各国で路線開設や再開、増便相次ぐ、日本~ホノルル線増便も【世界の航空便増減まとめ 8月】

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世界的な新型コロナウイルスの感染拡大に伴う各国での入国規制などにより、世界各国の航空会社は大きな影響を受けています。

IATA国際航空運送協会)によると、2021年5月の世界の航空需要は、国内線と国際線では前月よりわずかに改善したものの、2019年と比較すると依然として大きく下回っています。

2019年5月と比較して、有償旅客の輸送距離を示すRPK(有償旅客キロ)に基づく5月の総航空需要は85.1%減となり、4月の87.2%から2.1ポイント改善しました。

またIATAは7月14日、世界各国に対し、国際旅行に関するWHOガイダンスに従うよう要請し「旅行者は感染症の高リスク者ではない」と強調しました。

世界各国では、運休や減便は依然として多くなっていますが、新規路線の開設や再開の動きも活発となっています。

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【アジア】減便続くも新規路線や再開相次ぐ、日本~ホノルル線活発に

日本では減便が続いていますが、ホノルル線で増便が相次ぐなど、航空需要の回復もみられています。

韓国の大韓航空も中部行きで増便するほか、香港のキャセイパシフィック航空でも運航路線を拡大します。

日本国内

5月の利用実績について、ロードファクター(座席利用率、L/F)は、JALは国際線で1.1ポイント上昇して19.1%、国内線は15.6%上昇し38.1%に、ANAは国際線で5.6%低下し18.3%、国内線で9.8ポイント上昇して41.5%となりました。

航空各社の業績は赤字が続いており、ANAが7月30日に発表した2021年4~6月期連結決算は511億円の最終赤字、ZipAir Tokyoの2021年3月期決算は、約40.2億円の最終赤字となっています。

各社の減便率は、JALグループで7月29%、8月23%、ANAで8月35%、ソラシドエアで7月6%、8月2%となっています。

一方で臨時便の動きも目立っており、ANAは国内線5路線で8月のお盆に臨時便を設定するほか、法人帰国の特別便として、ジャカルタ発東京/成田行きの臨時便を運航します。

ヤンゴン発成田行き臨時便については、7月23日は希望者が少なかったことから見送り、次回は8月6日を予定しています。

またホノルル線の需要回復に伴い、ZipAirは7月21日、成田~ホノルル線を週1往復で約半年ぶりに再開し、10月からは週2往復に増便します。

JALも羽田~ホノルル線の機材を大型化し、10月からホノルル線を羽田・成田発着とも1往復ずつ増便して週4往復とする予定です。

またZipAir Tokyoは、成田~シンガポール線を9月7日に開設します。

7月2日に就航10周年を迎えたフジドリームエアラインズ(FDA)は、8月27日から松本~神戸線を増便します。

さらに各社で新たな取り組みもみられており、成田国際空港が7月19日から、顔認証による搭乗手続き「Face Express」の運用を開始するほか、JALは8月1日から地域活性化を目的とした「航空サブスクサービス」の実証実験を開始します。

韓国

大韓航空は、名古屋/中部〜ソウル/仁川線について、現在の土曜の週1便に水曜の運航を追加し、9月1日から週2便に増便します。

香港

キャセイパシフィック航空は運航路線を拡大し、8月1日からパリ、8月8日からはボストンとシカゴ、8月10日からプーケット、8月13日からプノンペンと香港を結ぶ、5路線の運航を再開します。

さらに8月13日からは青島発香港行き、8月24日からは香港発マンチェスター行きの片道便の運航も再開します。

【東南アジア】バンコク発着の国内線運航禁止、インド・ヴィスタラが羽田線開設

東南アジアでは、タイでバンコク発着の国内線の運航が禁止されたほか、インドネシアのエアアジアが運休するなど、運休の動きが目立っています。

一方でインドのヴィスタラが羽田~デリー線を開設したほか、シンガポールのジェットスター・アジア航空でも新規路線の開設や再開が行われるなど、積極的な動きもみられています。

タイ

タイ国際航空は、7月1日から中部~バンコク旅客便を1年4か月ぶりに再開したほか、7月3日からヨーロッパ5都市とプーケットを結ぶ直行便の運航を開始しましたが、大阪/関西~バンコク路線は8月1日から減便します。

またタイ民間航空局は、7月21日からバンコク発着の国内線の運航を原則禁止すると発表しました。

格安航空会社のタイ・エアアジアは、7月10日から31日まで、すべての国内線の運航を一時停止しており、バンコクエアウェイズも7月13日から31日までバンコク・スワンナプーム空港発着の国内5路線を一時運休すると発表しています。

一方ノックエアは、7月24日からパタヤ近郊のウタパオ空港発着の国内6路線を運航するとしています。

同空港はリゾート地パタヤ最寄りの空港で、タイ政府による国内線運航制限の対象外となっています。

またバンコクエアウェイズは、8月1日からシンガポールとサムイ島を結ぶ直行便を再開します。

サムイ島では7月15日から、ワクチン接種済みの外国人旅行者を受け入れる「サムイ・プラス」が開始されています。

シンガポール

シンガポールの格安航空会社、ジェットスター・アジア航空は、以遠権を用いて8月10日から、ドイツのベルリンとギリシャのアテネを結ぶ路線を開設すると発表しました。

現在同社が運航中しているシンガポール~アテネ線を延長し、シンガポール~アテネ~ベルリン線とするものです。

また同社はシンガポール~バンコク線に次いで2路線目のタイ路線となる、シンガポールとタイのプーケットを結ぶ直行便を9月3日から再開すると発表しました。

ベトナム

ベトナム航空は8月にベトナム発のみで日本線を一部再開し、ベトナム政府の要請による帰国支援を目的とした運航は継続されます。

また同社は、7月の成田発ダナン行きの便で、ATAトラベルパスのトライアルを実施します。

インドネシア

インドネシアの格安航空会社、エアアジアは7月6日~8月6日まで、国内線および国際線の定期便を全便運休すると発表しました。

国内における新型コロナウイルス感染拡大の状況を受けたもので、上記期間中もチャーター便や貨物便については、運航を継続するとしています。

モンゴル

MIATモンゴル航空は7月に、東京/成田〜ウランバートル線を2往復運航します。

また7月4日にはチンギス・ハーン国際空港が開港し、これらの便も新空港を発着します。

インド

インドのデリーを拠点とするヴィスタラは、7月7日に東京/羽田〜デリー線を開設しました。

週1往復で、同社が日本へ乗り入れるのは初めてのことです。

【北・南米】ユナイテッド航空、イギリス路線が活発に

北・南米地域では、アメリカのユナイテッド航空が、イギリス路線や国内線の運航に活発な動きを見せています。

アメリカ

イギリスがワクチン済みのアメリカからの渡航者の受け入れを8月2日から再開することを受けて、ユナイテッド航空は米英路線を週40便以上運行します。

また同社は、冬にアメリカ南部の避寒地への運航も増やす予定です。

米運輸省は7月26日、米航空会社の5月の旅客数が5,660万人と、前月から19%増加したと発表しました。

昨年同月からは7倍超となったものの、2019年の水準をなお30%下回っているとしています。

5月の旅客数は、2019年5月比で国内線で27%、国際線で51%減少しました。

カナダ

エア・カナダは9月7日から、成田~バンクーバー線を週5便に増便します。

カナダ政府が新型コロナウイルスワクチン接種の完了を条件として、外国人旅行者の受入再開の方針を示したことを受けたものです。

【オセアニア】ニュージーランド航空、成田線を週1便で継続

オセアニアでは、ニュージーランド航空が東京/成田~オークランド線を週1便で運航を継続しています。

ニュージーランド

ニュージーランド航空は、東京/成田〜オークランド線について、週1便での運航を12月31日まで継続します。

搭乗者は、日本またはニュージーランド政府の入国許可を得ている人に限られ、大阪/関西〜オークランド線は引き続き運休します。

【ヨーロッパ】ルフトハンザ航空、羽田線をデイリー運航に増便

ヨーロッパでは、ドイツのルフトハンザ航空が東京/羽田~フランクフルト線をデイリー運航に増便したほか、アリタリア-イタリア航空が東京/羽田〜ローマ線を開設するなど、往来の増加が目立っています。

イギリスでは航空業界が、ワクチン接種者の自主隔離義務の解除を政府に求めています。

イギリス

イギリスの航空業界は7月26日、イギリス政府に対して新型コロナウイルスワクチン接種を完了した人の自主隔離義務の解除を求めました。

さらに、より多くの国を低リスクの「グリーン(緑信号)リスト」に分類することも呼びかけ、次回の渡航制限改定で措置を取らなければ、航空業界の雇用喪失が進むと警告しました。

ドイツ

ルフトハンザ航空は、東京/羽田~フランクフルト線は7月1日から、週3便からデイリー運航に増便し、機材もボーイング747-8型機に大型化しました。

一方で8月1日から週3便で予定されていた東京/羽田~ミュンヘン線の再開は9月1日に、8月2日から週3便で予定されていた大阪/関西~ミュンヘン線の再開は10月2日に延期しました。

また同社は、冬の旅行シーズンとドバイ万博の開幕に合わせ、10月1日にミュンヘン~ドバイ線を開設します。

さらにルフトハンザ・グループは7月24日、新たに設立した航空会社「ユーロウイングス・ディスカバー」の運行も開始しました。

スイス

スイス・インターナショナル・エアラインズは、東京/成田〜チューリッヒ線について、7月3日から週3便に増便しました。

また東京オリンピック・パラリンピックの開催に合わせて、4往復を追加運航します。

イタリア

アリタリア-イタリア航空は、東京/羽田〜ローマ線を開設し、7月11日に初便が羽田を出発しました。

同便は当初、2020年3月からデイリー運航する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で複数回延期されていました。

フィンランド

フィンエアーは、10月からストックホルム〜バンコク・プーケット・マイアミ線を開設します。

スウェーデンの利用者にとって、3都市は冬休みの人気旅行先であることから直行便の就航を決めたもので、拠点のヘルシンキからはいずれの都市へのフライトも運航されています。

北欧3国(スウェーデン、デンマーク、ノルウェー)

スカンジナビア航空は、新型コロナウイルスの影響で2020年3月から延期されていた東京/羽田~コペンハーゲン線を開設し、7月12日に初便が羽田を出発しました。

東京/成田線からの移管で、定期便として羽田空港に乗り入れるのは43年ぶりのことです。

また同社は需要の増加に伴って、アメリカ路線をすべて再開します。

【中東】エミレーツ航空がマルタやマイアミへの路線再開、プーケット便増便も

中東では、エミレーツ航空による路線の再開や増便が相次いでいます。

アラブ首長国連邦

エミレーツ航空は7月14日から、ドバイ〜ラルナカ〜マルタ線の週3便での運航を再開します。

マルタは新型コロナウイルスの感染者数の減少に伴って、アラブ首長国連邦(UAE)からの渡航者に対する検疫免除を6月1日から開始しています。

また同社はドバイ~マイアミ線も7月22日から週4便で再開するほか、8月1日からはドバイとプーケットを結ぶ直行便を週6便に増便する予定です。

【アフリカ】エチオピア、成田~アディスアベバ線で臨時便運航

アフリカでは、エチオピア空港が成田~アディスアベバ線で臨時便を運航します。

エチオピア

エチオピア航空は、東京/成田〜アディスアベバ線で臨時便を運航します。

アディスアベバ発が7月18日、東京/成田発が7月19日で、機材はボーイング787-8型機を使用する予定です。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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