3.6億人が利用する「百度地図」とは:機能や訪日中国人集客への活用法も紹介

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百度地図(バイドゥマップ)」は、中国の大手検索エンジンである「百度(バイドゥ)」が提供する地図検索サービスです。

Web、アプリの両方で利用可能で、ユーザーは百度地図で地図を検索できるほか、混雑状況や交通情報、気象情報、周辺の施設情報など、さまざまな情報を得られます。

中国人は海外旅行の際に百度地図を利用して目的地までの経路を調べたり、周辺散策を楽しんだりすることも多いため、百度地図に店舗情報を掲載すればインバウンド対策にもつながるでしょう。

この記事では、百度地図の概要、機能の紹介、人気の理由、インバウンド対策での活用方法について整理します。

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中国の地図アプリ「百度地図」とは?

百度地図とは、中国Googleとも呼ばれる大手検索エンジン「百度」が運営する地図サービスであり、Webとアプリの両方を提供しています。

2019年第3四半期にはアクティブユーザー数5.59億人となり、中国の地図アプリ市場で1位を占めました。

2020年は新型コロナウイルスの影響を受け、2月の百度地図の月間アクティブユーザー数は5.59億人から3.6億人に減少し、2位に転落しましたが、百度地図は中国では依然として高いシェア率を誇っています。

以下では、百度地図の機能や基本サービスを紹介します。

検索エンジン百度(Baidu/バイドゥ)とは

ビザの緩和や航空便の就航、そして経済成長により、訪日旅行に来る中国人が増えています。2018年の訪日外国人3,000万人のうち、国・地域別で最も多かったのは中国人の838万人でした。中国から来るインバウンド旅行客の誘客や集客のために、オンラインでできるアプローチの一つに「検索エンジン」を通じた施策があります。中国で主に使用されている検索エンジン、百度(Baidu/バイドゥ)は、中国の3大IT企業「BAT」の「B」にあたる企業です。2001年から中国国内にサービスを提供し、2005年にアメリ...

百度地図の機能

百度地図には、通常の地図検索に加えて、道路の混雑状況の確認、都市・周辺のスポットの検索、ナビ、AIアシスタントなど、さまざまな機能がついています。

混雑状況では渋滞予測や事故などの道路交通情報、スポット検索では観光地や飲食店の検索や宿泊施設の予約、ナビでは目的地までのルート検索や配車、AIアシスタントでは通訳やレート計算をはじめとする、旅行に役立つ諸機能が利用できます。

地図表示は、2D地図、3D地図、航空写真地図のほか、ショッピング地図やグルメ地図、旅行地図などテーマ別の地図も用意されているため、ユーザーは用途に合った地図を選べます。

なお、操作は基本的に中国語でしますが、一部の機能では英語や日本語にも対応しています。

Googleマップと似た基本サービス

中国Googleとも呼ばれる百度が提供する地図検索サービスの「百度地図」は、Googleマップとよく似ています。

実際にその場を歩いているような画面で地図を見られる「ストリートビュー」にあたる「査看全景」や、目的地までの交通手段を表示する機能があります。

また、バスの停留所や所要時間、運賃、近くを走るタクシーの情報を見られるうえ、画面下部の「呼叫出租车」を押すと、配車サービスも利用できます。

基本サービス以外の応用機能

百度地図には上述した基本的なサービス以外に、様々な応用機能があります。

気象情報から施設情報までを一括表示できる都市検索機能や、電波の入らないスポットでも事前にダウンロードした地図を閲覧しつつ、ナビゲーションを利用できるオフライン地図機能などは、その代表例です。

以下では、百度地図の応用機能の中から「都市検索」、「おすすめ観光スポット表示」、「オフライン地図」の3つを紹介します。

都市検索

百度地図の都市検索機能では、各都市の天候や気温などの気象情報、観光地情報、人気の飲食店やショッピングモールなどの施設情報を調べられます。

その他にも病院や銀行など、生活に役立つ多くの情報を提供しており、一つの画面でさまざまな情報を得られる点がメリットです。

都市検索機能は「城市検索」ボタンから利用でき、すべての情報を一括表示させたいときは、メニューボタンから三点リーダーの「全部」をタップすると表示できます。

おすすめ観光スポット表示

百度地図を開いて「智能旅游」機能を利用すると、検索している地域の人気の観光スポットを表示できます。

また、大きな敷地の中にいくつかのスポットが点在するような観光地の場合は、内部の経路やそれぞれのスポットも表示されます。

さらに、画面下部のバーをタップすれば近隣の土産店情報、トイレの場所なども表示できるため、観光や旅行の際に役立てられます。

オフライン地図のDL方法

百度地図にはオフラインで地図を閲覧できる機能が搭載されています。

事前にダウンロードしておくことで、現地の電波状況が悪い場合でも安心して利用できるでしょう。

ホーム画面の「プロフィール」から「离线地图(オフライン地図)」を選択するとダウンロードする地図を選べます。

「离线地图(オフライン地図)」と「离线导航(オフラインナビ)」の2つの選択肢が表示されるため、地図の閲覧のみで問題ない場合は「离线地图(オフライン地図)」を、ナビゲーション機能も利用したい場合は「离线导航(オフラインナビ)」をダウンロードすると良いでしょう。

ダウンロードする都市は「都市一覧」のリスト、または検索窓に都市名を入力することで探せます。中国国内の都市だけではなく、一部海外の都市もリストに収録されています。

ダウンロードが完了した地図は、画面左上の「下載管理(ダウンロード管理)」から閲覧できます。

百度地図の性能は良いのか

百度地図は、音声入力や交通手段の検索などの基本的な機能だけでなく、配車サービスやオフラインナビなども利用できるため、ユーザー目線からみても非常に便利なサービスといえます。

そして、Web版とアプリ版が用意されており、ユーザーは所有するデバイスに合わせたバージョンを利用できます。

百度地図は、中国の企業によって開発、提供されています。後述のとおり中国で行われているネット検閲システムにおいても問題なく利用できます。

中国国内のユーザーにとって、VPNの利用を必須とするGoogle マップなどと比べ、ひんぱんに使われているサービスであることは間違いないでしょう。

なぜ中国人は百度地図を使うのか

百度地図は、月間アクティブユーザー数が3億人を超えるほど、多くの中国人に支持されています。

その理由について、以下の2点が考えられます。

まず、中国では、グレートファイアウォールと呼ばれるネット検閲システムが働いており、Googleの検索エンジンや同じくGoogleが提供する動画SNSYouTubeなど、中国国外の企業が運営するサービスはアクセス制限の対象となっています。

そのため、Google マップは正常に利用できない可能性もありますが、中国発の企業である百度が提供する百度地図であれば、問題なく利用できます。

そして、百度地図は、情報量が多いにもかかわらず動作が軽く、表示速度が速い点も支持されている理由です。

地図アプリは移動中に利用することも多いため、動作の軽さや表示の速さは移動効率にも影響を与えるでしょう。

グレートファイアウォールとは?中国のネット規制・回避方法・インバウンドでの対策についても解説

グレートファイアウォールのアクセス制限により中国ではGoogleやYouTube、LINE、Facebookをはじめとする世界各国で使用可能な検索プラットフォームやSNSの多くにアクセスができないため、旅行や出張で中国に行く際には注意が必要です。

インバウンド対策への活用法:百度地図に広告を出稿

多くの中国人ユーザーを有する百度地図は、日本の店舗も広告を出稿することができるため、訪日中国人観光客をターゲットしにしたインバウンド対策にも活用できます。

前述したとおり、百度地図では、中国国内だけでなく海外の地図も閲覧できるため、中国人が海外旅行で利用することも多くあります。

訪日中国人観光客も日本で滞在する時に、電車バスの乗換や観光スポットの検索、宿泊施設の予約など、さまざまなシーンにおいて百度地図を利用しています。

そのため、百度地図に広告を出稿することで、旅ナカ訪日中国人観光客に施設や商品への認知や利用を訴求することができ、集客力の向上につながるでしょう。

中国での生活において重要なインフラとなりつつある地図アプリ

百度地図は、中国Googleマップとも呼ばれており、地図の検索や特定の地域の気象情報、交通情報、周辺の施設情報などを利用できるサービスです。

2020年はコロナ禍により月間アクティブユーザー数は3.6億人に減少していますが、百度地図は依然として多くの中国人に利用されており、中国での生活において重要なインフラになりつつあることがわかります。

中国国外でも利用できる百度地図は、中国人ユーザーが訪日旅行中に利用することも多く、彼らから支持を集める百度地図に広告を掲載することは、有効なインバウンド対策となるでしょう。

<参照>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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