多くの人々が熱狂したFIFAワールドカップカタール2022。
その中で、FIFA公式のあるビジネスが行われていました。
本記事では、株式会社mov(訪日ラボ運営企業)のスタッフである冨山が実際に現地に訪れ、調査した「公式ホスピタリティ・プログラム」について紹介します。
※記事内の描写は全て2022年12月当時のものです。後編はこちら。
皆さんこんにちは!株式会社mov コンサルティング事業部の冨山です。
死闘の末、メッシ率いるアルゼンチンの優勝で幕を閉じたFIFAワールドカップ カタール大会。
かつての悲劇から一転、”ドーハの奇跡” と謳われた日本代表の2つの大勝利が記憶に新しいですよね。
そんな世界が夢中になったカタールW杯へ、私は「公式ホスピタリティ・プログラム」のサポートのため現地へ向かいました。
公式ホスピタリティ・プログラムとは、「観戦チケット」と「お食事、お飲物」をお楽しみいただくホスピタリティがパッケージとなったFIFA公式のプログラムです。その様子を現地の写真を交えつつご紹介します。
![▲到着時のハマド国際空港。祭りのスタート! ▲到着時のハマド国際空港。祭りのスタート!](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12816/main_c1865fa288a78b046cf3d090cd41f45c.png?auto=format)
カタールW杯から学ぶ公式ホスピタリティ・プログラム
今回私は、ジャパン・スポーツ・ホスピタリティ株式会社(=以下、JSH)の望月代表のサポートとして、FIFAワールドカップ カタール2022に潜入してきました。
JSHは、FIFAワールドカップ カタール2022における公式ホスピタリティ・プログラムの販売に対し、 日本における公式販売代理店として指名されていました。
![▲ジャパン・スポーツ・ホスピタリティ株式会社 望月 傑 代表(右)と、訪日ラボスタッフ、冨山(左) ▲ジャパン・スポーツ・ホスピタリティ株式会社 望月 傑 代表(右)と、訪日ラボスタッフ、冨山(左)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12834/main_Untitled_Artwork_3.jpg?auto=format)
ホスピタリティ・プログラムって?
「そもそもホスピタリティ・プログラムって何…?」と思われた方、少なくないと思います。
ホスピタリティ・プログラムとは、個室やラウンジ等の専用スペース(=以下、ベニュー)で提供されるハイクオリティなお食事や飲物、特別なギフトなどの”ホスピタリティ”と、”観戦チケット”がパッケージとなった、ラグジュアリーなサービスです。
FIFA ワールドカップをはじめとする国際的な大型スポーツイベント (オリンピックやラグビーW杯など)では、主催者公認でホスピタリティ・プログラムが用意されるのが主流で、今回のカタールW杯でも例に漏れず、FIFA公式のプログラムとして販売されていました。
今回のカタールW杯では、JSHは日本で唯一の公式代理店であったため、日本人が公式ホスピタリティ・プログラムを購入する場合はJSHを経由して購入していたといえます。
(後編ではJSH望月代表へのインタビューをご紹介します。)
![▲ホスピタリティエリアへ入場するための受付 ▲ホスピタリティエリアへ入場するための受付](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12818/main_d62ad89f17befac8992bbcb261b6c75e.png?auto=format)
どんな人たちがゲスト?
料金体系(後ほどご説明します)& ビジネスモデルの特性上、大事なクライアントの招待や社員のインセンティブなど、企業による購入が主流のホスピタリティ・プログラム。
しかし今回のカタールW杯では、企業による根強い需要も勿論ある一方、個人の富裕層の購入が目立ちました。
某有名企業の創業者や成功したスタートアップの社長、投資家、ドクター、etc… いわゆる社会的地位の高い方々ばかり。
望月さん曰く、考えられる要因としては以下が挙げられます。
- コロナにより企業が購入を踏みとどまった(顧客を招待して世界的祭典に行くことが逆にレピュテーションリスクに…)
- デジタルマーケティングが成功した(2018年のロシア大会まではデジタルでの販売が浸透していなかった)
- 銀行やクレジットカード会社などの金融機関がチャネルとなり、彼らの会員に販売した(会員サービスとして特別なものを提供する必要があった金融機関)
- リベンジトラベル需要(旅行できずうずうずしていた富裕層たち)
- プレミアム感、特別感(ホテルが取りにくいなどネガティブな報道もされる中、そんなW杯へ行けるという優位性)
ゲストが宿泊するホテル
ホスピタリティ・プログラムを購入したゲストには、組織委員会が確保しているラグジュアリーホテルの在庫から、優先的に予約ができるアドバンテージがありました。
つまり、一流ブランドホテルのスイートルームを優先的に予約できた訳です!
![▲ゲストが宿泊した部屋の一例。 ▲ゲストが宿泊した部屋の一例。](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12819/main_7a7453359ea762f0508c33e995e10ec7.png?auto=format)
![▲Intercontinental Doha Beach & Spaのエグゼクティブスイートルームからの眺望。ドーハでNo.1の面積を誇るプライベートビーチです。 ▲Intercontinental Doha Beach & Spaのエグゼクティブスイートルームからの眺望。ドーハでNo.1の面積を誇るプライベートビーチです。](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12820/main_6993e2bf5a996f52a1582d28f2db4945.png?auto=format)
ホスピタリティ・プログラムの販売価格は?
ここまでの説明で、おそらくいちばん気になるのが、プログラムの料金かと思います。
開催費用約30兆円超と噂されている今回のカタールW杯。
観戦チケットに加えて、特別な空間でラグジュアリーなサービスが味わえるこのプログラム、一体いくらなのか…!?
今回のFIFAワールドカップ カタール2022では、使用する全てのスタジアムに4種類のベニューが用意されていました。(*『Lusail Studium』のみ5種類)
日本代表がドイツとスペインに勝利し、歓喜の舞台となった『Khalifa International Stadium』と、アルゼンチンvsフランスの決勝戦が行われた『Lusail Stadium』の写真とともに、全5種類のベニューをざっくりとご紹介します。
1. MATCH Club
![▲MATCH Club ▲MATCH Club](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12787/main_03a7377dfb2c20d40b17dbd77e2e217b.png?auto=format)
5種類の中で一番リーズナブルなベニュー。
席の指定がなく、エリア内であればどこに座ってもOKで、食事内容やドリンクも比較的カジュアルです。
販売価格はUSD 950〜(約13万円)。![▲日本-ドイツ戦キックオフ前のMATCH Clubの様子。席の指定がないため、サポーター同士で気軽に集まりやすいです。 ▲日本-ドイツ戦キックオフ前のMATCH Clubの様子。席の指定がないため、サポーター同士で気軽に集まりやすいです。](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12821/main_e41f8136926a22328347efbbf2f0366e.png?auto=format)
2. MATCH Pavilion
カジュアルさも残しつつ、食事内容やワインをはじめとするドリンク、そして観戦できるスタジアムの座席、すべてMATCH Clubよりワンランク上のものが用意されています。
販売価格はUSD 1,900 〜(約26万円〜)。
![▲『Lisail Stadium』のMATCH Pavilion ▲『Lisail Stadium』のMATCH Pavilion](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12789/main_33e08510d0c59b5d4e7e72c7b6d51a2c.png?auto=format)
![▲中東らしい装飾が施されたMATCH Pavilion内のスペース ▲中東らしい装飾が施されたMATCH Pavilion内のスペース](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12790/main_b3f3750c0c11341767016cc5c58a1b51.png?auto=format)
3. MATCH Business Seat
![▲ MATCH Business Seat ▲ MATCH Business Seat](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12791/main_5dd7334bb3746c63d31b7bf23d328d35.png?auto=format)
取引先の招待など、ビジネスの場で活用できそうなよりデラックスな雰囲気です。
受付を済ませると、ホスピタリティスタッフがテーブルまでアテンドしてくれます。
販売価格はUSD 3,050〜(約42万円〜)。
![▲すぐ目の前にスタジアムが! ▲すぐ目の前にスタジアムが!](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12822/main_3abe823fd64c1ed93782c4bcd2cb2415.png?auto=format)
4. Pearl Lounge(*Lusail Stadiumのみ)
![▲Pearl Lounge(*Lusail Stadiumのみ) ▲Pearl Lounge(*Lusail Stadiumのみ)](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12794/main_e644f94b96a6887ed2d146272ec05da8.png?auto=format)
シェフのライブステーション、6コースの食事、厳選されたドリンクなど、最高位のラグジュアリー空間が用意されています。
販売価格はUSD 4,950〜(約67万円〜)。
またPearl Loungeは、決勝戦と準決勝が行われる『Lusail Stadium』にのみ用意された、最もラグジュアリーなベニュー。
決勝戦と準決勝1試合がセットになった最高額のプランは、USD 34,300、日本円にして約514万円で販売され、日本でも数組のゲストが購入したそう。
![▲”ラグジュアリー”という言葉が最高にマッチする空間 ▲”ラグジュアリー”という言葉が最高にマッチする空間](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12795/main_7f864989c86f896431148ee642a7e15d.png?auto=format)
5. MATCH Private Suite
![▲MATCH Private Suite ▲MATCH Private Suite](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12823/main_2b06f4f4cb5be6cac35c5e947bb7f7c9.png?auto=format)
その名の通り、ゲストに用意されているのはプライベートスイート(個室)。
コース料理とソムリエ厳選のワインがサーブされ、誰にも邪魔されることなく大切な人たちと特別な時間を共有することができます。
今回のカタールW杯のMATCH Private Suiteは、他4つのベニューと異なり、各スタジアムの全試合分がパッケージとなったプランのみでの販売でした。
そのため1試合ごとの販売価格は設定されておらず、ゲストは希望したスタジアムで開催される全試合のプログラムを購入することになるため、最低販売価格がUSD 261,000、日本円にしてなんと約3,500万円。念の為もう一度、”最低価格”です。
ちなみに最高額は、USD 2,499,200、日本円にして3億円超。
なんとこの最高額プラン、全てのプログラムの中で、一番最初にSOLD OUTとなったとか。
![▲MATCH Private Suite専用の座席。 ▲MATCH Private Suite専用の座席。](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12824/main_87a078ae79dfafa470c711ac731f84cc.png?auto=format)
![▲MATCH Private Suite専用の座席。もちろん他のゲストは立ち入れないプライベートなエリア。 ▲MATCH Private Suite専用の座席。もちろん他のゲストは立ち入れないプライベートなエリア。](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12798/main_f49fdf776eb4d12a484465533af7c6e1.png?auto=format)
ちなみに、上記でご紹介した最低販売価格はグループリーグの価格であり、日本代表が最終的に勝ち進んだRound 16のホスピタリティ・プログラムは、さらに高額になります。
さらにRound8、Semi Final…と勝ち進んでいくごとに価格も上がっていくシステムです。
専用の入場ゲート
一般の観戦チケットとは異なり、ホスピタリティ・プログラム専用のセキュリティゲートが用意されているため、入場時は長蛇の列に並ぶことなくスタジアム内に入ることができます。
![▲専用のセキュリティゲート。中東らしい制服を身につけた専属スタッフがいます。何から何までラグジュアリー! ▲専用のセキュリティゲート。中東らしい制服を身につけた専属スタッフがいます。何から何までラグジュアリー!](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12799/main_5740945a34fa3bd3988d7670bcbb41a1.png?auto=format)
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
訪日ラボ 最新版インバウンド情報まとめ
訪日ラボおすすめの記事をご紹介します。
永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売
訪日ラボを運営する株式会社movは、株式会社ユニットティ 代表取締役で、日本初のGoogle ビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパートとしても活躍する永山 卓也氏とともに、Googleビジネスプロフィール専門の解説書『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』を青春出版社より8月5日から発売いたします。
本書は、小売・飲食・宿泊業、観光業のマーケティング、マネジメント支援を中心に豊富な支援実績を持つ永山氏、そして口コミ対策・ローカルSEO(MEO)、インバウンド領域に知見を持つmovがタッグを組み、Googleビジネスプロフィールに関わる店舗集客施策を解説したものです。
全国の書店及びAmazonなどのオンライン書店、電子書籍での販売を予定しております。事前予約については以下のページをご確認ください。
https://amzn.asia/d/06xjqsYU
詳しくはこちらをご覧ください。
→永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売
【インバウンド情報まとめ 2024年7月前編】「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? 他
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に7月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。
最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!
本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? / 4月の国別宿泊者数 中国が再び1位に【インバウンドまとめ 2024年7月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
![](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/12427/main_kAca-bnr.png?auto=format)
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!