台湾人が熱をあげる「微出国」「偽出国」とは?つのる日本旅行への想いを受け止める様々なプランが出現

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新型コロナの世界的な感染拡大から、海外旅行へ自由に出かけられなくなった今、2019年の訪日観光客数第3位と親日度が高い台湾では、画期的なプランが登場しています。

日本へ旅行に行けない代わりに、台湾域内で日本旅行気分をあじわえるホテルプランが話題です。今回は、今台湾で注目されている「微出国」「偽出国」というホットワードをふまえ、ウィズコロナ時代の台湾人の訪日意欲について解説します。

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台湾国内で日本旅行気分を満喫できるホテルプランとは

台湾の台北にある5つ星ホテル「リージェント台北」では、新型コロナの影響で自由に海外旅行へ行けない現状をふまえ、台湾で日本文化を体験できる「陸上クルーズ」という2泊3日の宿泊プランの提供を始めました。

本プランの特徴として、専属の日本人コンシェルジュから日本式のおもてなしを受けられる点があります。例えば、コンシェルジュによる茶の湯文化の紹介や、浴衣体験が楽しめます。本格的な日本食を楽しめる点も、日本ファンの台湾人を惹きつける魅力の1つです。チェックインの後には和菓子を、夕食には黒牛の鍋や日本酒を提供します。

ホテル内では、インバウンドに人気の観光スポットである築地市場の競りの様子を再現したイベントのほか、シェフによるその日に港から直送された魚の解説も行われます。

本プランを体験したインフルエンサーによる、Facebook上の体験投稿には、「日本にいるみたい(我還以為在日本耶)」「ニュースで見たら体験してみたくなった(我有看新聞介紹,看了都想去體驗了)」「めっちゃ良さそうな体験!(好讚的體驗)」など、ポジティブなコメントが多数寄せられました。

「偽旅行」の投稿 Facebookより 訪日ラボ編集部キャプチャ

Facebook:溫士凱(Danny Wen)氏の投稿

「微出國」「偽出國」がホットワードに

現在台湾では、新型コロナの感染拡大防止を目的とした水際対策により、自由に海外旅行へ行けない状況にあります。

このような状況下でつのる海外旅行需要を読み取った台湾の航空会社や宿泊事業者・旅行会社は、「微出國」「偽出國」をコンセプトにしたさまざまな旅行プランを打ち出しました。

「微出國」「偽出國」は、擬似出国という意味です。実際に外国へは行けないけれど、空港でのチェックイン手続き体験や免税ショッピングを体験できるイベントに参加したり、海外旅行気分を味わえる台湾の観光スポットやホテルなどに行ったりできるとして、話題になりました。

台北松山空港は7月、他の事業者に先駆けてチャイナエアラインとエバー航空とコラボし、出入境体験イベントを開催しています。空港でのチェックインから出入境審査、搭乗ゲート前での待機、飛行機への搭乗まで、実際に海外旅行に出かける際の一連の流れが体験できる内容です。

事前にFacebookを通じ参加者を募集したところ、90組の募集に対し約1万人の応募があるなど、イベント前から大きな反響がありました。本取り組みには、チャイナエアラインとエバーグリーン以外に、星宇航空とタイガーエア台湾も参入するとしています。

このようなイベントの開催を受け、台湾では「微出國」「偽出國」がホットワードになりました。KEYPOという台湾のビッグデータ調査分析会社によると、現地ニュースやSNS・ブログなどで「微出國」という言葉が話題となっています。

ネット上で話題の「微出國」
▲[ネット上で話題の「微出國」]:KEYPO

Googleトレンドでは、台湾における検索キーワード「偽 出國」の人気度が右肩上がりとなっていることがわかります。

Googleトレンドにおける「偽 出國」検索キーワードの人気動向は右肩上がりに
▲[Googleトレンドにおける「偽 出國」検索キーワードの人気動向]:訪日ラボ編集部調査


台湾人の外国旅行動向

JNTO訪日旅行データハンドブック2019」によると、日本は台湾人に人気の海外旅行先として第2位となっています。訪日旅行のリピーター率は約87%にも上り、日本ファンが非常に多い点が訪日台湾人市場の大きな特徴です。

データでわかる訪日台湾人観光客

インバウンド施策をしていく上ではターゲットとなる方々がどのような特性や国民性を持っているのかを知るのは非常に重要です。このページでは台湾人は国として国民性としてどのような特徴や特性を持っているのか、訪日台湾人は日本国内でどのような行動を取っているのかを実際のデータを元に紐解いていきたいと思います。

新型コロナの流行から外出や旅行を控える動きが世界的に広がりましたが、台湾では4月以降から、新型コロナの沈静化と合わせて経済の活性化を図るため、政府は相次いで緩和策と支援策を実施しました。その結果現在の台湾では、消費ブームと国内旅行ブームが到来しているとみられています。

一方で、イベントの盛り上がりからもわかるように、海外旅行への欲求は高まっており、特に訪日旅行の需要の高さが顕著です。

コロナ禍でも高い訪日意欲

Expediaの2020年6月の検索データによると、2021年1〜3月に検索されたトップ20の目的地のうち半数が海外となり、日本の7都市がランクインしました。

順位 都市名 国名
1 東京 日本
2 大阪 日本
3 台北 台湾
4 台中 台湾
5 花蓮 台湾
6 ソウル 韓国
7 京都 日本
8 高雄 台湾
9 沖縄本島 日本
10 台東 台湾
11 バンコク タイ
12 宜蘭 台湾
13 北海道(札幌・ニセコ除く) 日本
14 南投 台湾
15 台南 台湾
16 屏東 台湾
17 福岡 日本
18 モルディブ モルディブ
19 ニセコ 日本
20 新北市 台湾
Expediaより、訪日ラボ編集部作成

訪日のタイミングについて、台湾で訪日旅行メディア「トラベルバー(旅行酒吧)」を運営するBEENOS Travel株式会社が6月に実施した調査によると、回答者の41%が「台湾、日本の入国制限が解除されたらすぐ」と答えました。

コロナ禍でも、台湾人の訪日旅行に対する高い意欲が読み取れる結果となっています。

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台湾にて訪日旅行メディアサイト「トラベルバー(旅行酒吧)」を運営しているBEENOS Travel株式会社は、2020年6月5日から6月25日にかけて同サイトの台湾人会員1,538名を対象に、訪日旅行に関する調査を実施しました。 台湾国内では既に2か月以上にわたり新型コロナウイルスの感染者が確認されておらず、6月からは段階的に新型コロナウイルスの感染拡大予防措置を解除し、国内旅行を再興させる取り組みが政府主導で実施されています。 一方、現在でも...

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まとめ:引き続き高い訪日意欲を見せる台湾市場、アフターコロナの再誘客に期待高まる

もともとリピーターが多い訪日台湾市場では、コロナ禍でも落ちない訪日意欲が顕著となっています。このような高い訪日意欲が、「微出國」「偽出國」といったトレンドを生み、日本旅行気分を味わえる宿泊プランなどが注目されるようになったと考えられます。

ただし、「偽出國」トレンドはコロナ禍で生まれた一時期的なものであり、その裏には本物の日本を体験したい、日本へ旅行に行きたいという台湾人の消費心理がうかがえます。依然として高い訪日意欲をみせる訪日台湾人市場では、アフターコロナの誘客促進が期待できるでしょう。


<参照>

NOMAD:偽出国!? 台北松山空港が驚きのサービスを開始

NOMAD:3時間だけ!?の「偽出国」バカンス!

フォーカス台湾:国内で日本旅行気分を 台北のホテル、文化を楽しめるプランを提供/台湾

中時新聞網:獨〉「偽出國」就該這樣!台北晶華東京美食之旅「擬真度」破表

Regent TAIPEI:晶華食藝銀行 東京美食兩天一夜之旅

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RTI:台湾、国内旅行ブーム 「出費を惜しまない」

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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