観光振興計画とは?民間事業者がチェックすべき内容とコロナ禍での変化について紹介

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観光振興計画とは、自治体が自地域の観光政策の考え方や方向性を示した計画書のことです。

この記事では、観光振興計画の概要と、他自治体ではどのようなトピックを中心に策定されているのかなどについて説明します。

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観光振興計画とは?

観光振興計画とは、各自治体が自地域の観光政策の考え方や方向性を示した計画書のことです。

ここでは、その概要をまとめて説明します。

観光振興計画:策定義務は?

観光振興計画は、多くの自治体で策定されています。

必ずしも名称を「観光振興計画」とするよう規定されているわけではなく、また各自治体で策定が義務付けられているわけでもありません。

対象となる自治体においても、県単位、市単位など様々な規模で作成がなされています。

観光振興計画:期間、作成者は?

観光振興計画の期間は、一般的に3年もしくは5年とされています。

例えば立川市や京都市、高知市では5年とされ、神奈川県や群馬県では3年とされています。

主に行政が中心となって作成しますが、神奈川県などで行われているように、多くの場合は専門家の意見、またパブリックコメントなどで市民の声を聞きながら策定されます。

なお計画期間の間は基本的に内容が変更されません。特に新型コロナウイルス禍の中では、新型コロナウイルス禍以前に策定された内容がそのまま現在まで効力を発揮している場合があるので注意が必要です。

観光振興計画:なぜ必要なのか?民間でもチェックする意義は?

観光振興計画は、総合計画などに基づいて策定される例と、東京オリンピックや北陸新幹線開業などのビッグイベントを期に策定される例などに大別されます。

自治体の観光方針を示し、これからの市や県のあるべき姿が記されています。

民間事業者にとっては、各自治体の観光振興計画に基づき基本的に予算が執行し施策が作成されます。この施策を実行するための業務が民間に発注されるため、読むとより事業の方向性を固めやすくなるでしょう。

観光振興計画の内容

ここからは、観光振興計画の内容について、主にどのような観点で作成されているのか、民間事業者が見るべきポイントも踏まえて説明します。

そしてコロナ禍を受けてどのように変化したのか、また各自治体独自の取組についても紹介します。

観光振興計画の骨子

立川市や高知市など多くの自治体が、以下のポイントを踏まえて作成しています。

  1. 計画の要旨(趣旨、計画の位置づけ、計画期間など)
  2. 観光振興の必要性
  3. 目指す将来像
  4. 観光振興の動向
  5. 各自治体の現状と課題
  6. 基本方針と計画の具体的な内容
  7. 計画推進(整備体制など)

この中でも、特に民間事業者が閲覧すべきポイントを踏まえて紹介します。

まず、計画の要旨では各自治体の自然環境・気候などの地理的条件、人口・産業・文化などの社会的条件が紹介されています。これらがデータやグラフとなって示されているので、対象となる地域の規模感やどのようなアプローチが有効なのかをチェックすることができます。

次に、観光振興の課題についてです。主にこれらの課題を解決するような施策がたてられたのち予算が執行されるため、民間事業者は自社のソリューションがどのくらい課題と合致するのか、見極める必要があります。

続いての基本方針や計画の具体的な内容についても、目指すべき方向性の理解を深めるとともに自社においてどの領域で強みを発揮できるのか、確認できます。

最後に整備体制において、ここでも再度課題や現状について細かく言及している例が見られます。このように細分化された課題に対して、より具体的にアプローチできる手段はないのか、民間事業者が考える契機となるでしょう。

なお方針内容は各自治体により様々ですが、近年ではデジタル化について特に言及している自治体が見受けられます。

例えば京都市が「デジタル化とイノベーションの推進」を掲げているほか、群馬県は課題解決のための対策として「DXデジタルトランスフォーメーション)の活用」を挙げています。

コロナ禍を受けての変化は?

新型コロナウイルスの流行を受けたうえで、策定をしている自治体も数多く見られます。

例えば京都市は、新型コロナウイルス禍からの復興を第一目標と掲げ、各章でどこまで新型コロナウイルスに言及しているのか数で示しています。

また群馬県は、観光のニューノーマル転換や、ウィズコロナ時代への変化をまとめています。

観光振興計画、独自の取り組み例の紹介

自治体によっては、独自の取り組みが工夫されています。

例えば呉市では、方言やイラストを用いてより分かりやすく市民に伝えることを意識した簡易バージョンが作成されています。課題について詳細には書かれていないため、事業の方向を定めるには不十分ですが、大まかな概況や市の方向性を知る意味では手助けとなるでしょう。

また北海道池田町は、10か年計画を策定して5年経過した時点で見直すとしているほか、「ワイワイ観光まちづくりミーティング」として市民と直接意見交換を行っています。パブリックコメントよりも1歩踏み込み、より市民の意見が反映されているため、計画の具体性も高まっていると考えられるでしょう。

市民に観光の意義を伝える絶好の機会に

観光振興計画は多くの自治体で作成され、市民の声や専門家らの意見を踏まえて作成されます。

基本的な骨子は変わらないものの、コロナ禍を受けて変化を伝える自治体も多く見られています。

自治体にとっては、コロナ禍の中なぜ今観光振興に投資を行うのか、その意義を伝える絶好の機会となるでしょう。

また民間事業者にとっては、観光振興計画を確認することで今後の重要な指針の1つとなるでしょう。

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<参照>
神奈川県:神奈川県観光振興計画
福井市:福井市観光振興計画
立川市:立川市第3次観光振興計画
呉市:呉市観光振興計画を策定しました
高知市:高知市観光振興計画【平成31(2019)年度~平成35(2023)年度】を策定しました
池田町:池田町観光振興計画
京都市情報館:「京都観光振興計画2025」の策定について
群馬県:群馬県観光振興計画

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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