新型コロナウイルスの世界的流行により、旅行産業が大きなダメージを受けており、旅行者の旅に対する考え方や行動志向にも変化が生じています。
アフターコロナの旅行需要の回復に向けて、インバウンド担当者は海外における国内旅行の最新動向をキャッチする必要があるでしょう。
ここでは、日本のインバウンド市場を牽引する中国に焦点を当て、中国ネットのビッグデータを研究・分析する会社「比达信息咨询」が発表した「2020上半年度中国旅游行业发展分析报告(2020年上半期中国旅行業界発展分析報告)」を取り上げ、コロナ禍での中国人旅行者の行動や意思決定の変化について紹介します。
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コロナ禍の旅行トレンド:「周辺遊」「短・中距離旅行」が主力に
中国では、経済の成長と一人当たり所得の向上に伴い、人々の旅行に対する需要が拡大しており、旅行がより身近な存在になりつつあります。
報告書によれば、中国人の年間平均旅行回数は増加し続けており、2010年において1.6回だった年間平均旅行回数は、2019年には4.3回に上っています、
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、2020年は旅行需要が大幅に減少し、報告書では年間平均旅行回数は2.8回にまで落ち込むと予想されています。それと同時に、旅行タイプ志向においても変化が起きています。
コロナ禍以前の旅行タイプ志向では「海外旅行」がもっとも人気であり、調査対象の過半数(52.3%)を占めていました。次いで「長距離の国内旅行」が26.9%、短・中距離の国内旅行である「周辺遊」が全体の20.8%でした。
しかし、今年はコロナ禍による渡航制限や移動によって感染リスクが高まることから、「周辺遊」が1位となり、回答率が75.9%となりました。コロナ禍以前に1位だった「海外旅行」を選んだ人は、0.7%とほぼ消失しています。
![▲[コロナ前後旅行スタイルの変化-周辺遊が台頭]:比达信息咨询「2020上半年度中国旅游行业发展分析报告」より ▲[コロナ前後旅行スタイルの変化-周辺遊が台頭]:比达信息咨询「2020上半年度中国旅游行业发展分析报告」より](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/7885/main_20200708080817539.png?auto=format)
このように2020年上半期において「周辺遊」が中国の全体の旅行市場を牽引している一方、下半期に入ると、「長距離の国内旅行」は回復傾向を示しています。
中国の大手オンライン旅行会社「携程」(Trip.comグループ:2019年10月まで、中国国内では「Ctrip」の名称で展開)が発表した2020年国慶節旅行の予測レポートは、今年の国慶節連休の旅行日数は去年と比べて1.7日増加するとみており、旅行に伴う移動距離も増加し、「長距離の国内旅行」がニュートレンドとなると予想しています。
中国「8連休」まもなく...「リベンジ旅行」欲高まる:長距離、少人数、レンタカーがトレンド
情報収集手段1位は「RED」:短い投稿コンテンツが人気
こうした状況のなか、中国人旅行者がどのように旅行情報を収集しているのでしょうか。
下記は報告書に記載されている、2020年上半期において、中国人旅行者の旅マエにおけるオンライン情報収集手段のランキングです。
| 順位 | 旅マエの情報収集手段 | 利用率 |
| 1 | 63.7% | |
| 2 | Douyin(抖音/中国版TikTok) | 56.5% |
| 3 | Ctrip(携程) | 52.3% |
| 4 | Fliggy(飞猪/飛猪) |
40.7% |
| 5 | Weibo(微博) | 38.9% |
| 6 | Mafengwo(马蜂窝/馬蜂窩) |
37.6% |
このランキングでは、「RED」と「Douyin」といった生活スタイル全般のコンテンツを提供するプラットフォームがCtripやFliggy、Mafengwoなど旅行分野に特化したOTAや口コミサイトを抑え、それぞれ1位と2位を獲得しました。
そして、情報収集の際によく読まれるコンテンツの形式は、旅行先のあらゆる情報を網羅する詳細な攻略法ではなく、文字数が少ない写真付きの「短図文」投稿や、「短視頻」と呼ばれるショートビデオであることがわかりました。
さらに「RED」と「Douyin」の利用は旅マエ段階のみならず、旅ナカ・旅アトでも旅行の写真や感想、おすすめの民宿・グルメなどの情報共有プラットフォームとしても用いられています。
| 順位 | 旅ナカ・旅アトの情報共有手段 | 利用率 |
| 1 | 65.0% | |
| 2 | 54.0% | |
| 3 | 37.1% | |
| 4 | Mafengwo(马蜂窝/馬蜂窩) |
34.6% |
| 5 | Ctrip(携程) |
30.0% |
| 6 | Fliggy(飞猪/飛猪) |
22.3% |
中国人が本当に見ている旅行メディア4選:66.9%は旅マエに口コミ収集、「RED」も情報源に
この続きから読める内容
- カスタマージャーニーの変化:旅行者は「能動的」から「受動的」へ
- 変化し続ける中国人旅行者の行動
- 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
- 【インバウンド情報まとめ 2026年2月後編】訪日中国人数6割減でも「インバウンド全体としては好調」、観光庁 / 1月の訪日外客数359.8万人、韓国が史上初の110万人超え ほか
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