成田空港、新構想で将来的にターミナルが1つに?インバウンドへの影響は?

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日本の“空の玄関口”として国内外を問わず多くの人が利用する成田空港。今後も増大するニーズを着実に取り組むことなどを目的に、成田空港が大きく生まれ変わろうとしています。

2023年3月、成田国際空港は「新しい成田空港」構想の中間取りまとめを発表しました。本記事では、「新しい成田空港」構想についてわかりやすくまとめています。

今後、成田空港はどう変わっていくのでしょうか。インバウンドの側面から見たメリットについても解説します。

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「新しい成田空港」構想とは

「新しい成田空港」構想は、今後増加が見込まれる国際航空需要を確実に取り込むため、成田空港の将来像を検討するものです。

2022年10月から5回にわたり、国や周辺自治体を交えて以下の内容をメインに検討しています。

  • 旅客ターミナルの再構築
  • 航空物流機能の高度化
  • 空港アクセスの改善
  • 地域との一体的な発展 など

今後はさらにインバウンド需要が増すことから、「日本らしさを体感できる空間・サービスの提供」も検討事項のひとつに含まれています。

成田国際空港は、2023年度中に具体的なスケジュールや予算など、最終的な取りまとめを行う方針です。

「新しい成田空港」構想で何が変わるのか?

実際に成田空港は何がどう変わるのでしょうか。なかでもトピックとなる以下の2点について解説します。

  • 「ワンターミナル方式」の導入
  • “環境”に配慮した「新たな設備」の導入

「ワンターミナル方式」の導入

2023年で開港45周年を迎える成田空港は、施設の老朽化や非効率な設計が課題に挙げられています。そこで導入を検討しているのが「ワンターミナル方式」です。

「新しい成田空港」構想では、現状、第1〜第3の3つに分かれているターミナルを段階的にひとつに集約し、新たな旅客ターミナルを建設する方針です。

アジア地域の経済成長により海外旅行や貨物空港としての需要は、今後さらに伸びることが予想されます。

その需要を確実に取り込み、アジアのハブ空港として国際競争力を高めるため、従来の分散型から集約型のターミナルへ移行する必要があることを示しています。

建設場所は現在の第2旅客ターミナルの南側を有力な候補地として挙げています。

▲出典:『新しい成田空港』構想中間とりまとめ(別紙)

ワンターミナル方式を導入することで、利用者側と運営者側それぞれにメリットが期待されます。

  • 利用者側:ターミナル間の移動がなくなり、シンプルでわかりやすい
  • 運営者側:機械や人的リソースが共有でき、業務の効率化になる

一方で、ひとつのターミナルの規模が大きくなるため、旅客の移動距離が増えることへの負担を軽減したり、案内表示をわかりやすくしたりするなどの配慮が求められます。

“環境”に配慮した「新たな設備」の導入

航空業界の大きな課題である「脱炭素化」への取り組みも重要事項として挙げられています。

今後、世界の航空会社から選ばれる空港であるためには、環境負荷を軽減する取り組みが必要不可欠です。

具体的にはエネルギー消費が多いターミナル運営において、省エネ化や太陽光発電によって創エネを導入するなどの取り組みを検討しています。

また空港内における車両の電動化、水素化など環境に配慮した設備の推進が期待されます。

インバウンドへの影響は?

海外からも多くの人が利用する成田空港だけに、インバウンドへの影響はスルーできない要素のひとつ。「新しい成田空港」構想が実現した場合、インバウンドにはどのような影響をもたらすのでしょうか。

三国間流動や国際線・国内線の乗り継ぎ需要の取り込み

「ワンターミナル方式」を採用することで乗り継ぎが便利になり、とくにアジアからの三国間流動や国際線・国内線の乗り継ぎ需要が取り込みやすくなります。三国間流動とは、日本が経由地となり第三国へ向かう人の流れのことを指します。

乗り継ぎの旅客に対して地域のコンテンツ体験など、新しい価値を提供するための検討も必要であるとしています。

また国際貨物の貿易拠点としても、日本の地理的優位性をいかして世界をつなぐ国際的なハブ空港になることを目指すとしています。

ターミナルビルの新設や滑走路の拡張などにより航空便の発着数が増加することで、より多くの国からのビジネスパートナーが訪れることが期待されます。

インバウンド客のさらなる増加

「新しい成田空港」構想において、インバウンド客の増加も検討すべき大きなトピックです。成田空港はインバウンドで利用する外国からの旅客にとって、最初に日本にふれる場所であるとともに帰国する前に利用する場所でもあります。

日本が誇る最新の技術や日本らしさが体感でき、旅を彩る空間演出やサービスを提供する必要があることも新しい成田空港構想に含まれています。

最先端テクノロジーによって空港での顧客体験がアップすることで、インバウンド需要のさらなる増加が期待できます。空港を中心に日本の産業や観光の国際競争力を高める役割が求められます。

空港周辺地域の経済循環の拡大

空港周辺の施設整備が進むことで地域経済へ大きな影響を与えるとともに、インバウンド客の滞在日数が伸びたり、旅行消費額が増えたりすることも期待できます。

成田空港周辺の観光コンテンツ・地域ビジネス展開は今後の重要な焦点になるでしょう。

まとめ

「新しい成田空港」構想により、旅客数や物流ネットワークの増加、周辺地域の経済循環の拡大が期待されます。インバウンド客に対する日本体験の場や、サービス提供の展開については今後の動向に注目したいところ。

インバウンド関連企業にとっては、インバウンド客が増加したり、新たなビジネスチャンスが生まれたり多くのメリットが見込まれるでしょう。

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<参照>

成田国際空港:『新しい成田空港』構想検討会

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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