インバウンド経済回復に「MICE」が欠かせないワケ:GoTo MICEを求める「5本の矢」提言「JAPAN MICE is BACK」を解説

公開日:2020年07月06日

観光庁は2020年6月16日、Go To キャンペーンの一環である、GoToトラベル事業のモデルや企画競争の実施を公表し話題となっています。キャンペーンは8月上旬からスタートすることが示されているものの、キャンペーン参加の手順等の詳細は明らかになっておらず、観光業界や飲食店等の事業者には一部困惑も広がっているようです。

Go To キャンペーンが主に個人旅行者を対象にした施策であることに対し、ビジネス目的の移動、飲食、宿泊等の消費にも注目すべきとの声が業界団体からあがっています。日本コンベンション協会(JCMA)による、「JAPAN MICE is BACK」という緊急提言です。

今回は、JCMAが求めるMICE再興策についての「5本の矢」の内容と、インバウンド経済回復にMICEがもたらす影響について解説します。

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JCMA「JAPAN MICE is BACK」のための緊急提言

新型コロナウイルスの流行によるイベント自粛の影響を受け、MICE業界も大きな苦境に立たされています、

国際的なビジネスJCMAは6月3日、ポストコロナの再興を目指す「JAPAN MICE is BACK」という緊急提言をまとめ、観光庁へ提出しました。

提言では国に対し、MICE再興策について以下の5点を要望しています。

  1. MICEを開催する際のガイドライン策定などへの関与
  2. 「Go To MICEキャンペーン」を緊急支援策として実施
  3. MICE主催者の開催意欲を喚起する対策の実施
  4. MICEのV字回復を見越した戦略推進
  5. 東京五輪の延期に伴う補償

MICEを含む大規模イベントの開催について、政府の基本対処方針である大規模イベントの制限が緩和される8月1日以降も、会場の収容率を50%に留めるなどの制約が残ります。こうした不利益を緩和させるべく、ガイドラインの策定には国が主体的かつ積極的に関与することを求めています。

また、観光業の復興を目指す「Go Toキャンペーン」において、MICE業界も助成対象とする「Go To MICEキャンペーン」の実施を要望しました。

「Go To MICEキャンペーン」では、企業がMICEに出展する際に発生する参加登録費・出展協賛費・企業イベントの会場借り上げ費に対し、半額補助することを要請しています。

さらに、MICE参加者のために、宿泊や飲食・交通などに使用できる地域振興券の配布も求め、企業のMICE出展を後押しするような要望をしました。

MICE(マイス)業界とは?

MICEとは、企業等の会議や研修(Meeting)・報奨旅行(Incentive travel)・国際会議(Convention)・展示会やイベント(Exhibition/Event)の頭文字を組み合わせて造った、ビジネスイベントの総称を意味します。

MICEの特徴として、高い経済波及効果が挙げられます。ビジネスパーソンが主体となるMICEは、参加者の消費額が一般旅行者のそれよりも大きいことで知られています。

MICEでは海外から一度に多くの参加者を招くケースも多く、開催国のインバウンド経済にもポジティブな影響を及ぼします。日本で積極的にMICEを開催することは、日本の経済発展につながるとして、MICEの開催は近年注目を集めています。

日本コンベンション協会(JCMA)とは

日本コンベンション協会(JCMA)は、国内最大のコンベンション団体として2015年4月に設立されました。ビジョンとして『グローバル経済と世界平和への貢献』を掲げており、「人が集うと世界が動く」を合言葉に日本の国際MICEの発展を目指して活動しています。

MICE業界のさまざまな事業者や公的団体が入会しており、日本におけるMICE分野の国際競争力の強化を目指し、事業者の専門性の向上やMICE人材の教育や発掘にも尽力しているのが特徴です。

具体的には、MICEに関する勉強会やスキルアップセミナーを定期的に開催しているほか、MICE業界の交流促進を目的とした会員向けイベントの開催、海外MICEツアー、MICE出展の募集などを行っています。

インバウンド市場の回復、MICEにも注目

高い経済波及効果があるMICEは、インバウンド業界にとって必要不可欠な存在です。MICEの開催そのものによる経済効果はもちろん、MICEで日本を訪れた参加者が、余暇を利用し開催地以外を訪れるケースも考えられます。

MICEの振興は、インバウンド市場や地域経済の回復にも貢献すると期待できます。

JCMAの提言を受け、今後「Go To MICEキャンペーン」が緊急支援策として実施される可能性もあるでしょう。一般の旅行客に先んじてビジネス目的での渡航制限が緩和される予定です。ビジネス目的とはいえ、滞在中の消費のうち飲食や宿泊は一般の旅行客同様、あるいはそれ以上の水準が期待できます。

日本への渡航の機会があれば、観光施設や観光コンテンツにも関心を高めるのは自然な流れでしょう。政府の支援の手が入るのか、入るとしていつ入るのかはまだ見えませんが、ビジネス目的の往来が再開されることを踏まえ、こうした目的で訪日する場合のインバウンド需要のありかや、その消費者心理について理解を深めておくべきでしょう。

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<参照>

JCMA:新型コロナウイルス感染症禍後の「JAPAN MICE is BACK」のための緊急提言

観光経済新聞:「GoTo MICE」要望 日本コンベンション協会、観光庁に提言

TRAVEL JOURNAL ONLINE:「開催ガイドラインへの主体的な関与を」 MICE業界団体が国に提言、GoTo対象拡大も要望

JNTO:MICEとは

展示会とMICEMICE(マイス)とは?わかりやすく解説

JCMA:ご挨拶

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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