世界のワクチン接種スピード上位5カ国は?米・チリは先月から倍増、日本は「1ポイント」増加

世界では急速にワクチン接種が進んでいます。接種による免疫獲得に伴って、海外旅行やその受け入れを再開している国や地域もあります。

また、米疾病対策センター(CDC)は、5月13日に「ワクチンの接種が完了すればマスクは不要になる」との見解を示しました。

一方で、日本は米国のファイザー製ワクチンを承認し導入していますが、世界の「ワクチン先進国」からは大幅な遅れをとっています。

本記事では、世界のワクチン接種の状況に関するランキングを紹介するとともに、ワクチン接種によって世界がどのように前進していくかを解説します。

世界のワクチン接種「完了」ランキング、日本との比較も

新型コロナウイルス感染症の拡大を抑えるために、世界ではワクチン接種が進んでいます。

ここでは、世界のワクチン接種が完了している人の数が多い国をランキング形式で紹介します。

※本記事では、オックスフォード大学運営の、国際問題に関するデータを研究、公表している「Our World in Data」の、2021年5月13日時点での公開情報をもとにグラフを作成しています。中国でもワクチン接種が進んでいますが、今回紹介するデータについて非公開であったため割愛しています。

ワクチン接種が完了した人の割合、1位はイスラエル

2021年5月13日時点でOur World in Dataが公表しているデータによると、世界の各国、地域の中で、イスラエルのワクチン接種率が最も高いことがわかりました。2位以降の世界各国の接種完了率が40%に満たない中、イスラエルでは、半数を上回る58.87%の国民がワクチン接種を完了しています。

続く2位はチリで39.19%の接種完了率、さらに、38.79%のUAE、36.81%のバーレーン、36.41%のアメリカと続きます。上位10か国のランキングには、中東や欧州地域各国が多く見受けられます。

注目すべきはウルグアイです。Our World in Dataのデータによると、ウルグアイは、最初に調査された3月27日時点では接種完了率が0.01%だったのに対し、5月13日時点では26.94%に上り、ランキング10位につけています。約1月半の間に、接種完了率を25%以上も上げているのです。

国、地域別の接種完了率上位10か国
▲国、地域別の接種完了率上位10か国:Our World in Dataのデータを元に訪日ラボ編集部作成

また、訪日ラボが過去に公開したランキングで上位5か国に入っていた国についても、その進捗状況を追いました。接種完了率の増加度合いについては、以下の通りです。5か国の中では、チリとアメリカが2倍近くになっており、接種が拡大していることがわかります。

接種完了率の増加度合い
▲接種完了率の増加度合い:Our World in Dataのデータを元に訪日ラボ編集部作成

ワクチン接種完了者数はアメリカが圧倒的

ここまで人口と比較した「割合」を見てきましたが、Our World in Dataでは、ワクチン接種完了者の「数」としてはアメリカが最も多いことが示されています。

アメリカのワクチン接種完了者数は12,177万人で、2位のインドの完了者数4,041万人を大きく引き離しています。

その他の国や地域については、3位はイギリスで1,970万人、4位はブラジルで1,691万人、5位がロシアで1,472万人となっています。6位以降の5か国については、いずれにおいても大きな差はみられません。

国、地域別の接種完了人数上位10か国
▲国、地域別の接種完了人数上位10か国:Our World in Dataのデータを元に訪日ラボ編集部作成

接種完了者数についても、4月の上位5か国のその後を調査しました。接種完了人数の増加数は以下のグラフで示しています。

接種完了人数の増加数
▲接種完了人数の増加数:Our World in Dataのデータを元に訪日ラボ編集部作成

グラフから、イギリスの増加が最も顕著であることがわかります。4月時点では553万人だったところから、5月には1,970万人へと大幅に増えており、約1カ月で3.5倍にもなっています。

また、日本も接種完了者では大幅な増加をみせました。4月の29万人から、5.4倍の157万人へと変化しています。しかし、数の規模は未だ小さいままとなっています。

日本の接種率はわずか1.2%、世界では「グリーン・パス」の導入も

日本の接種完了者率は5月13日時点で1.2%と低い数値に留まっています。国内では、高齢者のワクチン接種に際して予約が取れないという問題も発生しており、政府の対応が問われています。

ワクチン接種先進国ともいえる中東、欧米諸国はどのような策を施してきたのか、特徴もあわせて見ていきます。

日本ではワクチン確保に出遅れ気味

前出のグラフでは、日本のワクチン接種の現状についても数値で示していますが、残念ながら日本の接種状況は芳しくありません。各国がスピード感を持って対応を進めていく中、接種完了率の増加は4月7日から5月13日の間で1%にとどまっています。

また、日本が承認しているワクチンは、米ファイザー製のみとなっており、世界各国からファイザー製のワクチン需要が増えた場合には日本への供給が予定通りにいかないことも大いに考えられます。

国内では高齢者を対象としたワクチン接種が始まっていますが、5月9日時点で、65歳以上の高齢者に占める「ワクチンを少なくとも1回接種した人」の割合は東京と大阪でともに0.6%で、最も割合が高かった和歌山県でも3.81%となっています。

日本政府は、「ワクチン接種担当」の河野太郎大臣が、高齢者のワクチン接種予約が殺到している件について「完全に僕の失敗だ」とし、今後柔軟性を持った対応をする旨を言及しています。

さらに、菅首相は一部自治体のワクチン接種が当初の予定までに終わらない見込みであることを受け、円滑に進めるために自身が先頭に立って進めていく姿勢を示しています。

接種が進んだ国の政策や動向は?

ランキングから、中東や欧米諸国を中心に接種が進んでいることもわかります。

ワクチン接種のペースが「世界最速」とも言われるイスラエルでは、接種後に証明書となる「グリーン・パス」を発行しています。パスを所有している人は、ジムなどの感染リスクが懸念される施設を利用でき、飲食店にも入店できるといった政策を進めています。

この結果、「コロナ前の生活」を求める人々が積極的に接種へ出向くようになったとも考えられます。

接種完了者率で3位につけているUAEは、ワクチン未接種の国民に対してPCR検査を義務付け、接種を促す方策をとっていました。また、接種完了者の割合が急激に増加したウルグアイでは、若者へのワクチン優先接種を表明しています。

欧米諸国については、アメリカ、イギリス、ロシアなど自国にワクチンを製造するメーカを抱えている国は、その進展が速いといえるでしょう。

特にアメリカでは、ワクチン接種のさらなる拡大のため、ワクチン接種で休暇を取得できる制度や交通機関が乗り放題になるサービスを提供するなどさまざま施策が行われています。各州政府主導の取り組みもあり、国民のワクチン接種を後押しする制度を設けています。

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<参考>

Our World in Data:Coronavirus (COVID-19) Vaccinations

日本経済新聞:ウルグアイ、12~17歳へワクチン優先接種へ

日本経済新聞:チャートで見る日本の接種状況 コロナワクチン

日本経済新聞:チャートで見るコロナワクチン 世界の接種状況は

JIJI.COM:イスラエル、店内飲食再開 「グリーンパス」保持者対象

SankeiBiz:ワクチン大規模接種会場までの移動サービス検討 菅首相「何でもやる」

日本経済新聞:河野氏「完全に僕の失敗」 ワクチン予約殺到で

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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