1月17日、日本政府観光局（JNTO）は訪日外客統計（2023年12月および年間推計値）を発表しました。
統計によると、2023年の訪日外客数は2,500万人を突破。2019年比では78.6%にとどまったものの、 2023年12月の訪日外客数は273万4,000人と2019年同月比で108.2%となり、訪日需要は急速な回復を見せています。
同日には観光庁が訪日外国人消費動向調査を公表。2023年における訪日外国人の旅行消費額は5.3兆円と過去最高を記録し、訪日外国人の消費活動も活発になっていることがうかがえる結果となりました。
本記事では、ドイツ市場のインバウンド動向について、最新データを交えて解説します。
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2023年の訪日ドイツ人数は23万3,400人。コロナ禍前の水準までほぼ回復
日本政府観光局（JNTO）が発表した訪日外客統計によると、2023年の訪日ドイツ人数は23万3,400人でした。2019年の23万6,544人と比較するとわずか1.3％減で、ほか多くの国と同様、ドイツにおける訪日需要も新型コロナウイルス感染症拡大前の水準までほとんど回復したといえます。
2023年の年間推移を見ると、7月以降は2019年を上回る傾向にあったものの、11月以降は2019年を下回る結果となりました。
ドイツは例年12月が訪日閑散期で、2023年はとくにロシアによるウクライナ侵攻によって日本〜ヨーロッパの直行便がロシア上空を迂回しなければならなくなったことが大きく影響していると考えられます。移動の長時間化や航空券の高騰などが日本への渡航のハードルになっている可能性があります。
ただ、直行便の復便や増便、経由便航空商品の多様化などが積極的に進められており、ドイツ市場における訪日需要は今後さらに高まることが期待されます。
2023年の訪日ドイツ人消費額は698億円で、2019年比150％。ヨーロッパで3番目の消費額
観光庁より公表された訪日外国人消費動向調査によると、2023年における訪日ドイツ人の消費額は698億円でした。訪日外国人全体における旅行消費額である5兆2,923億円の1.3%を占めており、ヨーロッパではイギリス（1,061億円）、フランス（897億円）に次いで3番目に高い結果となりました。
年間推移ではいずれの時期も2019年より積極的な消費があったことがわかります。
2023年における訪日ドイツ人の消費額は、過去10年で最高水準を記録しました。2019年比では150％で、前年比では612％もの成長を見せています。
消費額を費目別に見ると、宿泊費が318億円と最も多く、次いで飲食費が162億円、交通費が106億円、買物代が87億円、娯楽等サービス費が25億円でした。各項目の割合は2019年から大きな変化はありません。
宿泊費が最も多くの割合を占めるのは、日本から距離があり長期滞在の旅行者が多いことから欧米豪で同様の傾向が見られます。
2023年の訪日ドイツ人の一人あたりの旅行支出は30万3,971円でした。2019年比で50.9%増となっており、日本旅行の予算が大幅に上がったことがわかります。
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＜参照＞
JNTO：訪日外客数（2023年12月および年間推計値）
観光庁：訪日外国人消費動向調査
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