ナビタイムジャパンは、訪日外国人向けナビゲーションアプリの利用状況を調査し、コロナ前後で人気が急上昇している市区町村を分析しました。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
訪日欧米人旅行者、各国の人気急上昇地域トップ10
本調査は、訪日外国人観光客向けのナビゲーションアプリ『Japan Travel by NAVITIME』の利用状況をもとに、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアからの訪日欧米人による滞在増加率を調査したものです。それぞれの結果を見ていきましょう。
※編集部注:本調査結果は「増加率」を示したものであり、母数について言及されていない点には注意が必要です。
アメリカ
アメリカからの旅行者については、茨城県坂東市が2019年に比べて93倍の増加となりました。
他にも長野県、福島県、山形県の市町村など、地方を訪れるアメリカ人観光客が一定数いることを示しています。

イギリス
イギリスからの訪日旅行者からは秋田県小坂町が急上昇。滞在増加率は25倍となっています。

ドイツ
ドイツからの観光客は宮城県石巻市が急上昇しており、2019年と比較した上昇率は14倍。山梨県身延町も増加しています。

フランス
フランスからの訪日旅行者からは愛知県長久手市の増加率が顕著です。滞在増加率は約45倍となっています。

スペイン
スペインからの訪日観光客からは新潟県長岡市が注目を浴びています。滞在増加率は8倍で、次に岩手県盛岡市や群馬県草津町が続いています。

イタリア
イタリアからの訪日旅行者からは群馬県草津町が特に魅力的なようです。滞在増加率は9倍と、この地域が彼らにとって人気の観光地であることが示されています。

各国の旅行者が新たな観光スポットや地域の魅力を見つけ、訪日滞在を楽しんでいることを示しています。アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スペイン、イタリアの各国からの旅行者にとって日本は多彩な観光体験の場となっており、地域の魅力が広まっていることがうかがえます。
ジブリパークの人気高まる
2022年に愛知県長久手市にオープンしたジブリパーク。インバウンド客から人気のスポットですが、欧州の旅行者からも総じて人気が高いことが分かりました。
訪日欧州人にとってジブリ作品は非常に人気で、とくにイギリス、ドイツ、フランス、スペインの旅行者から人気であることが明らかになっています。
たとえば、イギリスからの訪日観光客の滞在増加率は2019年に比べて13.3倍、ドイツからの訪日観光客は8倍、フランスからの訪日観光客は45倍、スペインからの観光客は5.2倍と、ジブリパークは欧州人にも広く受け入れられていることを示しています。

草津町の人気度急上昇、温泉文化への関心がうかがえる
温泉は日本を語る上で欠かせない文化で、訪日外国人にとっても魅力的な体験のひとつです。
外国人の中には文化の違いから温泉に入ることにちゅうちょする人もいる一方で、フランス、スペイン、イタリアの3か国では草津町が急上昇しています。
フランスは2019年に比べて11.9倍、スペインは6.0倍、イタリアは9.0倍と、外国人旅行者による温泉文化への関心が高まっています。温泉に入ることそのものが受け入れられつつある可能性、もしくは古き良き日本が薫る佇まいや浴衣を着る非日常体験などへの関心が広がっている可能性がうかがえます。

訪問エリアが拡大、あまり知られていなかった地域が注目されている
日本には多くの観光資源が点在し、欧米からの観光客もさまざまな地域へ訪れていることが分かりました。
たとえば長野県坂城町、秋田県小坂市、山梨県身延町、愛媛県大洲市、福岡県篠栗町、熊本県益城町など、これまであまり知られていなかった地域が欧米からの観光客から注目のスポットとなっています。
長野県坂城町は2019年に比べて78倍、秋田県小坂町は25倍、山梨県身延町は14倍、愛媛県大洲市はフランスが7.5倍、イタリアが5倍、福岡県篠栗町は5.5倍、熊本県益城町は8.倍に急上昇しています。
オーバーツーリズムが問題視される今、新たな観光スポットの発見と拡大は、日本全体での観光産業の成長を後押しすることにつながります。

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<参照>
株式会社ナビタイムジャパンプレスリリース:訪日欧米人旅行者が訪れる人気急上昇エリアを分析
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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<本セミナーのポイント>
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→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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