2月3日、株式会社JTBがトリップアドバイザーのBókun(ボークン)事業部と提携し、インバウンドにおけるアクティビティ市場の需要に対応するためのデジタルソリューションのサービスを提供すると発表しました。
本記事では同サービスについて紹介するとともに、新型コロナウイルス収束後に需要の拡大が予想されるインバウンド観光客のアクテビティ市場について考察します。
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JTB、BÓKUNと連携:「ツーリズム・プラットフォーム(TPF)」の構築へ
JTBが今回提携したトリップアドバイザーのボークン事業部は、世界のツアー・アクテビティ事業者に対してB2Bのプラットフォームを提供しています。
その一方で現在JTBは日本の観光資源やコンテンツを集約し国内外のチャンネルを利用して流通・販売する「ツーリズム・プラットフォーム(TPF)」の構築を進めており、今回のボークン事業部との提携はこの「TPF」の構築に向けた動きの一環と考えられます。
どのようなサービスか
「JTB BÓKUN」と名付けられたこのサービスは、日本国内のツアーや観光アクティビティ事業者、DMOや各地の観光協会、そして観光用宿泊施設の事業者の3組にむけて提供される予定です。
まず「JTB BÓKUN」のサービスを利用することで、日本国内のツアー事業者や観光アクティビティ事業者は訪日見込み客に対する新たな流通チャンネルを確保することができると同時に、体験型コンテンツを商品化するためのバックアップをJTBから受けることができるようになります。
また、DMOや各地の観光協会は「JTB BÓKUN」のサービスを通して、体験型コンテンツのWebサイト上における販売・決済機能を獲得できます。
加えて、同サービスを通じて得られるさまざまな販売データを、訪日観光客に向けた新たな商品開発のためのマーケティングに活用することも可能になります。
最後に、観光用宿泊施設の事業者は「JTB BÓKUN」のサービスにより、各宿泊施設のフロントやWEBサイトを通して体験型コンテンツを販売することができるようになり、その結果顧客満足度を上げ、同時に付帯収入の機会も手に入れることができるようになります。
コロナ後の観光は「体験」が求められるように
新型コロナウイルスの感染拡大により「お出かけ」の楽しみを失った人が、日本だけでなく世界中に数多くいます。
しかし長距離の移動が制限された結果、自宅の近くの観光名所を訪れる人の数は増える傾向にありますし、こうした状況でも「コト消費」につながる体験をしたいという観光客の需要がなくなることはありません。
加えてインバウンド観光の視点から見ると、訪日観光客のなかには定番観光地をめぐるだけではない、何かテーマ性のある旅や体験型コンテンツへの参加を望む人が増えています。
一方、日本国内でツアーやアクテビティを提供している事業者は、自らの商品をオンライン化する必要性は認識しているものの、費用面や人材面の問題から本格的なオンライン化に踏み切れない企業が少なくありません。
そして日本の観光関係の事業者のなかには、その地域が独自に持つ特色を発見・体験したいという旅行者の重要に対応できるような、より質の高いコンテンツを作る必要に迫られているところもあります。
今回のJTBとボークンの事業提携の目的は、まず、こうした訪日客の需要と日本国内のツアー・アクテビティ事業者のミスマッチを解決することにあります。
加えて、新型コロナウイルス収束後を見据え、新しい観光スタイルとして、近い将来に体験型商品が求められる時に素早く各事業者をバックアップすることで、日本の観光市場を活発化させたいとの狙いもあります。
上質な日本滞在を望むインバウンド観光客のために
新型コロナウイルス収束後のインバウンド市場を考える時、訪日客の中には何度も日本を訪れ定番の観光地は知り尽くした、という人も多いことを心に留める必要があるでしょう。
こうした人の多くは、「コストをかけてでも、今まで体験したことない上質な日本滞在を経験したい」と考える人も少なくありません。
しかし、言葉の問題や商慣習(例えば「一見さんお断り」等)の違いもあり、外国人が日本で上質なサービスを見つけることは、意外と難しいのが実情です。
「JTB BÓKUN」のようなサービスにより、上質な体験を求める訪日客に適切なサービスを届けることができる体制が、今後日本でも必要になるのではないでしょうか。
中国富裕層「お忍びスキーレッスン」の実態:子供がインストラクターに昼食を“ご馳走“?4時間で10万円以上のレッスンも
訪日外国人のコト消費が注目されてからもうしばらく経ちますが、その勢いは衰えていません。今回この記事では、そんなコト消費の中でもスポーツツーリズム、特にスキーに的を絞り、プライベートスキーレッスンのマーケットについて紹介します。主に北海道、長野県、新潟県などで特にニーズが高いそのプライベートレッスンですが、実際にプライベートレッスンの指導をされている方に実際に取材した情報も紹介します。新型コロナウイルスの影響で今季のウインターシーズンのインバウンド需要を見込むことは厳しい状況は続いていますが...
<参考>
・JTB BÓKUN:公式WEBサイト
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