「観光のサブスク」の可能性 新たな選択肢の一つになるか?

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近年、さまざまな業界で急速に普及するサブスクリプションモデル。観光業界も例外ではありません。

この記事で紹介する観光のサブスクリプションモデル(以下、サブスク)とは、定額制で特定の施設を利用できる仕組みのことを指します。

すでに現在「旅のサブスク」が開始されていたり、「航空のサブスク」も検討されるなど、近年観光のサブスクが話題を集めています。

本記事では一般的な観光のサブスクについて、各社の取り組みから紹介するとともに、メリット・デメリットについても解説します。


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観光におけるサブスクとは

サブスクと言えば、映画やドラマの「見放題」や、音楽の「聴き放題」などのサービスを思い浮かべる人も多いかもしれません。

しかし最近はデジタルコンテンツに限らず多種多彩なサブスクサービスが登場し、注目を集めています。

今回は、観光のサブスクリプションに注目します。

観光サブスク「ひがし北海道DMOパスポート」を販売

ひがし北海道は、観光のサブスクとして「ひがし北海道まるごと体験パスポート」と「ひがし北海道ネットワークバス乗り放題パスポート」を開始しました。

「ひがし北海道まるごと体験パスポート」では対象期間中、釧路、根室、十勝、オホーツク管内の観光施設19か所に、各1回入館できます。

また付与されるポイントに応じて、自然体験などのアクティビティや食メニューから選んで利用できます。

「ひがし北海道ネットワークバス乗り放題パスポート」は、ひがし北海道の主要な観光地・温泉地への移動に便利な「ひがし北海道エクスプレスバス」をはじめ、地域の都市間バスなど計20路線以上のバスが事前予約で乗り放題となるものです。

利用開始日から連続3~5日間有効となり、冬のひがし北海道旅行をアクティブに楽しみたい人に適した内容となっています。

旅サブスク「HafH」で優雅にホテルステイ

2019年4月から開始された旅のサブスク「HafH(ハフ)」では、世界36か国と569都市・1,010拠点(2021年11月末現在)が月額2,980円から利用可能となっています。

ホテル旅館ゲストハウスなどの拠点を定額で利用することができ、有効会員数は3万5,000人以上にのぼっています。

利用目的は旅のサブスクとして「旅行の宿泊先」が45%を占めていますが、「仕事場として利用する(19%)」、「出張の宿泊として(18%)」など「働く場所」としての利用のニーズが高いことも特徴的です。

近年注目が高まっている、「ホテル」と「バカンス」を合わせた韓国発祥の新たな休暇の楽しみ方「ホカンス」を目的とした、都内在住の人が都内のホテルを利用するなどの「ご近所ステイ」としての利用ニーズも急増しています。

旅行のたびに購入するのが当然だった旅行市場に定額制を広めた当たり前だった旅行市場に定額制を持ち込んだ点が評価され、HafHは日本サブスクリプションビジネス大賞2021のグランプリを受賞しました。

観光レジャーサブスク「レジャパス!」登場

株式会社ORIGRESS PARKSが12月中旬から開始した観光レジャーサブスク「レジャパス!」は、全国のレジャー施設を遊び放題で利用できるサービスです。

代表取締役社長の吉武優氏は、「レジャパス!」により「まずは国内の観光を活発化させていきたい」との思いを込めているとしています。

遊園地やテーマパーク、水族館、動物園、キャンプ場などさまざまなジャンルのレジャー施設が利用でき、平日プランは月額1,980円、土日祝含むプランで月額2,980円となっています。

全国80以上の観光施設が対象ですが、今後も施設は拡大予定となっており、2022年3月までに100施設、2022年末には200~300施設を目指しています。

なお同一施設は月1回までの利用となります。

観光のサブスクにおけるメリット・デメリットとは

ここからは、観光のサブスクにおけるメリット・デメリットを解説していきます。

観光サブスクのメリット

観光サブスクのメリットとしてはまず、使えば使うほどお得になる「コストパフォーマンスの良さ」が挙げられます。

また新しい旅先を訪れるきっかけになるなど、新しい体験ができることもメリットです。

さらに、利用しなくなったらいつでも解約できるという手軽さもあります。

観光サブスクのデメリット

いっぽう観光サブスクのデメリットとしては、使い切れなくても定額を支払う必要があることが挙げられます。

また使用できる地域や施設が限定されている点にも注意が必要です。

同一施設は月1回までに制限されている「レジャパス!」のように、回数制限がある場合もあります。

さらに、そもそもコロナ禍で需要が低いのではないかといった懸念もあり、コロナ収束後に需要が高まるか注視する必要がありそうです。

観光サブスク、コロナ後の見通しは?

コロナ禍を受けて、様々な価値観も変化しました。

現代の旅に関する意識の変化について、調査をもとに紹介します。

コロナ後に国内の観光サブスクに注目集まる

公益財団法人日本交通公社が調査した「新型コロナウイルス感染症流行下の日本人旅行者の動向」によると、新型コロナ収束後の旅行意向について、国内旅行については約7割が「行きたい」と回答しており、コロナ後も旅行への期待が高いことがうかがえます。

特にGoToトラベルキャンペーン期間中に実施した2020年12月調査における旅行意欲が高くなっており、GoToトラベル期間中に観光サブスクに注目高まる可能性もありそうです。

いっぽう海外旅行については「行きたい」は3割前後にとどまっており、観光サブスクの利用は国内旅行がメインとなるのではないでしょうか。

観光のサブスクが新たな選択肢に

今後、観光のサブスクはさらに注目され、増えていく可能性が高いでしょう。

ひとことで観光のサブスクといっても、地域限定やホテル、レジャーなどさまざまな形態が存在します。

日本人旅行者は、コロナ後の観光への意欲が高いことが分かっており、国内旅行を中心として観光サブスクが新たな選択肢として普及していくことが期待されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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