観光庁が、「観光地域づくり法人(DMO)における自主財源開発手法ガイドブック」を作成しました。
DMOの多様かつ安定的な財源の確保を図るべく作成されたこのガイドブックでは、新たな財源開発の手法についても紹介しています。
DMOの職員だけでなく、これからDMOに登録予定の民間団体などでも分かりやすいよう初歩的な部分から実践例について幅広く記されています。
具体的な内容について、本記事では解説していきます。
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「観光地域づくり法人(DMO)における自主財源開発手法ガイドブック」作成
観光庁は、今月17日、「観光地域づくり法人(DMO)における自主財源開発手法ガイドブック」を公開しました。
全7章からなるこのガイドブックでは、DMOの財源や種類、CFOの役割、DMOの財源導入事例まで幅広く紹介されています。ここからは各章について、簡単に説明します。
第1章では、「DMOの財源の基礎」として、自主財源の重要性が示されています。
DMOの財源は、自主財源と公的資金に区分されますが、現在は公的資金への依存度が高まっています。
その上で、自治体の単年度会計に引っ張られDMO本来の目的である中長期的な観光振興戦略が描きにくいと指摘しています。
第2章では、「財源の種類と特徴」として、自主財源と公的資金の確保方法を以下の5つの活動面から紹介し、具体的にどのように確保するのか、例示されています。
- 地域全体として観光財源を増やす(宿泊税、入湯税など)
- 国や自治体の制度を活用する(補助金など)
- 会費収入や寄附金を増やす(クラウドファンディングなど)
- 収益事業を強化する(物販事業、イベントの開催など)
- 地域金融機関と連携する(ファンドの活用など)
第3章では、「法人格の種類による財源の特徴」として、株式会社、一般社団法人、一般財団法人、NPO法人に大きく区分し説明されています。
DMOの設立携帯としては一般社団法人が最も多く、全体の65%を占めています。そのうえで、各設立形態において事業面と、ガバナンスの面からメリット、デメリットに分けて紹介しています。
第4章では、「CFOの役割と必要な知識、スキル」として民間CFOとは異なるDMOのCFOに求められるスキルについて紹介しています。
ガイドブックでは、民間のCFOと異なるDMOのCFOの目的として、地域のマネジメント・マーケティング活動・着地整備等を通じて、観光で地域全体が稼げる仕組みづくりを行うことにあるという点を指摘しています。
その上で、公益性のある活動に責任を持ちながら、安定した組織運営のための資金管理、マネジメントを行う必要があると述べています。
その上で、管理会計などの基礎的な部分から、合意形成の手法について、アメリカのDMOの例をもとに各ステップから紹介しています。
第5章では、「DMOの財源導入事例」として全国6事例を紹介しています。
北海道釧路市では、「NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構」の例を紹介しており、NPO法人でどのように自主財源を確保するのか学ぶことのできる資料だと考えられます。
また、長野県飯山市「一般社団法人 信州いいやま観光局」ではDMOが着地型旅行商品を開発しており、自主財源の確保に有効だと考えられるでしょう。
また、岐阜県下呂市「一般社団法人 下呂温泉観光協会」では、DMOが会費を徴収し、会員向けのサービス、特典を実施しています。
第6章では「Q&A」、第7章では「DMO財源用語集」が紹介されています。
長引く新型コロナウイルス禍で、財源面でも苦しい状況が続く中、このガイドブックで紹介された手法などを活用し、長期的な視野で財源が確保できるように取り組むべきでしょう。
全文については、観光庁の公式サイトから確認できます。
観光庁:「観光地域づくり法人(DMO)における自主財源開発手法ガイドブック」を作成いたしました
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