多くの人々が熱狂したFIFAワールドカップカタール2022。
その中で、FIFA公式のあるビジネスが行われていました。
本記事では、株式会社mov(訪日ラボ運営企業)のスタッフである冨山が実際に現地に訪れ、調査した「公式ホスピタリティ・プログラム」について紹介します。
※記事内の描写は全て2022年12月当時のものです。後編はこちら。
皆さんこんにちは!株式会社mov コンサルティング事業部の冨山です。
死闘の末、メッシ率いるアルゼンチンの優勝で幕を閉じたFIFAワールドカップ カタール大会。
かつての悲劇から一転、”ドーハの奇跡” と謳われた日本代表の2つの大勝利が記憶に新しいですよね。
そんな世界が夢中になったカタールW杯へ、私は「公式ホスピタリティ・プログラム」のサポートのため現地へ向かいました。
公式ホスピタリティ・プログラムとは、「観戦チケット」と「お食事、お飲物」をお楽しみいただくホスピタリティがパッケージとなったFIFA公式のプログラムです。その様子を現地の写真を交えつつご紹介します。

カタールW杯から学ぶ公式ホスピタリティ・プログラム
今回私は、ジャパン・スポーツ・ホスピタリティ株式会社(=以下、JSH)の望月代表のサポートとして、FIFAワールドカップ カタール2022に潜入してきました。
JSHは、FIFAワールドカップ カタール2022における公式ホスピタリティ・プログラムの販売に対し、 日本における公式販売代理店として指名されていました。

ホスピタリティ・プログラムって?
「そもそもホスピタリティ・プログラムって何…?」と思われた方、少なくないと思います。
ホスピタリティ・プログラムとは、個室やラウンジ等の専用スペース(=以下、ベニュー)で提供されるハイクオリティなお食事や飲物、特別なギフトなどの”ホスピタリティ”と、”観戦チケット”がパッケージとなった、ラグジュアリーなサービスです。
FIFA ワールドカップをはじめとする国際的な大型スポーツイベント (オリンピックやラグビーW杯など)では、主催者公認でホスピタリティ・プログラムが用意されるのが主流で、今回のカタールW杯でも例に漏れず、FIFA公式のプログラムとして販売されていました。
今回のカタールW杯では、JSHは日本で唯一の公式代理店であったため、日本人が公式ホスピタリティ・プログラムを購入する場合はJSHを経由して購入していたといえます。
(後編ではJSH望月代表へのインタビューをご紹介します。)

どんな人たちがゲスト?
料金体系(後ほどご説明します)& ビジネスモデルの特性上、大事なクライアントの招待や社員のインセンティブなど、企業による購入が主流のホスピタリティ・プログラム。
しかし今回のカタールW杯では、企業による根強い需要も勿論ある一方、個人の富裕層の購入が目立ちました。
某有名企業の創業者や成功したスタートアップの社長、投資家、ドクター、etc… いわゆる社会的地位の高い方々ばかり。
望月さん曰く、考えられる要因としては以下が挙げられます。
- コロナにより企業が購入を踏みとどまった(顧客を招待して世界的祭典に行くことが逆にレピュテーションリスクに…)
- デジタルマーケティングが成功した(2018年のロシア大会まではデジタルでの販売が浸透していなかった)
- 銀行やクレジットカード会社などの金融機関がチャネルとなり、彼らの会員に販売した(会員サービスとして特別なものを提供する必要があった金融機関)
- リベンジトラベル需要(旅行できずうずうずしていた富裕層たち)
- プレミアム感、特別感(ホテルが取りにくいなどネガティブな報道もされる中、そんなW杯へ行けるという優位性)
ゲストが宿泊するホテル
ホスピタリティ・プログラムを購入したゲストには、組織委員会が確保しているラグジュアリーホテルの在庫から、優先的に予約ができるアドバンテージがありました。
つまり、一流ブランドホテルのスイートルームを優先的に予約できた訳です!


ホスピタリティ・プログラムの販売価格は?
ここまでの説明で、おそらくいちばん気になるのが、プログラムの料金かと思います。
開催費用約30兆円超と噂されている今回のカタールW杯。
観戦チケットに加えて、特別な空間でラグジュアリーなサービスが味わえるこのプログラム、一体いくらなのか…!?
今回のFIFAワールドカップ カタール2022では、使用する全てのスタジアムに4種類のベニューが用意されていました。(*『Lusail Studium』のみ5種類)
日本代表がドイツとスペインに勝利し、歓喜の舞台となった『Khalifa International Stadium』と、アルゼンチンvsフランスの決勝戦が行われた『Lusail Stadium』の写真とともに、全5種類のベニューをざっくりとご紹介します。
1. MATCH Club

5種類の中で一番リーズナブルなベニュー。
席の指定がなく、エリア内であればどこに座ってもOKで、食事内容やドリンクも比較的カジュアルです。
販売価格はUSD 950〜(約13万円)。
2. MATCH Pavilion
カジュアルさも残しつつ、食事内容やワインをはじめとするドリンク、そして観戦できるスタジアムの座席、すべてMATCH Clubよりワンランク上のものが用意されています。
販売価格はUSD 1,900 〜(約26万円〜)。


3. MATCH Business Seat

取引先の招待など、ビジネスの場で活用できそうなよりデラックスな雰囲気です。
受付を済ませると、ホスピタリティスタッフがテーブルまでアテンドしてくれます。
販売価格はUSD 3,050〜(約42万円〜)。

4. Pearl Lounge(*Lusail Stadiumのみ)

シェフのライブステーション、6コースの食事、厳選されたドリンクなど、最高位のラグジュアリー空間が用意されています。
販売価格はUSD 4,950〜(約67万円〜)。
またPearl Loungeは、決勝戦と準決勝が行われる『Lusail Stadium』にのみ用意された、最もラグジュアリーなベニュー。
決勝戦と準決勝1試合がセットになった最高額のプランは、USD 34,300、日本円にして約514万円で販売され、日本でも数組のゲストが購入したそう。

5. MATCH Private Suite

その名の通り、ゲストに用意されているのはプライベートスイート(個室)。
コース料理とソムリエ厳選のワインがサーブされ、誰にも邪魔されることなく大切な人たちと特別な時間を共有することができます。
今回のカタールW杯のMATCH Private Suiteは、他4つのベニューと異なり、各スタジアムの全試合分がパッケージとなったプランのみでの販売でした。
そのため1試合ごとの販売価格は設定されておらず、ゲストは希望したスタジアムで開催される全試合のプログラムを購入することになるため、最低販売価格がUSD 261,000、日本円にしてなんと約3,500万円。念の為もう一度、”最低価格”です。
ちなみに最高額は、USD 2,499,200、日本円にして3億円超。
なんとこの最高額プラン、全てのプログラムの中で、一番最初にSOLD OUTとなったとか。


ちなみに、上記でご紹介した最低販売価格はグループリーグの価格であり、日本代表が最終的に勝ち進んだRound 16のホスピタリティ・プログラムは、さらに高額になります。
さらにRound8、Semi Final…と勝ち進んでいくごとに価格も上がっていくシステムです。
専用の入場ゲート
一般の観戦チケットとは異なり、ホスピタリティ・プログラム専用のセキュリティゲートが用意されているため、入場時は長蛇の列に並ぶことなくスタジアム内に入ることができます。

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