「国際会議の開催地ランキング」日本7位、「対面会議ゼロ」が順位下落要因に

国際会議協会(ICCA)は、2021年版の国際会議の開催地ランキングを発表しました。このランキングでは、年間の国際会議数に基づいて、世界の国と都市がランキングされています。

今回のランキングでは、コロナ前と同様に、欧米諸国がランキングの上位を占める結果となりましたが、日本、中国、韓国のアジア3カ国がトップ10にランクインしました。

バーチャルやハイブリッド形態の会議主催数の多さが、このアジア3カ国のランキングを押し上げました。一方で、対面型の会議は他の地域と比べて極端に少なくなっていました。

日本をはじめとする東アジアが、世界で最も厳格なコロナ規制を敷いていることが見て取れる結果となりました。

2021年版、国際会議の開催地ランキング発表

国際会議協会(ICCA)は、「ICCA Ranking Public Abstract 2021 -Destination Performance Index(DPI)-」を発表しました。このレポートでは、年間の国際会議数に基づいて、世界の国と都市がランキングされています。

国際会議協会:ICCA Ranking Public Abstract 2021 -Destination Performance Index(DPI)-
▲国際会議協会:ICCA Ranking Public Abstract 2021 -Destination Performance Index(DPI)-

2021年には、世界で計7,908件の国際会議が予定されていました。そのうちの60%は、バーチャルもしくはハイブリッドの形態で行われました。同割合は2020年には全体の31%であったため、割合としては前年と比べ2倍に増加しました。

また2021年の国際会議の参加者数は、総計420万人でした。そのうちの32%の参加者は、延期もしくは中止になった会議の「見込み参加者」でした。しかし同割合は2020年には全体の53%であったことを踏まえると、2021年には国際会議を予定通り開催できる可能性が上昇したといえます。

ICCAのセンディル・ゴピナートCEOはレポート内で、「必要に迫られて導入された技術的進歩は、今後、第4次産業革命と呼ばれる時代に向けて、私たちの産業に大きな貢献をしてくれるだろう」と述べました。

2022年以降も、世界が感染症との共存の道を歩んでいく中で、オンラインを活用した形態での国際会議は必要不可欠であると考えられます。

欧米が上位独占も、日中韓の3カ国は健闘

2021年の総合ランキングトップ10は、以下のようになりました。なお、オンラインで開催された会議については、その会議を主催した国において開催されたものとしてカウントされています。

国際会議協会:Destination Performance Index 2021 トップ10
▲国際会議協会:Destination Performance Index 2021 トップ10

開催形態別のランキングは、以下のようになりました。

国際会議協会:Destination Performance Index 2021 開催形態別 トップ10
▲国際会議協会:Destination Performance Index 2021 開催形態別 トップ10

総合1位はアメリカでした。全6部門のうち、「予定会議数」「バーチャル会議数」「デジタル会議数(バーチャル会議数とハイブリッド会議数の合計)」「ビジネス存続数(対面会議数・バーチャル会議数・ハイブリッド会議数の合計)」の4つの部門で1位を獲得しました。

2位以降はスペイン、ドイツ、フランス、イタリア、そして6位のイギリスまでヨーロッパの国々が並びました。ヨーロッパはコロナ規制の解除が早かったため、比較的多くの対面会議が開催されました。

そして7位には日本、9位に中国、10位に韓国と、アジアからは3カ国が総合トップ10にランクインしました。

この3カ国のランキングを押し上げたのは、オンラインを活用した国際会議数の多さです。特にハイブリッド会議数では、1位から3位を中国、日本、韓国が独占する結果となりました。

日本の厳格なコロナ規制、東京「対面会議ゼロ」

日本はその他の部門でも、「ビジネス継続数」で4位、「予定会議数」と「バーチャル会議数」で3位、「デジタル会議数」では2位にランクインしました。

このように日本は、部門別では軒並み上位にランクインしました。しかしながら、総合ランキングでは日本は7位にとどまりました。

その要因は、「対面会議数」が極端に少ないことです。

総合ランキングで日本よりも上位の6カ国のうち、「対面会議数」が最も少ないのはイギリスの12件です。総合1位のアメリカは、「対面会議数」でも32件で1位となっています。

一方で東アジア3カ国の「対面会議数」は、中国が12件、韓国が5件、そして日本はわずか3件にとどまっています。東アジアの国々は、厳格な水際対策を維持しているために、対面での会議が極端に少なくなったということです。

都市別の総合ランキングにおいても、その傾向は顕著にみてとれます。「対面会議数」は、総合13位のソウルが1件、総合27位の北京も1件となっています。

そして東京は総合48位にランクインしましたが、「対面会議数」は0件となっています。総合トップ50の都市の中で、東京が唯一「対面会議数」が0件の都市となりました。

対面会議の回復に向け、早期の規制緩和を

国際会議をはじめとするビジネス目的での旅行は「MICE」と呼ばれ、日本のインバウンド業界でも近年注目を集めています。

国際会議などのビジネスイベントが開催されれば、一度に多くの外国人が訪日することになるからです。また観光旅行と比べ、旅行者一人当たりの消費額が多いこともMICEの特徴です。

国際会議を対面、もしくは対面とオンラインのハイブリッドで行うことは、航空をはじめとする交通業界や、地域の観光業界など、複数の産業に波及効果を生み出します。そのため、全ての会議をオンラインで完結させてしまうことは、日本のインバウンドにとって、ひいては日本経済にとっても得策ではありません。

日本国内での対面会議の本格再開のためにも、コロナ規制早期の緩和が求められます。まずは欧米や東南アジアといった地域と同じ水準まで、水際対策を緩和することが先決だと考えられます。

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国際会議協会:ICCA Ranking Public Abstract 2021 -Destination Performance Index(DPI)-

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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