2020年は新型コロナウイルスの影響を受け、インバウンド関連事業者にとっては非常に厳しい年でした。
例年であれば毎月発表される訪日外客数の実績をもとに分析を進められましたが、今年はそのアプローチが難しいため、外国人のネット上の検索動向から、日本の都道府県への関心度を見てみましょう。
今回はデジタルビッグデータを活用したソリューションを提供するAmobee Japanの協力を得て、新型コロナが世界で広がったと考えられる6月から11月までを対象に、欧米豪の消費者視点での都道府県別の関心度ランキングを紹介します。
※分析対象国:アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、スペイン、オーストラリア
※分析対象データ:トラベルトピック(トラベルに紐づくと考えられるウェブサイトへのアクセスのみ分析対象とする)
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東京、大阪、京都がTOP3に:コロナ禍でも人気観光地は変わらず

図1は2020年6月-11月の都道府県別関心度ランキングです。
コロナ禍で人の密集を避けようとする意識が働くと思われましたが、都道府県別の関心度ランキングでは東京、大阪、京都と観光の主要都市が上位で確認されました。
4位以降では、トップ10の内4位に北海道が、7位に沖縄が位置付けています。
同エリアはいわゆるゴールデンルートからは距離があるため、オーストラリア人の北海道への訪問を除くと訪問率は軒並み低い傾向にありましたが、リゾート地として関心が高まっているようです。
2019年との比較では群馬県、長崎県が上昇

2020年の順位を同期間の2019年と比較してみるとまた別の傾向が確認できます。上位10位までは極端な変化はなく、これらの地域は一定の関心を継続して集めることができていると考えられます。
その中で、長野県は3位下げている点が注目されます。長野県はSnow Monkey(地獄谷野猿公苑に関するキーワード)、Skiと特徴的な関心が見られましたが、今年は奈良、沖縄に上位を譲る形となっています。
昨年と比較して大きく順位を上げているのは群馬県、長崎県、三重県、宮崎県などが挙げられます。これらの地域は10位以上も順位を上げています。
長崎は長崎内のトラベルガイド、福岡からの移動方法などへの関心が確認されました。また世界初のゴジラテーマパークが始まることを受け、コンセプトの一つである原爆に関する長崎にもあらためて注目が集まった様子です。
群馬については四万温泉や東吾妻の自転車型トロッコに関するニュースが閲覧されていたようです。
地域別の注目ワード:九州では「36ぷらす3」に関心集まる 周遊旅行を模索か

直近の2020年9月-11月に注目されていたキーワードに着目します。図3は該当期間に、多く閲覧された各地域に関するキーワードを抜粋したものです。
※特徴的だったものを抜き出しており、必ずしも各地域で最も注目を集めていたキーワードとは限りません。
表の注目すべき点についていくつか紹介します。まず、東北地方は多くの都道府県で桜に関するコンテンツが関心を集めていました。
関東地方では、箱根は相変わらず高い関心を集めていることに加え、茨城の竜神峡や、温泉リゾートとしての群馬について調べている傾向がうかがえました。
中部では三重のナガシマリゾートが注目されており、中でも「白鯨」(ナガシマスパーランドのジェットコースター)が注目されていたことは特徴的です。また、長良川、高山など以前から人気のある岐阜の特定地域は変わらず人気があるようです。
近畿地方では高野山(熊野古道含む)が非常に人気があったようです。熊野古道は近年インバウンドに人気が高まっていたエリアであり、コロナ禍でも高い関心を集めているようです。
四国では全体の周遊に関わる巡礼が確認され、また四国地域では唯一、道後温泉のみ温泉関連トピックとして確認されました。
九州・沖縄地方では、各県で九州旅客鉄道が今年運行を開始した特別急行列車、「36ぷらす3」に関する関心が確認されています。インバウンドの客足が止まっている最中の運行開始となりましたが、確かに海外からの関心は集めているようです。
またジャパン・レール・パスを始め九州内の移動に関する案内についてもみられており、周遊旅行についての計画をめぐらしているような動きもみられました。
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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