東京五輪を契機に日本を訪れる外国人が増えている中、長引くコロナ禍により、外国人は訪日後もホテルに巣篭り状態で日本を楽しむことが難しくなっています。
そうした状況を受けて、EXest株式会社は五輪期間に合わせて、外国人に日本のオンライン体験を提供する「おもてなしオンラインエクスペリエンス」を実施します。今回は、その体験ツアーに参加してきたレポートをお届けします。
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「おもてなしオンラインエクスペリエンス」とは?
「おもてなしオンラインエクスペリエンス」とは、五輪期間に日本国内にいる外国人を主な-ゲットとし、「日本の体験」を発信していくものです。
訪日外国人向けに旅マエ・旅ナカの検索、体験を提供するサービスサイトWOW Uを運営するEXest株式会社が全国150名以上の通訳案内士と協力して展開します。
リアルタイムで「体験」に特化したオンラインツアーを実施し、300以上のコンテンツによって知られざる日本の魅力を発信していくとしています。
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オンライン体験「おもてなしオンラインエクスペリエンス」実施
参加した「おもてなしオンラインツアー」の一部を紹介
以下では、編集部が7月9日に参加した「おもてなしオンラインツアー」の体験ツアーについてご紹介します。
実際に今回のツアーでは、富山での「ぐい呑み」を作る体験を楽しめたほか、鹿児島から風呂敷の使い方をマスターするレッスンや緑茶の製造工程を目にできる体験が提供されました。
富山の「ぐい呑み」作り 制作から完成までをリアルに体験
今回のおもてなしオンラインエクスペリンス体験ツアーは富山から始まりました。案内してくれたガイドの方は橋本祐紀典さんで、英語でのガイドによってツアーが進んでいきます。

富山県金屋町でのこの体験は、スズから、日本酒を楽しむ酒器の一つである「ぐい呑み」を作るというものです。橋本さんによると、金屋町は金属製品で有名なまちだといいます。
ツアー内では、実際に体験者の方がぐい吞みのもととなるスズに模様を彫っている様子が紹介されました。橋本さんは、体験者の方による作業工程の説明とともに、その合間には金屋町の歴史なども説明してくれました。


参加者の方に対して「いつでも質問してください」と投げかけていたことが印象的でした。実際に、スズを焼く温度や出来上がるまでに時間についての質問が飛び交い、双方向のコミュニケーションのうえでツアーが進んでいました。

制作時間含め、約30分間でぐい吞みが完成します。
当日は、途中通信トラブルにより途絶えてしまいましたが、最後には実際に出来上がったぐい吞みを見ることができました。

鹿児島「風呂敷ツアー」風呂敷の由来や使い方を伝授
富山のツアー終了後は、鹿児島での体験ツアーです。鹿児島では二つのオンライン体験を楽しめました。鹿児島で唯一のツアーオペレーター「TABITTOトラベル鹿児島」(以下:TABITTO)のお二人がガイドしてくださいました。
鹿児島での一つめの体験は、堀切美貴子さんによる「風呂敷ツアー」です。本ツアーでは、「風呂敷」という単語の由来や鹿児島の紹介から始まり、風呂敷を使ってものを包む方法を実際にやって見せながら伝授してくださいます。

今回は日本人を対象とした体験ツアーだったため、レッスンは日本語で行われました。本番の外国人を対象としたツアーは英語によるガイドで進めていくということです。
参加者は各自の風呂敷を用意している前提で、堀切さんによるリアルタイムのレクチャーとともに参加型のツアーが楽しめます。今回はワインとサンダルそれぞれを包む方法を教えてくださいました。


この体験でも、富山のツアー同様に、参加者からの質問や会話が活発に見られました。
鹿児島「緑茶ツアー」 オンラインで工場体験
最後となる、鹿児島での二つ目の体験ツアーは「緑茶ツアー」です。この体験のみ、2021年3月に録画された動画を配信する形で進みました。そして、動画についての補足などをリアルタイムで柿本義恵モハンティさんがガイドしてくださいます。


柿本さんは、「事前録画の動画でも実際に工場にいる感覚を提供したい」とおっしゃっていました。
実際に、緑茶の茶摘みから生産者の方の手もみを経て蒸し器にかけるところまでをオンラインで体験でき、工場での製造工程をじっくりと見ることができます。

また、最後には急須にいれたお茶を飲むところまでが動画に収められており、参加した方の中からは、「お茶が飲みたくなってきた」との声が聞こえました。
主催者の今後の展望と参加者の声
ツアー終了後、主催者の中林さんやガイドの方々が本ツアーに架ける思いや今後の展望を語ってくださいました。また、参加した方々からもさまざまな感想が寄せられました。
主催者がツアーにかける思い、今後はゴールデンルート以外の地域も発信
まず、EXest株式会社の代表取締役であり本ツアーの主催者である中林幸宏さんに本ツアーへの思いや今後についてうかがいました。
EXest株式会社はこれまでも「オンラインツアー」は行っていました。しかし、「Live映像を取り入れたオンライン体験ツアー」は初の試みです。
中林さんによると、本取り組み「おもてなしオンラインツアー」では、体験を発信することでツアーに参加した外国人が帰国後にも満足感を維持し、外国人とガイドが直接つながることで、アフターコロナでの訪日のきっかけを、「あのガイドに会いに行こう」と思っていただくことをことを目標としているということです。
そして、そこから口コミ効果や訪日意欲増進に繋げたい狙いです。
また、中林さんは「ゴールデンルートには含まれない地域を打ち出し、多くの人に体験してもらえるようなコンテンツを継続的に発信したい」ともコメントしていました。
現段階では五輪期間に実施することが発表されていますが、期間終了後も同様のオンラインツアーを継続していきたいとしています。
ガイドの皆さんが「おもてなしオンラインツアー」で感じたこと
次に、ガイドの皆様に本ツアーならではの大変だったことや工夫したことなど、感想をうかがいました。
富山のぐい吞み作りツアーをガイドしてくださった橋本さんは、体験の伝え方に悩まされたようです。
橋本さんは、ご自身でカメラをもちながら体験を紹介するといった形態をとっていました。そのため、コンテンツを映す際に最も魅力が伝わるカメラのアングルに試行錯誤したといいます。
また、今回の体験ツアーで、コンテンツを体験している場の音をそのまま入れられれば臨場感も伝わると気づきがあったそうです。本番のツアーを行うときには音も重視して届けていきたいと語ってくださいました。
鹿児島のツアーガイドを担当してくださったTABITTOのお二人によると、今回のオンラインツアーはリアルタイムで行うという点がポイントだったということです。
お二人はこれまでもオンラインツアーガイドを担当したことがあるそうですが、多くの外国人向けオンラインツアーでは時差を考慮して事前収録になるそうです。
ただ、今回はリアルタイムで実施のため、双方向でのコミュニケーションを念頭に置いていたとのことです。
そこで特に工夫したのは、ツアー中に参加者向けにクイズを出したり反応を促したりすることで、ライブ配信ならではのコミュニケーションを実現できるようにしたことだと言います。
ツアー参加者の声
ツアーに参加した方々からも、オンライン体験ツアーに新鮮さや魅力を感じたといった感想が寄せられました。
ANAあきんど株式会社の小林さんは、「コロナ禍によって観光業界が大打撃を受ける中、この状況をいかに乗り切るかが問われている」と観光業界の現状を語っていました。
そうしたうえで、本ツアーについては「リアルタイムの取り組みは双方向での体験が実現されているため、今できる最大限の取り組みだと感じた。アフターコロナに繋がっていくと思う」と述べ、双方向でのツアーに好感と期待を表しました
また、空手道場、松濤館大島道場から参加しておられた大丸良太さんも、ツアーに高い満足度を示しています。
大丸さんによると、「外国人空手選手はもともと日本の文化に興味がある人が多い傾向だが、今回は観光ができないという不満があると思う」ということです。
しかし、本ツアーはそのような「日本好き」な外国人にとても魅力的で素晴らしいコンテンツだとして絶賛していました。ご自身も立場を忘れて楽しんでしまったそうです。
外国人の需要に応える「おもてなしオンラインツアー」
コロナ禍で訪日旅行が止まっている今、観光業界が打撃を受けるとともに「日本好き」の外国人ももどかしい気持ちを抱えていると考えられます。
そのような外国人にとって、今回体験した「おもてなしオンラインツアー」は、日本の文化をオンラインで体験できること、さらにリアルタイムでコミュニケーションをとりながら楽しめることなどからとても魅力的で効果的に響くと考えられます。
日本の新たな魅力を発信することで、外国人をさらに惹きつけ、今後の訪日意欲の増進にもつながるでしょう。
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<参照>
EXest株式会社:コンテンツ数300以上!?通訳案内士150名が集結!訪日外国人向けにおもてなしオンラインツアーを実施決定!
TABITTO公式サイト:Company Information
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
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→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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