日本政府は、新型コロナの水際対策をめぐり、6月から1日あたりの入国者数の上限を2万人に引き上げることを発表しました。
また、海外からの入国者に対する検疫措置については、8割程度の入国者は検査や待機措置が免除される見通しです。
そのため、今後日本を訪れる外国人は急激に増加されることが見込まれます。
今後のインバウンド需要を見越したマーケティング戦略は、どの店にも欠かせないものになるでしょう。
本記事では、外国人相手の接客のコツを紹介します。
関連記事:旅行したい国1位「日本」アジア太平洋エリアへの海外旅行意向調査
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訪日外国人を接客する際のポイント
まず外国人を相手に接客するにあたって重要なのは、苦手意識を無くしながらお客様の目的を達成させることができるかを考えることです。
1. 訪日外国人の来店理由を考える
外国人のお客様の来店理由を把握することは、スムーズな接客のためのコツのひとつです。
- 人気のお土産を買いに来たのか。
- 日本でしか食べられない限定の料理(メニュー)が目当てなのか。
- 道が分からず尋ねに来たのか。
訪日外国人のお客様が「なぜ今、この店に来たのか」を把握できれば、それにふさわしい接客が自然とできるはずです。
相手も難しいことを求めてはいないので、まずは来店理由を尋ねることができれば、次の「やるべき行動」や「やるべきおもてなし」が明確になります。
2. 想定されるリクエストを把握する
お店を訪れる訪日外国人から受けるリクエストを想定しておくことも大切です。
飲食店では、「特定の食材を抜いてほしい」というリクエストが多く発生します。
訪日外国人のお客さまの中には、ヴィーガンなど食べるものが限られたお客様の来店も想定されるため、そのようなリクエストにも応えられるよう準備しておくと安心です。
例えば、自店で提供しているメニューに使われる食材は、英語で覚えるなどが挙げられます。
しかし、外国人のお客様のほとんどは、日本人スタッフが英語を話せないことを知っています。
そのため、真摯な対応が求められます。
3. ジェスチャーや指差し確認を活用する
飲食店でオーダーを取る際、ジェスチャーや指差しで確認することもとても有効な手段です。
英語での会話が難しい場合は、希望の料理を指差してもらうだけで正しくオーダーを取ることができます。
また同じように、数量を確認する時も指を使いながら目視での確認を行えば安心です。
言葉だけでなく視覚情報も有効に活用し、コミュニケーションを行いましょう。
外国人への接客を想定した準備は何か?必要なものは?
訪日外国人観光客に日本旅行を楽しんでもらうためには、どのような準備をしておくとよいでしょうか。
例え英語が苦手であっても、訪日外国人への接客に向けて事前に準備をしておくとスムーズな対応をすることが可能です。
1. 英語メニューを作成する(多言語メニューを用意する)
訪日外国人が頻繁に訪れる飲食店にとって、多言語化が必要不可欠であり、まずは英語メニューの作成が必須の準備になります。
そのほかにも下記のような工夫が効果的です。
- イメージが湧きやすいように、料理写真を載せる。
- 料理写真に加え、数字の番号を振る。
外国人の方でも注文がしやすく、日本人スタッフも聞き取りやすいという利点があります。
こうした工夫は、訪日外国人が多い地域のホテルや飲食店ではすでに実行されています。
2. 英語の接客フレーズ集を作る(案内の多言語化)
観光地では、案内や説明書きの多言語化が進められており、地名、駅名だけでなく、施設や設備の使用方法にも対策が必要とされています。
例えば、日本ならではの文化についても案内があると良いでしょう。
そのために、事前に英語の接客フレーズ集を作っておき対策をすることが可能です。
3. 近隣の情報収集
観光地のほかに、飲食店やコンビニエンスストア、ホテル、旅館周辺の情報を聞かれることが予想されます。
そのため、近隣の情報を事前に調べておくと便利です。
また、近隣の情報に加え下記の情報もあわせて説明できると訪日外国人への接客として喜んでいただけるでしょう。
- 英語での対応が可能か。
- おすすめの食べ物があるか。
訪日外国人への接客において、事前の情報収集が役立ちます。
コロナ前はどうだった?訪日外国人への接客に関する実態調査
日本でTOEIC® Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は、全国の接客業に携わり外国人の接客をすることがある20代以上の男女500名を対象に「訪日外国人への接客に関する実態調査」を実施しました。
2018年、接客担当者の約3割が1カ月に10人以上の外国人を接客。
訪日外国人への接客に関する実態調査として、飲食店や小売店など、接客業を行っている方を対象に、「あなたは、1カ月にどのくらいの人数の外国人を接客していますか」という質問をしました。

結果として、「10人以上」と回答した方が全体の約3割を占めることが分かりました。
コロナ禍前には、現在よりも多くの訪日外国人を接客することがあり、用意している対応ツール1位は、「ノートとペン」でした。
訪日外国人の接客で心がけていること1位は?
次に「あなたが、外国人の接客で行っていることをすべてお答えください」と質問しました。

結果として、「英語(カタコト英語やジェスチャーを含む)でコミュニケーションをとること」が、67.2%でトップとなりました。
続いて、「常に笑顔で接客する」が58.6%となり、「ジェスチャーを交えた接客」が40.6%でした。
また、「対象物やヒントにつながるものを指でさし、伝える」が39.4%と続きました。
上記のような心がけでコロナ禍前は訪日外国人を対応しており、ウィズコロナでも日本人の訪日外国人への接客に期待がされると予想することができます。
観光再開に向けて訪日外国人へおもてなし
訪日外国人に向けて接客する際には「完璧」は求められていません。
そのため接客の中で、真摯に対応することや日本のおもてなしを感じられることが重要だと考えられます。
入国緩和が発表された現在、観光再開に向けて訪日外国人への接客や対応を見直すことが大切です。
関連記事:訪日外国人の集客に効果的な4つのポイント 訪日前の外国人が日本に期待していることとは?
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<参照>
PR Times:訪日外国人への接客に関する実態調査
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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