現在コロナ禍によって、訪日外国人観光客の客足は途絶えてしまっています。世界最大の旅行口コミサイトであるトリップアドバイザーで数々の賞を受賞している秋葉原にあるフクロウカフェ、「アキバフクロウ」も例外ではありません。
前回、訪日ラボは「アキバフクロウ」に取材し、コロナ禍を生き残るためにクラウドファンディングを設立するまでの経緯や、国内外問わず多くのファンを獲得するに至ったコンテンツの魅力についてお話を伺いました。
今回は実際に店舗に伺いアクティビティを体験し、訪日外国人観光客さえリピート化させてしまう「アキバフクロウ」の魅力の理由を探りました。
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世界から愛された「アキバフクロウ」存続の危機に支援者殺到、わずか1日で300万円集まったワケ
コロナ禍がもたらたした世界規模の大不況は、日本の観光スポットやアクティビティにも大きな打撃を与えています。例年国籍問わず多くの人が訪れ、トリップアドバイザーで数々の賞を受賞した「アキバフクロウ」も例外ではありません。超人気店のアキバフクロウも、今年に入り来店者数が激減し、現在も店舗存続の危機に立たされています。こうした状況の中で開始したクラウドファンディングでは、開始初日で目標金額であった300万円を突破し、9月7日時点では5,496,377円もの支援金を集めています。その一方で、ここまで...
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「アキバフクロウ」を実際に体験
「アキバフクロウ」は、秋葉原駅から徒歩3分に位置する、少人数・予約制のフクロウカフェです。今回の訪日ラボの取材では、実際の来店客にしているのと同じ流れで接客を再現していただきました。
まずはフクロウの基本的な情報や、店内でのルールについてレクチャーしてもらうところからはじまります。白を基調とした店内では静かにクラシックが流れており、大小様々なフクロウがそれぞれのお気に入りの場所でじっと佇んでいました。入店すると同時に、独特の世界観に引き込まれるようです。
![▲[フクロウに触れる時は人差し指をゆっくりと近づけ、優しく触ることを教わります。]:訪日ラボ編集部撮影 ▲[フクロウに触れる時は人差し指をゆっくりと近づけ、優しく触ります。]:訪日ラボ編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7814/main_IMG_6614.png?auto=format)
フクロウを自分の腕に乗せて触れ合う
一通りのレクチャーを受けた後は、店内をぐるりと歩き回りながらそこかしこにいるフクロウを眺めます。
「アキバフクロウ」では、好きなフクロウを腕に乗せることができます。乗せている間は自分の腕に伝わるフクロウの感触や重み、間近で見るフクロウの表情の動きなどに自然と意識が集中し、あっという間に時間が過ぎるようでした。
こうしたフクロウとの触れ合いは犬や猫とはまた一味違う独特な時間が流れ、実際に体験してはじめてその価値が分かりました。
通常予約枠は1時間であり、その時間の中で来店客はお気に入りのフクロウを腕に乗せたり、写真を撮影したりしながら時間を過ごすそうです。
![▲[緊張しながらもフクロウを手に乗せる場面。フクロウとの触れ合いに言葉は必要ありません、と店主の矢部氏]:アキバフクロウ提供 緊張しながらもフクロウを手に乗せる場面。フクロウとの触れ合いに、言葉は必要ありません、と店主の矢部氏 アキバフクロウ提供](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7810/main_20200924-OWL01061.png?auto=format)
インバウンド対策の工夫を紹介
「アキバフクロウ」では、国籍問わず様々な来店客に体験を楽しんでもらうため、そしてトラブルを事前に回避するために、随所に工夫がなされています。
多言語に対応したブックレット
入店前に来店客に読んでもらっているというブックレットには、店内での注意事項、フクロウの紹介や豆知識などが書かれています。
また、「なぜフクロウカフェをはじめようと思ったのか?」といった「アキバフクロウ」自体のストーリーを感じてもらうための内容も盛り込まれていました。これらのブックレットは日本語、英語、中国語、フランス語など多くの言語版を揃えており、様々な国からの来店者に対応しています。
外国人は動物に対するケアへの意識が高い人も多く、ブックレットに書かれているフクロウへの配慮に関する記述を読むことで、「大切に扱っているんだね」と声をかけてくれることもあるそうです。
![▲[翻訳は海外の「アキバフクロウ」のファンに依頼した、と矢部氏。店のイメージや質感を大事に考えてくれるため、翻訳も信頼できるとのこと]:訪日ラボ編集部撮影 ▲[翻訳は各国の熱心なファンに依頼したとのこと]:訪日ラボ編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7813/main_IMG_6671.png?auto=format)
フクロウの名前にもインバウンドへの意識が
フクロウのネーミングにも海外の文化を意識していると矢部氏は語ります。
例えば、「煎餅」というフクロウの名前は中国人でも漢字を見ただけで意味が伝わるため、親しまれやすいのだとか。他にも「Mr.president(大統領)」という店内の中でも目を引く大型のフクロウは、アメリカ人の来店客にはキャッチーな名前に感じられ、その名前も手伝って特に人気を博しているそうです。
![▲[フクロウにはそれぞれお気に入りの止まり木があり、ちゃんと名前と対応したフクロウが定位置にいることも面白いポイント]:訪日ラボ編集部撮影 フクロウにはそれぞれお気に入りの止まり木があり、ちゃんと名前と対応したフクロウが定位置にいることも面白いポイント 訪日ラボ編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7818/main_353f92b211e8b3bb97d9f0e90e125a21.png?auto=format)
お子さまに注意を呼びかけるカードも
「アキバフクロウ」には様々な国籍の訪日外国人が訪れるため、国籍別に接客の方法を少し変えていると前回の取材で矢部氏は語っていました。
また、国籍という枠組みだけでなく、例えば元気なお子さまが走り回ってしまったり大きな声を出してしまうとフクロウ達にストレスを与えてしまうため、そうした問題が起きてしまった時は素早く、確実に対処する必要があります。
そのため、多言語に翻訳された注意喚起のためのカードをさっと出せるような準備もしています。カードにすることで、言語の壁を超えて的確に来店客に意向を伝えられることと、声に出さないことで店内の静かな空間を守ることができるため、一石二鳥の取り組みといえます。
![▲[「忍者のように小声で、、」と書かれた注意喚起のためのカード]:訪日ラボ編集部撮影 「忍者のように静かに、、」など書かれた注意カード 訪日ラボ編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7816/main_IMG_6674.png?auto=format)
「旅アト」に向けたサプライズまで...来店客の記憶に刻まれる思い出
時間が終了に近づくと、本日撮影してくれた写真をその場でポストカードにしてプレゼントしてくれます。
ポストカードは旅のお土産として嬉しいのはもちろん、記載されているQRコードを読み取ると、実際に来店した人しか見られない動画を見ることができます。
矢部氏は、来店客が「アキバフクロウ」を退店した後、喫茶店やホテルで一息ついている時にふとポストカードのQRコードの存在に気づき、動画を再生して思い出に浸るシーンを想定してこうした演出をしているとのことです。
こうしたモノと動画を使った特別な体験は、訪日旅行から自国へ帰った後の「旅アト」へのプロモーションにも非常に効果的といえるでしょう。
このような演出の丁寧な積み重ねが、多くのリピーターを生み出しているのかもしれません。
![▲[このポストカードの他にも、矢部氏が撮影したベストショットも最後にプレゼントしてくれた]:訪日ラボ編集部撮影 このポストカードの他にも、矢部氏が撮影したベストショットも最後にプレゼントされる 訪日ラボ編集部撮影](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7817/main_0de90100a0ef7777b4b49cbc7f4e4154.png?auto=format)
細やかな気配りと粋な演出が光る「アキバフクロウ」
今回、訪日ラボ編集部は「アキバフクロウ」を実際に取材し、トリップアドバイザーで日本のアクティビティ第1位を獲得するほどの人気を博したコンテンツの質や、インバウンド対応について深く話を聞くことができました。
その結果、訪日外国人に選ばれ、さらには「何度も訪れたい」と思わせる秘訣は、特別な体験を演出するストーリーテリングと、それを支える細やかな気配りの積み重ねにあると感じました。
現在「アキバフクロウ」はコロナ禍によって客足が大きく減少しており、現在はキャンプファイヤーのクラウドファンディングで支援を募っています。クラウドファンディング開設当初の目標金額であった300万円は初日で突破し、現在は600万円を超える支援金が集まっています。
しかし、フクロウ達への餌代を含めた毎月の維持費は約100万円かかるということから、まだ安心はできません。今後は「アキバフクロウのオンラインコンテンツ化」も挑戦していきたいと矢部氏は語っており、ウィズコロナを生き抜くための事業も意欲的に取り組んでいく姿勢です。
10月上旬のプロジェクト終了まで、残す日数もあとわずかとなった「アキバフクロウ」のクラウドファンディングの詳細は、以下のボタンリンクからご確認いただけます。
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