日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計によると、2023年の訪日韓国人客数は約696万人にのぼり、国・地域別の訪日外客数で第1位となりました。
また、年間の訪日韓国人消費額は、コロナ禍前の2019年と比較して約3,200億円増加するなど、韓国市場の重要性は高まっています。
本記事では、訪日客数や年間消費額などの最新データを踏まえ、2023年の韓国インバウンド市場を解説します。
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2023年の訪日韓国人客数は695万8,500人。2019年比125%
日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計によると、2023年に訪日した韓国人の数は695万8,500人。2019年と比較すると約137万4,000人増加し、コロナ禍前の700万人規模に迫る勢いで伸びています。
![▲訪日韓国人客数 10年間の推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成 ▲訪日韓国人客数 10年間の推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/15085/main_aef45d2427c5e500e32a2c41bf8ac28f.png?auto=format)
2019年の国別訪日外客数では、中国が最も多く全体の30.1%を占め、韓国は次いで17.5%でした。
一方、2023年の訪日外客数では韓国が中国を抜き、2位の台湾とも270万人以上の差をつけてトップに。中国市場の回復が遅れたこともあり、インバウンド業界における韓国市場の存在感が高まった一年となりました。
![▲国・地域別訪日外客数:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成 ▲国・地域別訪日外客数:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/14947/main_0451feabf5fd66266f6ed4ce7917a35d.png?auto=format)
年間推移を見てみると、特に下半期の客数が堅調に推移していることがわかります。毎年1月は訪日韓国人が多い傾向にあるため、2024年1月はさらに伸びる可能性があるでしょう。
![▲訪日韓国人客数の年間推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成 ▲訪日韓国人客数の年間推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/14948/main_d8ba43ffd2e29eb10f004fb1e7da5c7e.png?auto=format)
コロナ禍前からの訪日韓国人の動向としては、2019年7月以降、日韓関係の悪化により訪日旅行を控える動きがあり、訪日客数が大きく減少しました。
その後、2022年には比較的「親日」とも言われる尹大統領の就任もあって、日韓関係は改善。10月の水際対策緩和とともに、日本への観光客が戻り始めました。
円安や航空便の増便・復便等も追い風に、2023年には全体の27.8%を占めるまでに増加しています。
また韓国でも、2023年の外国人客のうち日本人が最も多かったとのことで、日韓で外国人客が双方1位になる結果となりました。ただし韓国を訪れた日本人は約232万人で、訪日韓国人客に比べて約3分の1と少ない状況です。
2023年の訪日韓国人消費額は7,444億円。台湾、中国に次いで第3位
観光庁が発表した訪日外国人動向調査によると、2023年の全体の訪日外国人旅行消費額は約5.3兆円と過去最高を記録。
インバウンド需要が高まる中、訪日韓国人の外国人旅行消費額は7,444億円で、台湾と中国に次いで3番目に多い金額となっています。
![▲国・地域別訪日外国人消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成 ▲国・地域別訪日外国人消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/14949/main_cc6865580b8cea0c9be697fc8b957889.png?auto=format)
コロナ禍前と比較すると、2019年の4,247億円から約3,200億円増加しています。
訪日韓国人1人当たりの旅行支出も10万7,047円と、2019年比で40.6%増加していることがわかりました。他の国でも同様に1人当たり旅行支出がコロナ禍前よりも増加する傾向にあり、航空券が未だ高いため比較的裕福な層が来ていることや、円安が消費を加速させていることなどが背景にあると考えられます。
![▲訪日韓国人消費額 10年間の推移:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成 ▲訪日韓国人消費額 10年間の推移:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/14950/main_1eaa0f13a5a4d4badb99a4211d95f93a.png?auto=format)
2023年年間の推移を見てみると、4〜6月期に一度減少したものの、10〜12月期にかけて再び増加していることがわかります。
なお2019年は、先述した通り日韓関係の悪化によって7月以降に訪日客が激減したことを受け、消費額も大きく減少しました。
![▲訪日韓国人消費額の年間推移:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成 ▲訪日韓国人消費額の年間推移:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/15223/main_8b7fda0d79186001bbd5350d79f103cf.png?auto=format)
消費額を費目別に見ると、消費額が高い順に宿泊費が2,448億円、飲食費が2,063億円、買い物代が1,858億円、交通費が654億円、娯楽等サービス費が415億円という結果でした。
2019年と比較して費目別の構成比はほぼ変わらず、宿泊と飲食により多くの予算を割く傾向にあるようです。
![▲費目別 訪日韓国人消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成 ▲費目別 訪日韓国人消費額:観光庁 訪日外国人消費動向調査より訪日ラボ作成](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/14951/main_7f36a9eefcf17b625446113a50121a47.png?auto=format)
1人当たりの旅行支出については先述の通り、韓国は平均10万7,047円で、2019年比で40.6%増加しています。ただし、訪日外国人全体平均の約21万円と比較すると約10万円低く、1人当たりの消費額は低い傾向にあります。
両国間の距離が近いことから、日本では「手軽な旅行」を楽しむ傾向があり、旅行期間が短くなりやすいためです。
以上、韓国の最新インバウンドデータを解説しました。訪日ラボでは、韓国のインバウンド動向や韓国人観光客の特徴などをまとめていますので、ぜひご覧ください。
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<参照>
日本政府観光局(JNTO):訪日外客統計
観光庁: 訪日外国人消費動向調査
visit korea datalab(韓国観光公社):방한여행 종합현황(訪韓旅行の総合状況)
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