【ポストコロナのインバウンド戦略】~体験コンテンツにおける独自化とファン拡大の手法~

公開日:2020年10月09日

『ポストコロナのインバウンド戦略』では、コロナ禍において、業界の「中の人」に聞くサバイバル術として最前線に立つ方々に特別寄稿いただきます。

今回の寄稿者は、 ​インバウンド向け体験商品の造成、ブラッシュアップなどを手掛ける地域ブランディング研究所の吉田博詞氏です。


こんにちは。地域ブランディング研究所の吉田博詞です。

地域ブランディング研究所では、全国でインバウンド向け体験商品の造成・ブラッシュアップ、及び世界のOTAや旅行会社と接続できるプラットフォームAttractive JAPANによる販売の一括サービスを展開しています。

4月の緊急事態宣言発令から、半年が経とうとしています。今回のコロナ禍で私たちの提携先の状況も激変しています。

国内の体験提供事業者さまと話をしていると、資金繰り対策のフェーズから徐々に、次を見据えたあり方を議論するフェーズに入ってきたように感じます。

冷静に情報を収集していくと、afterコロナの定義にもよりますが、これまでと違う世界がやってくるという認識も必要になるし、ワクチンができるまで当面落ち着かないだろうことを想定した、withコロナ戦略も考えていく必要性もあります。

観光産業に従事するみなさまにおかれましては、これまでの手法が通用せず、次の顧客獲得についていまだ手探りの状況が続いている方も多くいらっしゃるでしょう。

そうした状況下でも、これまで自社商品にしっかりとこだわり・ストーリーを持ち、人と人との繋がりを大切にしてきた方々は、比較的スムーズに次の準備に移行できていると感じます。

そこでこの記事では、全国各地で見聞きした情報をもとに、商品・コンテンツの独自化とファン拡大といった2つの側面からwithコロナ/afterコロナ期の中長期的な生き残り戦略を整理していきます。

商品コンテンツ独自化のポイント

商品サービスの独自化においては、afterコロナ期の市場変化を予測しながら、自社サービスの魅力を顧客の共感・感動目線で再定義することが重要です。

その際に着目すべきポイントは、自社サービスの「学び」「人との繋がり」「地域性」「構成展開」です。これらを言語化し、何を自社コンテンツの強みとして、誰に提供していくのか、よりエッジを立てていく必要があります。

強みとターゲットがしっかりと定まったら、下記の3点を実践してみてください。

1. 商品のブラッシュアップ

まず大前提となるのが、感染リスクである三密を避けることです。そのうえで、より滞在価値を明確にしていくことが必要となります。

消費者の間で引き続き外出に一定の心理的抵抗感があるとすると、気軽さという面で一人当たりの旅行回数は減少すると考えられます。一方で、少々金額が高くても、安心安全や1回の滞在を充実させたいというように、サービスに対する消費者の感度も高まってきています。このプレミアム化の潮流を好機と捉え、数を受け入れなくても利益が回る事業モデルを構築していきたいところです。

2. 見せ方のブラッシュアップ

このタイミングで、HPやOTAサイトでのコンテンツの見せ方もブラシュアップを図ってほしいと思います。

写真やキャッチコピーの見直し、クチコミ対策、顧客満足度を上げるための演出の再考など、できることはたくさんあります。

海外の人気コンテンツを参考に、どのような見せ方をしているか、分析してみるのもいいでしょう。また、在日の外国人に体験してもらい、フィードバックをもらうことも効果的です。

3. 販路・プラットフォームの整備

ターゲットに適した流入経路の見直しを図りましょう。過去の予約データや、他社の成功事例から分析していき、回復が見込まれる来春以降に顧客がどんな動きをするのかイメージを湧かせながら準備をしていけるといいでしょう。

体験商品においては、プロモーションよりも販路・プラットフォームの整備が効果的です。

ファン拡大のポイント

ファン拡大においては、下記で説明する3つの顧客領域に対して、リアルとオンライン両側面からアプローチしていくことが必要だと考えています。

1. 過去顧客

過去に来てくれたお客さまに対して、近況や展望を伝え、応援してもらえる流れを構築します。その際に、接客した方をはじめとして、スタッフの顔や生き様が見えるような形で、想いを伝えていくことが重要です。

2. 地元地域

地元や地域の方々は、一番身近な応援団となりえます。地元の方や連携先が地域の自慢として応援してくれるよう、地域への想いやストーリーを伝えましょう。マイクロツーリズムの考え方が広まっているなか、各種のキャンペーン等も始まり、地元の魅力のひとつとして再発見してもらえる可能性も高まっています。
▲[都心から車で2~3時間で行ける場所から観光客が戻りつつある]
▲[都心から車で2~3時間で行ける場所から観光客が戻りつつある]

3. 世界中の未来顧客

現在の各国便の就航状況を見ても、直近のインバウンドの回復を期待することは難しいでしょう。しかし、インバウンドの回復期を見据えて、今から顧客接点を増やしておくことも中長期戦略においては重要です。

オンライン・バーチャル体験はすでに新たな市場を形成しつつあります。まずはオンラインで気軽に体験してみて、魅力的だと感じたら実際にその地を訪れる、という目的地の決め方も、ひとつのスタイルとして確立されていく可能性も大いにあります。

オンライン体験には、これまでのプロモーションにはなかった双方向のコミュニケーションがあり、顧客との関係値を築きやすい。人柄や想いを伝えていくことを、ファン拡大の手段として活用してみてください。

プレミアム化で地域経済のモデルチェンジを

「コロナ疲れ」「コロナ鬱」という言葉が聞かれるようになり、多くの都市住民が外出自粛や在宅ワークなどを強いられ、誰もが大なり小なりストレスを抱えています。

生活の自由が制限され、閉じられた日常への疲れを感じているために、ゆとりのある空間や癒し、自然を求めて地方に行く流れも加速していくでしょう。

そうしたなかで、滞在価値の高いプレミアムなサービスを提供することができれば、十分に生き残っていける可能性があると考えます。

筆者

株式会社地域ブランディング研究所 代表取締役 吉田博詞

1981年広島県生まれ。

(株)リクルート、(株)地域活性プランニングを経て、2013年(株)地域ブランディング研究所を設立。

訪日観光客向け体験予約のマネジメントサイトAttractiveJAPANの運営や世界20カ国1000社以上の旅行会社ネットワークでのマーケティング、地域ブランディングのコンサルティング等を手掛ける。

(一社)日本インバウンド連合会副幹事長、せとうち海の道民間アドバイザー等を務める

緊急企画『ポストコロナのインバウンド戦略』寄稿募集

訪日ラボでは、現在のコロナ禍をどうやって乗り越えていくべきなのか?ポストコロナをどのようにとらえ、今対策をしていくべきなのかなどを、インバウンド業界の「中の人」に寄稿いただく特別企画を実施しております。本企画において寄稿を募集しておりますので、ぜひご応募ください。

ご応募の際には、まずは問い合わせフォーム( https://honichi.com/contact/ )より、

1.お名前
2.所属・役職
3.寄稿したい記事内容の草案(タイトルやどんな内容になりそうかが見えれば問題ございません)

をご連絡くださいませ。ご連絡の際には完成した原稿は必要ございませんので、まずはお気軽にご相談ください。

なお、ご応募頂いたすべての方の掲載を保証するものではございませんのでご了承ください。ご応募受付の際には、お問い合わせの返信を持ってお知らせいたします。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!