国外居住者の交流プラットフォームを提供するドイツのInterNations社は、2022年版の「外国人として暮らしやすい都市ランキング」を発表しました。
世界各地の計1万人以上の国外居住者を対象に行った、駐在先の都市での暮らしに関するアンケート調査の結果に基づいて、このランキングは作成されています。
このランキングで、東京は50都市中42位と、ワースト10に入ることになりました。「言葉の壁」と「仕事文化」の2つの要因が、足を引っ張った形となりました。
関連記事:世界の「パスポートランキング」1位は?193の地域にビザなし渡航できる「最強のパスポート」…実は日本
最新インバウンドニュースを毎週配信!訪日ラボのメルマガに登録する
「外国人として暮らしやすい都市ランキング」2022年版発表
国外居住者の交流プラットフォームを提供するドイツのInterNations社は、「Expat City Ranking 2022」(外国人として暮らしやすい都市ランキング)を発表しました。

このランキングは、181の国と地域で外国人として居住している計1万人を対象に行ったアンケート調査の結果に基づいて作成されています。
アンケート調査では、回答者自身が外国人として居住している都市の暮らしやすさに関して、総計56の質問が設定されました。
それぞれの質問は、「QOL(生活の質)」、「適応のしやすさ」、「仕事の満足度」、「パーソナルファイナンス」、そして役所の利用のしやすさなどを示す「Expat Essentials」(以下、「独自指標」)の5つの部門のいずれかに分類されています。
2022年版の調査では、十分なサンプル数が得られた世界各地の計50都市が、調査結果の総合的な分析に基づいてランキングされています。順位は全て「50都市中の順位」となっています。
トップはスペイン・バレンシア QOL高く評価
50都市中1位となったのは、地中海に面したスペインの都市、バレンシアでした。

バレンシアは「QOL」部門でも1位、「適応のしやすさ」部門および「パーソナルファイナンス」部門では3位と、部門別にみても上位を獲得しています。
公共交通機関の利便性や、街の治安の良さ、そして生活費の安さなどが順位を押し上げた形となりました。
続く2位はアラブ首長国連邦の都市、ドバイとなりました。ドバイは役所の利用のしやすさや、住居の探しやすさ、「言葉の壁」の無さなどが高く評価され、「独自指標」部門では1位を獲得しています。
3位はメキシコの首都、メキシコシティとなりました。治安や気候に弱みをもつメキシコシティは、「QOL」部門では50都市中44位と苦戦しましたが、「適応のしやすさ」部門および「パーソナルファイナンス」部門では1位を獲得し、総合ランキングでトップ3に食い込む形となりました。
東京はワースト10入り…「言葉の壁」と「仕事文化の異質性」際立つ
日本から唯一ランキングに参加した都市・東京は、総合ランキングで50都市中42位となりました。ランキングに登場したアジアの全6都市の中でも、下から2番目の総合順位となりました。
部門別でみると、最も高い評価を得た部門は「QOL」部門で、16位を獲得しました。特に「健康と幸福」に関する指標では7位と好成績を残しました。
次いで「パーソナルファイナンス」部門では22位、「適応のしやすさ」部門では39位となりました。
足を引っ張る形となったのは、「仕事の満足度」部門の40位、および「独自指標」部門の45位です。
「仕事の満足度」部門のうち、「仕事文化と満足度」の指標では、東京は50都市中の最下位となりました。礼儀正しく、真面目に仕事をする人が多い一方で、保守的で同調圧力が強い雰囲気があるというような、日本の仕事文化の異質性があらわになったといえます。
また「独自指標」部門では、東京は「言語」の指標で50都市中の最下位となりました。日本語を話すことができない外国人が生活するうえでの「言葉の壁」が、東京ではいまだ高くそびえたっていることが示されました。

「デジタル」を活かした居住・労働環境の最適化が求められる
東京はその他、「独自指標」部門のうち「デジタルライフ」の指標で40位、「役所の利用のしやすさ」の指標でも41位と低い評価を受けました。
このように「デジタル分野」は、現在は東京の弱点となっています。言葉の壁や、仕事文化のギャップ、公的手続きの煩雑さといった課題を包括的に解決していくには、ITの力を借りることが必要不可欠になってくると考えられます。
今後はITの活用、そして居住環境および労働環境の最適化が進み、東京が「外国人として暮らしやすい都市」への脱皮を果たすことが期待されます。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
<参考>
InterNations:Expat City Ranking 2022
インバウンド対策が丸わかり!最新レポート&セミナーのご紹介
訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱える店舗のご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開やセミナーの実施などを行っています。
いよいよ「中国インバウンド再開」目前!【食べログ × 訪日ラボ緊急セミナー】
4月29日以降、中国本土向けも含めて水際対策がほぼ撤廃される形となりました(有症状者への入国時検査のみ)。いよいよ「中国インバウンドの再開」が目前に迫っています。
一方、中国ではグレートファイアウォールと呼ばれる大規模情報検閲システムの影響でGoogle、Facebookなどの世界的検索エンジンやSNS等が使えず、独自の情報プラットフォームが発達しています。そのため、中国向けのインバウンド対策では他の国・地域とは違った施策が必要であり、何からやればいいのかお困りの方もいらっしゃるのではないかと思います。
そこで今回は、中国を始めとしたインバウンド対策に詳しい「訪日ラボ」と、レストラン検索・予約サイト「食べログ」で緊急セミナーを開催します。主に飲食店の方向けに、中国の最新インバウンド事情や、中国向けインバウンド対策の成功事例など、データ・事例をもとに徹底解説します!
インバウンド新担当者必見!基本情報から最新データまで「インバウンド対策」が丸分かり【訪日ラボ監修】
2023年5月8日、ついに新型コロナウイルスが5類に移行され、本格的にインバウンドが回復していくことが見込まれています。しかし「インバウンド対策って何から始めたら良いの?」とお困りの方も少なくはないでしょう。
そこで訪日ラボを運営する株式会社movでは、インバウンド対策の”はじめの一歩”が分かる「インバウンド対策の基本」をまとめたレポートを作成しました。このレポートを見れば、把握しておくべきインバウンド知識が身につきます!
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!
【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる