イタリアで早くもオーバーツーリズム懸念、各国で観光業復活に向け対策を

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

行動制限が緩和されて初めてのクルーズ船が、イタリア・ベネチアの港から2021年6月5日出港しました。出港したのは「MSCオーケストラ」9万2,000トンで、クロアチアとギリシャへ向かいました。

しかし観光業が再開され大勢の観光客が再びベネチアを訪れることに反対する人々が、ボートに乗ってクルーズ船の周りから抗議の声をあげました。

観光業がもたらす負の影響は徐々に明らかになっており、住民の歓迎ムードづくりや観光客が「責任ある観光」ができるのかどうかが、コロナ禍後の観光業復活においての焦点となるでしょう。

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

イタリアでオーバーツーリズム、早くも懸念

イタリアでは5月16日から日本人に対してもワクチン接種ずみであれば隔離なしでの渡航を再開させるなど、観光業復活に向けて早くも動き出しています。

一方で、迎え入れる住民側からは懸念の声も上がっています。

オーバーツーリズムの観点から大勢の観光客が再びベネチアを訪れることに反対する人々が、クルーズ船出航の際にボートに乗ってクルーズ船の周りから抗議の声をあげました。

また港でも「大きな船はいらない」などと書かれた旗を掲げる大勢の人々が集まりました。

一方、港湾局やそこで働く労働者、市当局はクルーズ船出港をビジネス再開の象徴として歓迎しています。

Statistaの調査によると、イタリアにおいて観光業が占めるGDPの割合は13.1%であり、経済復興のためにも観光業復活はかかせません。

まずは住民に、観光客を受け入れる雰囲気を醸成させることが重要だと考えられます。

関連記事:イタリア、日本人観光客の受け入れ再開へ ワクチン接種が条件 今夏の観光復興目指す

ハワイでも観光客減少で水質改善、レスポンシブルツーリズム推進へ

一方観光業復活に向けて、観光客側にも観光地への配慮が一層求められることが予想されます。

ハワイでは、レスポンシブル・ツーリズムの一環として、観光客が観光地で環境へ配慮することを求めています。

スノーケリングの人気スポットとして知られるハワイ・ホノルルの中心部から車で30分のハナウマ湾では、感染対策のため2020年はおよそ9か月間入場が禁止されていました。

その結果、水質が60%改善され、大きな魚が湾に入ってくるようになりました。

この水質を保つため、ホノルル市は入場を予約制にして人数を制限し、入場できる時間も10分ごとに細かく管理するようになりました。

また来場者は海岸に行く前に、環境保全のために守るべきルールの説明を受けなければいけなくなりました。

日本でも観光客受け入れ再開に向けて対策を

この記事ではイタリアの観光再開に際するオーバーツーリズム問題、またハワイの観光公害への対処法を紹介しました。

日本でもこれらの問題は他山の石ではありません。京都ではコロナ禍前、オーバーツーリズムがしばしば問題となっており、また白川郷でも、ゴミのポイ捨てや景観破壊が問題視されていました。

さらに東京五輪が開幕まで約1か月半となりましたが、外国人選手を受け入れることに対する世論は残念ながら歓迎ムードではありません。

観光業には住民も含めた観光客を受け入れる機運の醸成、そして観光客側へレスポンシブル・ツーリズムの観点から配慮を求めていくことになるでしょう。

関連記事:レスポンシブル・ツーリズム(責任ある観光)とは?コロナ禍で注目となった「新しい観光」

<参照>
Statista:GDP share generated by travel & tourism in Italy 1999-2020

訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜


4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか?また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。

このセミナーでは、

  • 新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
  • インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
  • そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない

方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!

詳しくはこちらをご覧ください。

4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに