日本政府観光局(JNTO)は、10月18日に訪日外客統計の9月版を発表。さらに同日、観光庁も2023年7-9月期の訪日外国人消費動向調査の結果を公表しました。
それぞれのデータによると、2023年9月の訪日客数は約218万人でコロナ禍前の2019年と比較すると96%まで回復しています。2023年7-9月期の訪日外国人旅行消費額も2019年同期比117.7%の1兆3,904億円となっています。
訪日ラボでは、各データをもとに、国別に訪日客数、消費額、消費傾向などをまとめています。本記事では、アメリカ市場のインバウンド動向について、最新データを交えて解説します。
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9月の訪日アメリカ人客数は15万6,600人。2019年同月比123%を記録
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計9月版によると、2023年9月の訪日アメリカ人客数は15万6,600人でした。コロナ禍前の2019年9月は12万7,190人であり、3万人近く増加しています。

2022年10月に日本の水際規制が緩和されてから、アメリカからの訪日客数は堅調に回復。航空便の増便や直行便数の回復なども追い風となり、2023年3月以降、7ヶ月連続で2019年の水準を超えています。
7-9月の訪日アメリカ人消費額は1,439億円で全体4位。2019年同期比182%と大幅に増加
観光庁の訪日外国人消費動向調査によると、2023年7-9月期のアメリカ人の旅行消費額は1,439億円で、2019年同期比181.9%を記録。円安などの影響もあり、訪日客数の回復と合わせて大幅に増加しました。

他国との比較では、中国の2,827億円、台湾の2,046億円、韓国の1,955億円に次ぐ4番目に高い金額です。外国人の旅行消費額は全体で1兆3,904億円にのぼり、その内アメリカが10.4%を占める結果となりました。

訪日アメリカ人の種目別消費額は、宿泊費610億円、飲食費317億円、交通費201億円、娯楽等サービス費73億円、買い物代239億円でした。宿泊費に特に多くの予算を割く傾向にあるようです。2019年と比較すると、消費額全体に占める割合は買い物代が増え、宿泊費と飲食費がそれぞれ3%ずつ減っています。

1人当たりの旅行支出を見ると、アメリカ人の平均は29万1,537円でした。訪日外国人の全体平均(21万810円)よりも8万円以上高い金額ですが、最も支出額の高いフランスが35万7,775円、イギリスが32万8,422円、オーストラリアが32万286円であり、欧米各国と比べるとアメリカ人1人当たりの旅行支出は大幅に低い傾向にあるようです。
一方、アジア圏の旅行支出額は、中国が最も多く28万4,934円。次いでシンガポールの25万6,496円、香港の23万3,887円と続きます。総じてアジア圏より欧米圏の方が1人当たりの旅行支出額が高い傾向があることがわかります。
また1人1泊当たりの旅行支出を見ると、全体平均は1万8,855円でした。公開されたデータ内では香港が3万825円と最も高く、次いで台湾(2万3,605円)、アメリカ(2万2,770円)、韓国(2万2,503円)と続きます。1人当たりの旅行支出ではアジア圏との乖離が大きかったアメリカですが、1人1泊当たりの旅行支出では台湾や韓国とほぼ同じ金額になっています。
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<参照>
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
観光庁:訪日外国人消費動向調査
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
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