インバウンド対策を考えるうえで重要となる中国へ向けたマーケティング対策。なかでも効果的となるのがSNSやインターネットを活用したプロモーション活動です。
しかし中国では、独自のウェブサービスやSNSが発達しているため、これらをしっかりと理解しておく必要があります。そこで今回は、中国のSNS利用状況やインターネット事情などについて詳しく解説していきます。
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中国のインターネット事情・利用状況
訪日外国人の数が年々増加していますが、中でも大多数を占めているのが中国人観光客です。中国人観光客は、現在のインバウンド市場で、重要な位置づけとなっています。
中国人観光客に向けたインバウンド対策を強化するうえで重要となってくるのがインターネットです。中国のインターネット事情を知ることで、より効果的なインバウンド対策を行うことができます。
中国人の57%がインターネットを利用
「Digital 2019」によると、中国人の57%にあたる約8億人もの人たちがインターネットを利用していることがわかります。中国でのインターネットの利用率は年々増加しており、直近のデータでは前年比6.7%の伸びを見せています。
中国ではGoogle・YouTube・LINE・Facebook・Instagramが使えない!?
インターネットの利用者が年々増加している中国ですが、中国国内ではGoogleやYouTubeと言った日本人にもよく利用されているWebサービスが利用できません。これは中国政府の利用制限によるもので、金盾(グレートファイヤーウォール)という検閲技術によって統制されているためです。
Google や YouTube だけでなく、LINEやFacebook、InstagramなどのSNSも同様に規制されており、日本人が中国へ訪れたとしてもこれらの Web サービスは全て使うことができないのです。
そのため中国では独自のウェブサービスやSNSなどが発達しています。中国版Twitterと呼ばれ中国人から絶大な支持をされている「WeChat」や、中国版Googleと呼ばれる「Baidu」などが代表的なものとして挙げられます。
中国で人気のSNSランキング
日本だけでなく世界中で使われているGoogleやTwitterなどのウェブサイトやアプリは中国で使うことができません。
そのため中国では独自のSNSが発達していますが、どのようなものが人気なのでしょうか。
1. WeChat(微信/ウィーチャット)
中国で最も人気のメッセンジャーアプリ「WeChat(微信/ウィーチャット)」。「Digital 2019」によると、中国のインターネット利用者が使っているプラットフォームで第1位となっています。
中国版LINEとも呼ばれ、日本でよく利用されているLINEと似ている機能が多数備わっています。機能が似ていることから中国版LINEと呼ばれていますが、実はWeChat(微信/ウィーチャット)の方が半年ほど先にリリースされているのです。
中国では QR コードを利用したモバイル決済が主流となっており、 WeChatアプリ内の決済ツール「WeChat Pay」は中国を代表するモバイル決済ツールとなっています。そのため、中国人観光客に向けたインバウンド対策として日本国内でも導入が進められています。
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2. Tencent QQ(騰訊QQ/テンセントQQ)
WeChat(微信/ウィーチャット)に次いで人気のMessenger アプリが「TencentQQ(騰訊QQ/テンセントQQ)」。
メッセンジャーアプリなので WeChatと同じような機能となっていますが、TencentQQの特徴として、通話中に音声通話と動画通話のモードを自由に切り替えることができたり、相手がオンラインなのかオフラインなのかの表示があるなど、Skypeに似た機能が備わっています。
そのため中国人の多くはWeChatとTencentQQの両方を使い分けているのです。
3. Weibo(微博/ウェイボー)
Weibo(微博/ウェイボー)は中国人に絶大な人気を誇っているSNS。若者を中心にたくさんの中国人が利用しています。
140文字以内を基本に、「つぶやき」を発信するアプリで、中国版Twitterと呼ばれています。
機能としては本家Twitterと似ていますが、Facebookのような要素も持っているアプリです。
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事例:WeChatを使ったプロモーション・集客
中国人へ向けたインバウンド対策は、中国で独自に発達したSNSを活用するのが効果的。そこで、実際に中国のSNSを使ったプロモーションや集客の事例を見ていきます。今回はWeChatの活用事例を紹介します。
マツモトキヨシ:公式サイトへのリンク・ECへの動線整備
最近では中国人による「爆買い」は落ち着きを見せているものの、依然として日本国内のドラッグストアにはたくさんの中国人が訪れています。中でもマツモトキヨシは、中国人のショッピングスポットとして高い人気を誇っています。
そんな中国人から人気のマツモトキヨシでは、WeChatの公式アカウントを運用し、中国人へ向けた情報を発信しています。メインコンテンツは、商品の最新情報とクーポンを1週〜2週ごとの更新で配信。さらに中国語版公式サイトへのリンクや、ECサイトの利用を促すことで旅行前や旅行後の利用者もターゲットとしています。
松坂屋:イベント・化粧品情報を発信
松坂屋では2014年からWeChatの公式アカウントを運用し、店舗でのイベント情報や訪日中国人に特に人気の化粧品の情報などを発信しています。さらに「WeChatPay(微信支付)」を導入し支払いを簡略化しているだけでなく、訪日中国人とつながるためのツールとして活用しています。
WeChatPayとは?導入方法と使い方・できること・事例5つ【インバウンド集客】
モバイル決済が主流となる中国で近年普及が進んでいるWeChatPay(微信支付:ウィーチャットペイ)。訪日中国人向けのインバウンド対策として、導入を検討している企業や店舗も多いのではないでしょうか?しかし、「WeChatPayの導入・運用費用がどれぐらいかかるのか分からない」「どれほどのインバウンド効果を得られるのか把握しておきたい」という方も多いはず。今回は、訪日中国人観光客からの需要が高い、WeChatPayの導入方法と成功事例について詳しくみていきます。関連記事Alipay(アリペイ...
まとめ:中国のSNSを利用して効果的なマーケティングを
インバウンド対策を考える上で中国は、欠かせないマーケットの一つです。中国では独自のWebサービスやSNSが発達しているため、これらを利用することによってよりたくさんの中国人に情報を届けることができるのです。
これまでにたくさんの企業が中国の SNS を活用したプロモーション活動を行ってきており、それらの成功体験を参考にすることで、より効果的にマーケティングを行うことができるでしょう。
今後もますます訪日中国人の数は増加していくことが予想されるため、中国へ向けたインバウンド対策はさらに重要なものとなっていくと考えられます。
<参照>
- DIGITAL 2019:CHINA
- TRAVEL=LIFE:中国でLINEやFacebookは規制されているが
- CHINA NET LAB:中国のネット規制と検閲に関する真実
- 訪日ラボ:訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(1):WECHAT(微信)
- 訪日ラボ:訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(2):テンセントQQ
- 訪日ラボ:訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(3):WEIBO(微博)
- 訪日ラボ:ドラッグストアのSNS・ソーシャル活用に関するインバウンド対策事例集
- 訪日ラボ:百貨店・デパートのSNS・ソーシャル活用に関するインバウンド対策事例集
【インバウンド情報まとめ 2024年11月後編】中国、タイの2025年祝日発表 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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→中国、タイの2025年祝日発表 ほか:インバウンド情報まとめ【2024年11月後編】
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