観光庁は、能登半島地震の被災地域において、観光需要の喚起を図る「北陸応援割」について概要を公表しました。
1泊以上の旅行商品を対象に1人あたり最大で50%の料金を支援する制度で、訪日旅行者も対象としています。ただし、ビジネス利用は対象外です。
石川、富山、新潟、福井の4県で、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業する3月16日からキャンペーンが実施される予定です。
本記事では、2月28日に石川県から発表された最新情報も含めて詳細を解説します。
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
「北陸応援割」とは?観光庁が概要公表
観光庁は2月13日に「北陸応援割」の概要を公表し、22日には富山、新潟、福井の3県が詳細情報を更新しました。
石川は災害対策を優先することを目的に開始時期を揃えない方向性でしたが、2月28日に詳細情報を更新し、他3県と同様に3月16日から開始するということです。
1泊以上の旅行・宿泊料金を割引支援、訪日旅行者も対象
令和6年能登半島地震により、通常どおりの営業が可能な地域でも予約のキャンセルが相次ぐなど観光需要の落ち込みが見られています。
北陸応援割は、災害起因のキャンセルが発生している北陸地域において、1泊以上の旅行、宿泊料金の割引を支援することで、GW前までを念頭に観光需要の喚起を図るものです。
国内旅行者だけでなく訪日旅行者も対象としている一方、ビジネス利用は対象外です。
補助率は最大50%、補助上限は3.5万円
北陸応援割の対象となるのは、被災地域における1泊以上の旅行、宿泊商品です。補助率と限度額は以下の通りで、補助上限は旅行形態によって異なります。
- 補助率:旅行、宿泊料金の最大50%/人
- 限度額
- 宿泊単体商品・交通付宿泊旅行商品1泊:2万円
- 交通付宿泊旅行商品(2泊以上): 3万円
- 周遊型旅行商品(宿泊地が2県以上):3万5,000円
とくに被害の大きい能登地域については、復興状況をみながら、より手厚い旅行需要喚起策も検討するということです。
観光庁は北陸4県に補助金交付、各県が事業者へ割引支援
北陸応援割の事業スキームは、まず観光庁が北陸4県に補助金を交付します。その補助金をもとに、各県は旅行業者やOTA(宿泊予約サイトを運営する旅行業者)、宿泊事業者に対し、割引価格の差額を支援します。
これにより各業者は旅行者に対し、割引価格での販売ができるようになります。
対象4県の実施予定は?
北陸応援割の対象となる4県の実施状況について、2月28日時点で分かっている情報を整理します。
石川・富山・新潟・福井の4県で揃って3月16日から開始
石川、富山、新潟、福井の4県は公式ウェブサイト上で、実施時期などの詳細を公表しました。
各県の北陸応援割は、それぞれ「いしかわ応援旅行割(第一弾)」「とやま応援キャンペーン」「にいがた応援旅割キャンペーン」「ふくいdeお得キャンペーン」と銘打たれ、特設ウェブサイト上で最新情報が更新されています。実施期間は4県とも共通して以下の通りです。
- 実施期間:2024年3月16日から4月26日宿泊分まで ※予算額に達し次第終了
予約開始日については石川だけ3月12日で、他3県では8日となっています。
- 石川:2024年3月12日 ※予約開始日以降に申し込みを行った旅行・宿泊が対象
- 富山・新潟・福井:2024年3月8日 ※予約開始日以降に申し込みを行った旅行・宿泊が対象
キャンペーンの開始日となる3月16日には、北陸新幹線の金沢~敦賀間が開業します。キャンペーンはGW前の4月26日宿泊分までの予定ですが、予算がなくなり次第終了となります。
キャンペーンに参画している県内の宿泊施設、または旅行会社などから予約でき、予約開始日より前に予約した宿泊、旅行商品や、ビジネス目的での宿泊は対象となりません。
準備が整った宿泊施設、旅行会社から順次取り扱いが開始されます。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
<参照>
観光庁:北陸応援割について
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!