日本産食材の輸出拡大へ繋げる、訪日外国人向けの食体験事例を表彰 農水省「食かけるプライズ2023」表彰式【イベントレポート】

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2024年2月16日、農林水産省は「食かけるプライズ2023 表彰式・交流会」を東京ビッグサイトで開催しました。

食かけるプライズ」とは、訪日中に食に関わる体験をした外国人が帰国後も日本の食を再体験できるような環境整備を図り、日本産農林水産物・食品の輸出拡大につなげていく「食かけるプロジェクト」の一環で、日本各地の食とアート・歴史・自然等の異分野を掛け合わせた魅力的な体験事例を表彰する取り組みです。

本記事では、「食かけるプライズ2023 表彰式・交流会」の様子と共に、各賞に輝いた受賞団体やその取り組みをご紹介します。

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「食かけるプライズ2023」、全10事例の団体を表彰

食かけるプロジェクト」を推進する農林水産省は、2023年5月から7月にかけて、日本各地の食・食文化を深く知ることができる食体験事例を募集。応募のあった108件の中から、販売実績の有無や審査基準をもとに、本プロジェクト事務局等による1次審査、審査委員による2次審査を経て、10件の体験が「食かけるプライズ2023」の表彰事例として選ばれました。

「食かけるプライズ 2023」表彰事例の担当者と審査委員
▲「食かけるプライズ 2023」表彰事例の担当者と審査委員:訪日ラボ撮影

「食かけるプライズ 2023」選考基準

食かけるプライズ2023」の審査基準は以下の通りでした。

  • 「食×〇〇」と説明できるような食と何かが絡んだ体験であるか
  • 訪日観光客にとって魅力的な体験事例か
  • 日本の食の魅力が十分に伝わる取組であるか
  • 体験事例を通じて地域産品の消費(輸出)につながる取組であるか
  • 輸出につながる食品・食材を利用した取組であるか
  • ターゲット国を明確にしているか
  • 持続的な訪問実績が見込める取組であるか

外国人の訪日意欲をかき立てるような食と異分野を掛け合わせた体験であることが選考のポイントになっています。

「食かけるプライズ 2023」受賞者

今回の受賞者一覧は、以下の通りです。食かける大賞1件、食かける賞7件、ネクストブレイク賞2件が選定されました。

【食かける大賞】

体験場所

表彰事例

団体名・企業名

長野県

果樹園の中の野外レストラン体験

一般社団法人南信州まつかわ観光まちづくりセンター

【食かける賞】

体験場所

表彰事例

団体名・企業名

青森県

美味しい林檎ナイトツアー

梵珠のもつけんど

千葉県

伝統を味わう! 歴史と食の酪農体験

株式会社須藤牧場

山梨県

山梨郷土料理粉から作るほうとう手打ち体験

株式会社クリエイティブリゾ ート

静岡県

南アルプスの自然が育んだ天然肉狩猟ツアー

大井川農泊推進協議会

愛知県

『音と発酵』がテーマの"食×アート”体験

音と発酵プロジェクト(株式会社カクマルサ)

京都府

伏見の清酒と京都の食文化を体感する旅

伏見酒造組合&京阪ホールデ ィングス株式会社

鹿児島県

Okra Beauty Project

NPO 法人指宿観光&体験の会

【ネクストブレイク賞】※応募時点で商品化されていない体験事例を対象とした賞

体験場所

表彰事例

団体名・企業名

北海道

日本最北のジン専門蒸溜所での体験

Son&Heir 株式会社 (鷹栖蒸溜所)

兵庫県

丹波おはぎを盛り付け日本の食文化を味わう

株式会社やながわ

「食かけるプライズ 2023」副賞

今回受賞した食体験には、以下の支援が行われました。

  • PR動画の制作(1分程度)
  • 訪日外国人向け旅行商品販売サイト等における情報発信
  • 体験コンテンツを商品化するための専門家等の派遣
  • 体験商品・コンテンツに関する農林水産物・食品の輸出商品化に向けた磨き上げ、販路開拓支援及び越境ECへの掲載支援
  • 食体験の先進事例発表会での紹介

※受賞した賞の種類及び体験内容によっては該当しないものもあります。

表彰された10の食体験は、これらの支援が後押しとなり、今回の受賞によって海外からの注目度や話題性のさらなる向上が期待できます。

受賞団体・企業によるプレゼンテーション

表彰式では、受賞団体・企業によるプレゼンテーションや、審査委員とのクロストークも実施されました。その内容の一部をご紹介します。

食かける大賞/果樹園の中の野外レストラン体験(一般社団法人南信州まつかわ観光まちづくりセンター)

「果樹園の中の野外レストラン体験」担当者(右)。審査委員の株式会社未来づくりカンパニー 代表取締役 大羽 昭仁氏(左)とのクロストークの様子
▲「果樹園の中の野外レストラン体験」担当者(右)。審査委員の株式会社未来づくりカンパニー 代表取締役 大羽 昭仁氏(左)とのクロストークの様子:訪日ラボ撮影

今回の食かける大賞には、一般社団法人南信州まつかわ観光まちづくりセンターによる「果樹園の中の野外レストラン体験」が選ばれました。

表彰式に参加した企画担当者はイタリアから招へいされたそうで、初めて松川町に降り立ったとき、その大自然の素晴らしさに感動したのだとか。

「果樹園の中の野外レストラン体験」担当者のスピーチ
▲「果樹園の中の野外レストラン体験」担当者のスピーチ:訪日ラボ撮影

同団体では、リンゴやサクランボなど多様な果物が栽培される長野県下伊那郡松川町の特徴を生かし、10ヶ所の果樹園を会場として野外レストランを企画。ランチ・ディナーともに町内や伊那谷産の肉や野菜、果物を使ったコース料理を提供するほか、食事の前には農園主による果樹園の歴史や果物栽培に関する説明を聞くことができるという内容になっています。

実際に2022年秋の開始以来多くの方がこの体験に参加していることもあり、訪日外国人が日本の食文化に触れられる体験の場として高い評価を得たということです。

審査委員の株式会社未来づくりカンパニー 代表取締役 大羽 昭仁氏も実際に現地を訪れたとして、周辺の自然環境や、食体験の魅力・独自性を絶賛しました。

食かける賞/美味しい林檎ナイトツアー(梵珠のもつけんど)

「美味しい林檎ナイトツアー」担当者によるプレゼンテーションの様子
▲「美味しい林檎ナイトツアー」担当者によるプレゼンテーションの様子:訪日ラボ撮影

今回、7件の食体験が食かける賞を受賞しました。

その一つが、青森県五所川原市の若手農家6人で結成された「梵珠のもつけんど」によるリンゴ園ツアーです。このツアーでは、同市の梵珠山麓にあるリンゴ園をライトアップし、参加者には地元産のシードルとともに地元の食材をバーベキューで楽しんでもらうほか、最後には近くの木から直接リンゴをもいでデザートやお土産にしてもらっています。

より印象的だったのは、リンゴ園をライトアップすることにより、リンゴがまるで宙に浮いているような幻想的な空間が生まれる点。桜などと比較するとリンゴは収穫の期間が続く特性があり、園内を長期間ライトアップできるため、収益性の観点でも優れた内容となっていました。

食かける賞/『音と発酵』がテーマの"食×アート”体験(音と発酵プロジェクト(株式会社カクマルサ))

「音と発酵プロジェクト」担当者によるプレゼンテーションの様子
▲「音と発酵プロジェクト」担当者によるプレゼンテーションの様子:訪日ラボ撮影

同じく食かける賞に選ばれた「『音と発酵』がテーマの"食×アート”体験」は、愛知県の老舗味噌蔵にて「音×発酵」が楽しめる食体験です。

創業1874年の七宝みそ・しょうゆ蔵元である佐藤醸造が「日本と世界の伝統を融合し、新しい価値を生み出す商品づくり」をコンセプトとして立ち上げたブランドKAKUMARUSAと、国際的に高い評価を受ける音楽家/アートディレクター小野寺唯氏を中心に展開するプロジェクトの一環で、木桶が並ぶ味噌蔵で音と香りを感じながら、音楽を聴かせて熟成を促した味噌と通常の熟成による味噌の食べ比べ等ができる内容となっています。

これまでの先行事例にみられる“音→発酵”というアプローチだけでなく、“発酵→音”という味覚と聴覚が相互に干渉し合う在り方によって感性開発に繋げるという先鋭的な観点が注目されました。

ネクストブレイク賞/日本最北のジン専門蒸溜所での体験(Son&Heir 株式会社(鷹栖蒸溜所))

「日本最北のジン専門蒸溜所での体験」担当者によるプレゼンテーション
▲「日本最北のジン専門蒸溜所での体験」担当者によるプレゼンテーションの様子:訪日ラボ撮影

2件の食体験が選ばれたネクストブレイク賞は、いずれも参加者自身が「作る」という体験ができるものでした。

「日本最北のジン専門蒸溜所での体験」では、日本最北のジン専門蒸溜所である鷹栖蒸溜所にて、北海道の美しい景色と北海道産原材料を使用したジンをベースとしたカクテルが楽しめるほか、参加者自身でオリジナルのジン作りが体験できる企画となっています。

ジンは、原材料のアルコールにジュニパーベリーと呼ばれる針葉樹の実をはじめ、スパイス、ハーブ、フルーツなどの植物をつけ込んで香りをつけ、蒸留して作るお酒。ジュニパーベリーさえ入れれば様々な植物を原料として用いることができるという自由度の高さに着目し、地元独自の素材が楽しめる食体験に昇華させた点が面白い企画となっていました。

ーーー

以上、「食かけるプライズ2023 表彰式・交流会」のレポートをお届けしました。

インバウンドがコロナ禍前の水準まで急速に回復した2023年。訪日外国人が思い浮かべるような「日本の食」以外のアイデアや取り組みも非常に多く、食を通じた訪日旅行の楽しみ方がますます多様化している様子がうかがえました。

今後、過去最高水準のインバウンドが予想される中、日本産食材の輸出拡大へ繋げていくためにも、訪日旅行に伴う食体験の魅力をさらに向上させることが期待されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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