先日開催された台湾最大の国際旅行博「ITF(台北国際旅行博)」での取材内容をもとに、台湾市場の最新状況や、各社・自治体のプロモーションの動きなどをお届けする「台湾市場のインバウンドプロモーション最前線」。
第三弾の今回は、台湾で人気の北海道エリアの担当者の方々に伺った、台湾インバウンド動向についてのインタビューをご紹介します。
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台湾でも人気の北海道エリア、今後はどう動く
台湾の平野部では雪はほとんど降らないため、スキーなど雪の魅力をたっぷり楽しめる北海道は、台湾の旅行者にとっても人気の観光地です。
今回は北海道観光振興機構や、「ウポポイ」を運営するアイヌ民族文化財団 民族共生象徴空間運営本部など、道内の観光関連団体、事業者、自治体にインタビュー。人気の観光スポットの情報や、プロモーションの戦略などについて伺いました。
公益社団法人北海道観光振興機構 誘客推進本部 海外誘客部 主任 坂口瑛美さん
台湾は北海道にとって大変重要な市場です。私たちだけでなく、各自治体、観光協会さんも14団体が一緒に出展しています。また、隣には札幌市、JR北海道、釧路市、帯広市、網走市などもブースを出されており、「オール北海道」で出展している形です。
(訪日ラボ編集部:会場の様子は?)
思った以上に人数が多いですね。北海道のブースにもたくさん旅行者の方が来られて、改めて人気があると実感できました。パンフレットもあっという間になくなりまして、どれだけ持ってきても足りないくらいですね(笑)
やはり団体旅行よりは家族、知人で行く方が多いですね。エリアとしては札幌など知名度が高いところはもちろん、道東、離島など比較的マイナーなところも人気です。
(今後のプロモーションは?)
台湾は成熟市場ですから、一般の観光よりはマラソン、サイクリング、アクティビティ、冬は雪やスキーなど特化型のプロモーションが必要になります。先日ATWSもありましたが、アドベンチャーツーリズムも注目のコンテンツです。例えば「流氷ウォーク」の専門ガイドの方も今回旅行博に来ていて、特別な体験を紹介してもらっています。
北海道には、まだ台湾の方々に知られていない、新しい魅力がたくさんあります。新しい情報を届けることで、今まで体験したことがないことを体験してほしいですし、今まで来たことがないエリアにも行ってほしいなと思います。
公益財団法人アイヌ民族文化財団 民族共生象徴空間運営本部 誘客広報部
- 広報課長 兼 誘客課長 亀田悟さん
- 誘客課 主任 新谷裕也さん
- 広報課 大河智桃子さん
今回は北海道観光振興機構からお声がけいただきました。
ウポポイ(※民族共生象徴空間。アイヌ民族がテーマのナショナルセンター)はコロナ禍でのオープンだったので、海外イベントに参加したことがなく、今後に向けての勉強も込みでの参加です。
(ウポポイの魅力、台湾市場との親和性は?)
他にもアイヌ文化関連の施設はありますが、ウポポイでは道内の文化を一度に見ることができるのが魅力です。台湾では原住民族が16あるので、民族・文化に対する興味・親和性は高いと聞いています。来場者の方々もすでにアイヌ民族を知ってくださっていたりとか、文様や着物に興味を示してくれています。
(今後のプロモーションは?)
今回初めての出展でしたので、反省点を出して、次回以降に活かしていきたいと考えています。
台湾市場への期待は高いですね。日本国内向けの展示会を上回るレベルで、北海道というコンテンツへの食いつきがありました。あったかい地域なので、冬や雪を求めていますよね。スキー場が人気なのですが、それ以外のところも、雪と一緒に楽しめる魅力を押し出していきたいと考えております。
一般社団法人ひがし北海道自然美への道DMO 専務理事 野竹鉄蔵さん
やはり、ひがし北海道はリピーターが多く、台湾だと4回目以降の訪日でやっと訪問してもらえるのですが、シンガポールは3回目以降からと台湾よりも早くなっており、台湾をそこに追いつかせたい。つまり訪日回数が少ない段階から、ひがし北海道を訪れてもらえるようにしたいと考えています。
(ひがし北海道を目的地にしてもらうための施策は?)
コンテンツもそうですが、まずは交通を整えないと。待ってるだけではなく、自分たちから仕掛けないといけないですね。道東に直接入ってもらえるよう、航空会社に働きかけています。
(北海道の観光資源をどう活かすか?)
北海道内ではウポポイの認知と人気、さらに阿寒のアイヌコタンも興味と認知も上がってきています。ひがし北海道ではさらに深まる大自然とアイヌ文化、そしてアドベンチャーのコンセプトも含め、よりauthenticな北海道を攻めてゆけるように思います。
台湾では若年層、FIT層などはひがし北海道やサステナブルな観光にとても好感度をもってくれていることもあり、そのターゲットに向けて、コロナ後ならではのテーマに基づき積極的に仕掛けていきたいと思っています。
JR北海道(北海道旅客鉄道株式会社)、釧路市、帯広市、網走市
- 北海道旅客鉄道株式会社 鉄道事業本部 営業部 専任課長 インバウンドグループ グループリーダー 平沢信さん
- 釧路市役所 産業振興部 観光振興室 観光振興担当 主任 横山侑貴さん
- 帯広市 経済部 観光交流室 観光交流課 観光係 主任補 藤田真衣さん
- 網走市 観光商工部 観光課 広域観光推進係 主事 榊寛二さん
これまでも台湾向けに10年以上誘客してきました。主に台湾と帯広・釧路・女満別空港間の定期便就航を大きな目標に掲げ、3市で連携してきましたが、FIT(個人旅行)化する中、新千歳空港などからJRで来られる方も増えてきたので、JRさんと連携して出展し、ひがし北海道への誘客促進を目指します。
(来場者の反応は?)
旅行する季節によって質問は違いますね。例えば5月に来る方は、北海道だと桜が咲くのが5月だったりとか。冬は当然、雪に関する質問が多いですし。
我々の地名を知ってらっしゃる方も多く、これまでのプロモーションが少しずつ花開いてきているといった感触があります。
(今後のプロモーションは?)
JR北海道が持つFacebookがありますので、上手く活用して、今回連携した3市をはじめ地域の方々からも情報をいただいて発信していきたいと考えております。冬だけでなく、オールシーズン楽しんでいただけるよう、幅広い情報発信を進めます。
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