Zoomは危険?どこの国の企業?脆弱なセキュリティと露見した中国への情報提供・アメリカや台湾では使用禁止に

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政府は、新型コロナウイルスの感染防止策としてテレワークを推進しています。テレワークではインターネット上で会議を開く「Web会議システム」が広く活用されていますが、その中でも「Zoom」は特に有名です。

Zoomは2013年1月にアメリカでサービスを開始したWeb会議システムです。

無料で利用できることや扱いやすさが人気を呼び、2020年5月には1日あたりの会議参加者数が3億人を突破したと発表されています。

一方で、中国政府の要求に応じてアカウントを停止させていることや、セキュリティの脆弱さが問題となっています。

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Zoomが天安門事件に言及したアカウントに停止措置

2020年5月31日、人権団体「Humanitarian China」は、天安門事件を振り返る会議をZoom上で開催しました。その後、この会議に用いられたアカウントは停止され、Zoomもアカウント停止措置の事実を認めました。

Zoomはアメリカ・カリフォルニア州に本社を置く企業です。今回の措置について同社は、中国においてもサービスを展開しているため、中国の法律に従うための措置をとったとの説明をしています。

また、Zoomは声明で、天安門事件が起きた6月4日に関わるとして、中国政府の要求に応じて上記のほか2つの会議を終了させたと発表しており、Zoomで交わされる会話は中国政府により監視される可能性があることが明らかになりました。

アカウント停止の措置に対し、香港やアメリカなどからは言論の自由が侵害されているとして抗議の声が寄せられているものの、中国外交部(外務省)はこの問題を把握しておらず、外交問題には当たらないとの立場を示しています。

Zoom創業者は中国出身の袁征氏ですが、この件との関連性は明らかになっていません。

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グレートファイアウォールのアクセス制限により中国ではGoogleやYouTube、LINE、Facebookをはじめとする世界各国で使用可能な検索プラットフォームやSNSの多くにアクセスができないため、旅行や出張で中国に行く際には注意が必要です。


Zoomのセキュリティは穴だらけ?多くの問題が浮上

中国政府によりデータが監視されていることが明らかになったZoomですが、以前から数度にわたってセキュリティ上の懸念が浮上していました。

Zoomの通信は暗号化されており、外部へのデータ漏洩を防いでいます。この暗号化に用いられる鍵(AES)の長さは公式には256ビットだとされていました。

しかし実際の長さは128ビットであったことが分かり、ハッキングに対する耐性が比較的弱いものであるとして問題になりました。この他にも、ECBというセキュリティが問題視されている暗号の設定が使われていたことがわかっています。

同時に、暗号鍵の保管場所が中国であったことやWindowsとmacOSのZoomクライアントに脆弱性が存在したことも判明しています。

また、いくつかのZoomアカウントはすでにハッキングされており、ハッキングを専門に扱うWebサイトでこれらのアカウントが取引されていることも、Zoomの信頼性が揺らいだ原因のひとつです。

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各国政府でZoom使用を規制する動きが相次ぐ

先述の通り、Zoomでは数々のセキュリティ上の懸念が報告されています。これらを受け、世界各国の政府機関ではWeb会議でのZoomの使用を禁止する動きが相次いでいます。

アメリカでは、合衆国上院の守衛官が議員に対しZoomの使用を避けるよう呼びかけています。他にもニューヨーク市教育庁やネバダ州クラーク郡の公立高校などでZoomの使用を禁止する通達が出ています。

また、ドイツ外務省は、国が所有する端末でZoomを使用することを禁止しています。ドイツ自由民主党(FDP)のデジタル政策広報を担当する議員もZoomが安全なソフトウェアだと証明されない限りは使用を控えるべきだと呼びかけており、ドイツでは多くの機関でZoomの使用が控えられているようです。

この他にも、台湾では全ての政府機関におけるZoomの使用を控えるよう勧告が出されており、オーストラリアでは国防軍と議会におけるZoomの使用が禁止されました。

インドでは政府のサイバーセキュリティ部門(CyCord)がZoomの危険性を指摘しており、政府職員に業務でZoomを使用しないよう求めています。

中国向けサービスも一部中止、市場撤退の報道も

世界各国でセキュリティ上の懸念から公的な場での利用が避けられているZoomですが、中国での直接販売を8月下旬から中止しています。

Zoomのサービスは利用できますが、新たにアカウントを作ることができなくなったとの情報もあります。

Zoomの創業者であるヤン氏は中国からの移民であり、現在はアメリカ国籍ですが、ソフトウェアの開発は中国で行っています。

アメリカ政府ではTikTok同様、政府や社会の安全性に害があるのではとの見方が強まっているようです。

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浮き彫りになる中国製サービスの危険性、どう向き合うか

Zoomはアメリカで開発されたサービスであるものの、中国政府により会話の内容が監視されていることを受け、多くの国の政府機関で使用を控えるよう通達されています。

一方、WeChatWeiboなど、中国で作られたサービス中国国内の法律が適応されるため、各利用者のデータを監視したり中国の政府機関にデータを送信する機能があらかじめ搭載されている場合が多くあります。中国国外からこれらのサービスを利用している場合でも通信の内容は中国政府に共有される可能性があります。

こうした体制はどのようなリスクをはらんでいるのでしょうか。まずは、習近平主席の批判など中国政府にとって好ましくない発言をしたり、天安門事件など中国国内でタブーとなっている物事に触れた場合に、アカウントが停止される可能性があります。SNSのアカウントは今やビジネスでも使われるものであり、そのつながりを寸断されることによる不利益は小さくはないでしょう。

次に、機密情報が筒抜けになってしまうリスクがあります。

情報がもたらす商業的利益、国家的利益は当然ながら大きなものです。こうした情報をオンラインで披歴する際には、共有の場となるサービスプラットフォームが信用できるものなのかどうか、情報の機密性の程度に応じて、精査の必要があるでしょう。

中国製のサービスで有名なものとしては、チャットサービスではWeChatやQQ、SNSではWeiboTikTok、ゲームでは荒野行動やアズールレーンなどが挙げられます。

これらのサービスが全ての情報を中国政府に送信しているかどうか、確たる情報はありません。そうではあっても、業務で重要な情報を扱う場合は、なるべく中国製のサービスやソフトウェアを避けるといったリスクヘッジが必要なケースがあるのは確かでしょう。

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<参照>

Axios:https://www.axios.com/zoom-closes-chinese-user-account-tiananmen-square-f218fed1-69af-4bdd-aac4-7eaf67f34084.html

The Times of India:https://timesofindia.indiatimes.com/gadgets-news/zoom-responds-to-supreme-court-notice-on-plea-to-ban-the-video-conferencing-app/articleshow/75921438.cms

ZDNet:https://www.zdnet.com/article/zooms-q1-lives-up-to-hype-crushes-estimates-and-outlook-doubles-wall-street-view/

ZDNet:https://www.zdnet.com/article/us-senate-german-government-tell-staff-not-to-use-zoom/

日系XTECH:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/cpbook/18/00057/00005/

聯合新聞網:https://udn.com/news/story/7331/4629889

36Kr Japan:https://36kr.jp/11229/

NHK:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200612/k10012468271000.html

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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