まつりは毎年多く観光客が集まり、なかには外国人観光客の姿も多くみられます。
宿泊者受け入れ体制の強化や多言語対応、今後の展望についてどのような対策が行われているかについて紹介します。
「交通キャパシティ不足」に宿泊施設との連携で対応
毎年100万人程度が訪れる大規模なイベントにおいては、宿泊施設の確保と渋滞緩和への対策が重要です。
山形市内の抱える課題として開催期間の宿泊施設不足が挙げられるため、蔵王、天童など近隣の温泉地域と連携して宿泊者の受け入れを行っています。
また、宿泊施設と連携して旅館とパレード会場間でシャトルバスを運行することで渋滞緩和に努めています。
サイトの多言語化や動画でのPR
外国人観光客の増加により、多言語での情報提供の必要性が高まっています。
山形花笠まつりの公式ホームページは日本語、英語、中文簡体 、中文繁体、韓国語の4言語に対応しており、動画による踊り方の解説も充実しています。
また、「東北絆まつり」として隣県で開催される祭りと協力したホームページを立ち上げ、祭り当日の映像公開も行っています。会場では、外国人の参加できる機会として、各踊り手団体での受け入れや飛び入りでの参加時間が用意されています。
今後の展望
山形花笠まつりが継続的に発展していくために現在検討されている取り組みや今後の課題について紹介します。
新たな取り組みとして、収益改善に向けて有料の体験型コンテンツの提供の検討がされています。
また、外国人観光客への対応として、会場の看板を多言語に対応させるかどうかについて今後検討をされる予定です。
現状の課題としては、参加団体の増加によって現在の会場の規模ではパレード実施が困難だという点が認識されています。
参加者増す「山形花笠まつり」、適切な施策でインバウンド誘客
山形花笠まつりは、花笠音頭に合わせて様々なバリエーションの踊りが繰り広げられるパレードです。
踊りを鑑賞する楽しみと、祭りの参加者として飛び入りで楽しめる両面をもち、毎年多くの人が訪れる伝統的なお祭りです。
今や外国人の方々も多く参加するイベントとなり、国際交流の場としての側面をもつようになりました。
近年では外国人観光客向けに受け入れ体制の強化や多言語での情報提供が進んでいます。
また、近隣で行われる祭りと連携したホームページを立ち上げるなど、外国人に対して積極的にアプローチを行っています。
日本独自の祭りの文化を世界中に発信することで、祭りに興味をもつ外国人が増え、より多くの方が日本を訪れることにつながるでしょう。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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