日本人だけでなく、インバウンドからも人気の桜。なかには桜の開花時期に合わせて訪日する外国人がいるほど、欠かせない観光資源のひとつになっています。
そこでこの記事では、ウェザーニュースが1月11日に発表した情報を元に2024年の桜の開花予想を紹介するとともに、インバウンドから桜が人気の理由や、桜の名所を紹介します。
各所に寄せられた口コミから、インバウンド対策のヒントもお届けします。
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1. 2024年の桜開花予想
ウェザーニュースが1月に発表した「第一回桜開花予想」によると、ソメイヨシノの開花スタートは福岡の3月16日で、17日に東京が続く見込みです。
開花時期は全国的に平年よりも早まる予想で、名古屋が3月19日、広島が3月20日、大阪が3月22日に咲きはじめる見通しです。4月に入ると東北にも桜前線が上陸し、仙台では1日、秋田では8日、青森では10日に開花が予想されています。
北海道の桜開花も平年と比べて非常に早く、4月17日に釧路、18日に札幌と続き、全国で最も開花が遅い釧路方面では5月上旬に咲きはじめるということです。
2. 桜がインバウンドに人気の理由
桜は日本の重要な観光資源のひとつで、日本の桜を楽しみに、桜の開花時期に合わせて訪日する外国人も多くいます。なぜ、インバウンドに桜が人気なのでしょうか。
2-1. インバウンドが「訪日旅行で体験したいこと」桜が2位
桜の開花を心待ちにするのは日本人だけではありません。公益財団法人 日本交通公社が海外旅行経験者7,414名を対象に実施した「訪日外国人旅行者の意向調査 2023年度版」によると、インバウンドが訪日旅行で体験したいことは「自然や風景の見物」に続いて、「桜の鑑賞」が2番目に多くの回答を得ています。
出典:公益財団法人日本交通公社ホームページ「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2023年度版」https://www.jtb.or.jp/research/asiaeuro-survey-2023/ 2024年1月22日確認
花見をメインの目的とした訪日パッケージツアーも多く販売されていて、なかには東北の桜の名所を1週間ほどかけて巡るツアーもあります。
桜を日本の象徴のひとつとして考える訪日客も多く、“日本らしさ”を体験できるとして人気を得ているようです。年に一度、しかも短い期間しか鑑賞できないなど、高い希少性もインバウンドから人気を得ている理由といえます。同じく人気な季節のコンテンツとして、紅葉や雪などがあります。
関連記事:インバウンドに紅葉が人気な理由とは?
日本独自の花見スタイルも人気の理由のひとつです。桜はアメリカやスウェーデン、オランダ、ドイツなどでも咲きますが、桜を見ながら外で宴会をするのは日本くらい。屋外での飲酒が禁止されている国も多く、日本の象徴である桜を見ながら屋外で飲酒できる点も需要増の要因といえます。
2-2. 桜が人気の国・地域
アウンコンサルティング社がコロナ禍前に実施した調査によると、桜の時期に最も訪日数が増える国は台湾で、次いでフィリピン、ベトナム、フランス、インドが続いています。
台湾は日本からの距離も近く、4月には日本のお盆に似た「清明節」という連休があります。東南アジアからの訪日外国人には冬季が人気の傾向にありますが、フィリピンやベトナムでは4月が訪日のハイシーズンとなり、桜の開花を狙って訪日している層が一定数いるようです。
また、欧米圏では4月に4日ほどの連休になる「イースター休暇」があり、この休暇に合わせて1〜2週間の長期休暇を取るケースが増えています。このタイミングで花見を楽しみに訪日している欧米人観光客も多いようです。
3. インバウンドに人気の桜の名所、昨年の様子を振り返り
日本には全国にさまざまな桜の名所があります。なかでもインバウンドが多く訪れるスポットを5箇所(上野公園・新宿御苑・兼六園・東寺・姫路城)ピックアップし、2023年の花見シーズンにおけるGoogleの口コミから、インバウンド客を呼び込むためのヒントを探っていきます。
関連記事:昨年の桜×インバウンド 振り返りレポート
3-1. 上野公園(東京)
桜の時期は多くの人で賑わいを見せる上野公園。日本人にとっても定番の花見スポットとして認識されています。
上野公園に寄せられた口コミは日本語が41.3%なのに対し、英語が32.4%で中国語(繁体)が12.2%でした。この結果から、アメリカと台湾、香港からのインバウンド客が多く訪れていることがうかがえます。
3-2. 新宿御苑(東京)
新宿御苑は都心に位置しながら、美しい自然に触れられる場所としてインバウンド客から高い人気を誇ります。桜の名所としても知られていて、春には多くのインバウンド客で賑わいます。
新宿御苑の特徴は、英語の口コミが多いこと。日本語の口コミが31%にとどまるなか、英語の口コミが39.4%にもおよびます。次いで中国語(繁体字/14%)、韓国語(6.4%)が続くことから、インバウンド対策として最低でもこの3言語の受け入れを整備するすることが求められます。
3-3. 兼六園(石川県)
日本三名園のひとつで、日本国内はもちろん世界中から多くの人が訪れる兼六園。春には広大な園内に多くの桜が咲き誇ります。
東京の名所と比べると日本語の口コミの割合が60.8%と高く、英語の口コミの割合が17%と低いのが特徴です。一方、中国語(繁体字)の口コミは11%に到達するなど、東京の名所と変わらない数字となりました。英語と中国語(繁体字)による環境整備が必須といえます。
3-4. 東寺(京都府)
京都が誇る世界遺産・東寺は桜のライトアップで幻想的な世界観が楽しめることから、桜の開花時期には多くのインバウンド客が訪れます。
日本語の口コミがおよそ7割で、英語(17.5%)、中国語(繁体字/6.1%)と続いています。日本には深夜まで楽しめる娯楽施設が少ないという声も一定数あり、夜間に楽しめる点をアピールすることでより多くの集客が見込めそうです。
3-5. 姫路城(兵庫県)
姫路城は春になるとソメイヨシノをはじめ約1,000本の桜で埋め尽くされます。その光景はまさに圧巻で、多くのインバウンド客が押し寄せます。
なかでも口コミが多いのは英語(29.4%)で、中国語(繁体字/8.2%)、韓国語(4.5%)が続きます。全体のおよそ10%を占めるその他の言語には、フランス語など欧州の言語の口コミが含まれていました。英語や中国語、韓国語だけでなく、さまざまな言語への対応が求められます。
4. まとめ
桜は日本の重要な観光資源のひとつで、インバウンドにも大変人気のコンテンツです。
こうした観光コンテンツへ外国人観光客を定期的に集客するためには、良い口コミを多く集めることが重要です。インバウンド対策に口コミが重要な理由については、「インバウンド対策に『口コミ』が重要なこれだけの理由」の記事で詳しく紹介しています。「どうインバウンド対策していいのか分からない…」という担当者は、まずはこちらの記事をご覧ください。
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<参照>
ウェザーニュース:桜開花予想NEWS
公益財団法人 日本交通公社:DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 2023年度版【PDF版(4.8MB)】
アウンコンサルティング株式会社:【2018年訪日外国人の年間動向と2019年の予測 vol.3】「さくら」がもたらす観光需要 さくらの季節に訪日が多い国は?
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