イギリスの調査会社「ヘンリー&パートナーズ」は、世界各国のパスポートを比較した「ヘンリー・パスポート・インデックス2022」を更新しました。
最新の第3四半期のランキングでは、日本・シンガポール・韓国と東アジアの国がトップ3を独占する結果となりました。
しかしこれら3カ国では比較的強い渡航制限が継続されているため、実態としてはこれら3カ国の国民の移動の自由は少ない、という指摘もありました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
東アジアがトップ3独占も、渡航制限が足かせに
「ヘンリー・パスポート・インデックス」は、国際航空運輸協会(IATA)のデータをもとに、ヘンリー・パートナーズ社が作成するランキングです。パスポートの保有者が、事前のビザ申請なしで渡航できる目的地の数に応じて、世界各国のパスポートがランキングされています。
2022年第3四半期のランキングでは、前期に続き日本が1位となりました。ビザなしで渡航可能な目的地の数は193となっています。
次いで2位にランクインしたのは、シンガポールと韓国です。ビザなしで渡航可能な目的地の数は192です。
しかしヘンリー&パートナーズ社のレポートでは、これら3カ国の国民の移動の自由は、新型コロナウイルス関連の渡航規制によって、かつてないほど制限されていると指摘されています。
特に日本については、「世界最強のパスポートは、世界で一番移動の自由がない」と、レポートのタイトルで痛烈に指摘されています。
IATAの統計によると、東アジア地域からの旅行需要は、コロナ前の水準の17%にとどまっているということです。ヨーロッパと北米では旅行需要はコロナ前の水準の60%まで回復していることを踏まえると、東アジア地域の特異性がわかります。
一方でIATAのチーフエコノミストは、2022年には世界の旅行者数はコロナ前の水準の83%まで回復するとの予測を発表しています。世界的な旅行再開の波に乗り遅れないためにも、日本を含む東アジア地域の早期の渡航制限解除に期待がかかります。
ウクライナ危機の影響続く
今年の2月から続くウクライナ危機の影響で、ウクライナ、ロシア両国民の国際渡航に関する状況は大きく変わりました。今もその影響は続いています。
ウクライナは今回のランキングでは35位で、144の目的地にビザなしで渡航できます。
GCERF(Global Community Engagement and Resilience Fund、スイスの非営利基金)のエグゼクティブディレクターである、カリド・コーサ―氏によると、少なくとも500万人のウクライナ人が国外に避難し、700万人ほどのウクライナ人が国内での転居を余儀なくされたということです。
さらに6月には、ウクライナはEUの加盟国候補として承認されました。加盟が正式に承認されることになれば、ウクライナのパスポート保有者の移動の自由は拡大し、EUへのウクライナ人の流入がさらに増加するとみられています。
一方でロシアのパスポート保有者に対しては、国際渡航はかつてないほど厳しく制限されています。
ロシアはランキングでは50位で、119の目的地にビザなしで渡航できます。しかし侵攻が始まって以来、EUをはじめ西側諸国はロシア人の域内への渡航を禁止しているため、ロシアのパスポート保有者はほとんどの先進国に渡航できない状況になっています。
ロシアに対する経済制裁やロシア人に対する渡航禁止措置は当面続くとみられ、世界の往来回復への影響が懸念されています。
東アジアがトップ、ヨーロッパは航空混乱で旅行シーズンに打撃
ランキングの上位は東アジアとヨーロッパが多数を占める形となりました。
しかしヨーロッパでは、空港での労働力不足などが原因となり、飛行機の欠航や減便、荷物の処理のトラブルが相次ぐなど、航空業界に大変な混乱がもたらされています。
今夏の旅行シーズンに向けても、ヨーロッパ最大規模の空港の一つ、ヒースロー空港は各航空会社に対して航空券の販売停止を求めています。ヨーロッパの国際観光は大きな打撃を受けることになります。
またこのランキングは新型コロナウイルスによる渡航規制の影響は加味していません。カッコ内の数字は、ビザなしで渡航可能な目的地の数を表します。
1. 日本(193)
2. シンガポール、韓国(192)
3. ドイツ、スペイン(190)
4. フィンランド、イタリア、ルクセンブルク(189)
5. オーストラリア、デンマーク、オランダ、スウェーデン(188)
6. フランス、アイルランド、ポルトガル、イギリス(187)
7. ベルギー、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、アメリカ(186)
8. オーストラリア、カナダ、チェコ、ギリシャ、マルタ(185)
9. ハンガリー(183)
10. リトアニア、ポーランド、スロバキア(182)
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
<参照>
Henley&Partners:The Henley Passport Index Global Passport Ranking
Henley&Partners:The World’s Most Powerful Passports have the Least Travel Freedom
【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※
外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!
さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。
成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!
最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方、
業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。
今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?
皆さまのご参加をお待ちしております!
<応募者特典>
-
イベント登壇企業の各種お役立ち資料
※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません -
本イベントのアーカイブ動画(1週間)
<本セミナーのポイント>
- 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演 - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
- 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
- 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介 - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
- トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
- 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
- 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス
詳しくはこちらをご覧ください。
→【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!