都内 外国人観光消費額「日本人の10倍」全体の20%占める:外国人観光客数は前年比6%増【2019年東京都観光客数等実態調査】

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6月8日、東京都は2019年の東京都観光客数等実態調査の結果を公表しました。

この調査によると、2019年の訪都外国人数は前年比6%増で過去最多となりました。外国人誘致事業が功を奏したといえそうです。また、外国人観光客一人あたりの消費額が日本人観光客の約10倍であることもわかりました。

本記事では、調査から読み取れる訪都外国人観光客の動向について解説します。

《注目ポイント》

  1. 外国人観光客は前年比6%増
  2. 外国人観光客は全体の3%、しかし消費額は全体の5分の1を占める
  3. 外国人観光客の一人あたり消費額は日本人の10倍、宿泊率の高さが一つの要因か

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訪都外国人観光客は前年比6%増/訪日客数の伸び率を上回る

調査結果によると、2019年に東京都を訪れた外国人旅行者数は約1,518万人(前年比6.6%増)で、過去最多となりました。一方、日本人旅行者数は約5億4,316万人(同1.2%増)となりました。

訪都外国人旅行者数が過去最多となった要因として、東京の観光PRや受入環境整備をはじめとする民間事業者と連携した外国人誘致事業のほか、ラグビーワールドカップ2019日本大会の開催に伴う訪日需要の高まりなどが挙げられます。また、訪都日本人旅行者数も、台風などの自然災害による落ち込みがあった一方で、改元の祝賀ムードや大型商業施設の新規開業などにより、年間では増加となりました。

訪都外国人観光客数は2012年以降から増加を続けています。近年は訪日外国人観光客数と比較すると伸び率が低い傾向にありましたが、2019年は訪日外国人観光客数は前年比2.2%増であったのに対し、訪都外国人観光客数は前年比6.6%増と、逆転する結果となりました。

▲[訪日・訪都外国人旅行者数及び訪都国内旅行者数の推移]:東京都 東京都観光客数等実態調査
▲[訪日・訪都外国人旅行者数及び訪都国内旅行者数の推移]:東京都 東京都観光客数等実態調査

観光消費額:外国人観光客は日本人観光客の約10倍消費している

訪日外国人都内での観光消費額は1兆2,645億円(前年比5.7%増)となりました。観光庁訪日外国人消費動向調査によると、全国の訪日外国人消費額は4兆8,135億円であるため、都内での消費額は全国の消費額のおよそ4分の1(26.2%)を占めていることになります。

訪都観光客のうち外国人が占める割合はわずか2.7%ですが、訪都外国人観光客による消費額は全体の約20%を占めています。一人あたりの消費額は日本人観光客が8,792円、外国人観光客が83,322円で、およそ10倍の差があります。

一人あたり消費額に差が生まれた理由:宿泊率の高さ・訪問地点の多さ

この差が生まれる要因の一つとして、外国人観光客の宿泊率の高さが挙げられます。東京都を訪れる日本人観光客のうち93.2%が日帰り客であるのに対し、外国人観光客は74.3%が宿泊を伴う観光を行っています。

観光庁訪日外国人消費動向調査によると、訪日外国人消費額のうち「宿泊費」は「買い物代」の次に多く、全体のおよそ3割を占めています。日本人観光客の場合は買い物や食事が消費の中心となりますが、外国人観光客の場合はそれに宿泊が加わるため、これだけ消費額に大きな差が出たと考えられます。

さらに宿泊によって都内での滞在時間が長くなることで、食事の回数も増加します。日帰りの場合都内で食事をとるのは1日1~2回でも、宿泊を伴うと多くの場合3回になります。このことも訪都外国人観光客の一人あたり消費額の高さに寄与しているといえるでしょう。

もう一つの要因として、外国人観光客の一人あたり平均訪問地点数の多さが挙げられます。

宿泊か日帰りかを問わず、東京都を訪れる外国人観光客は日本人観光客より一人あたりの平均訪問地点数が多い傾向にあり、その分都内での消費につながる機会が多いと考えられます。この一人あたり平均訪問地点数の多さも、上記の宿泊率の高さやそれに伴う滞在時間の長さと密接な関係があると考えて良いでしょう。

改めて明らかになった、外国人観光客誘致の重要性

現在、日本は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、111か国からの入国を制限しており、訪日旅行の回復には至っていません。しかし、一人あたり消費額の多さから、改めて都として外国人観光客の誘客に注力する必要性が見えてきました。

約7週間に及んだ緊急事態宣言の発令や、外出自粛による消費の落ち込みで疲弊した日本の経済にとって、アフターコロナにおける外国人消費は大きな刺激になるでしょう。

政府は夏の間にタイやベトナムを含む4か国からの入国制限を段階的に緩和する方針を示しています。この緩和措置はまずビジネス関係者に限定される予定のため、観光客の受け入れはまだ先になりそうですが、アフターコロナに向けて今から情報発信に取り組み、受け入れ態勢を整えていく必要があるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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