訪日旅行における1人当たり旅行支出が高い欧米豪市場(※)。「量から質への転換」を目指す観光業において、重要な顧客層となっています。
アメリカのニューヨーク・タイムズは「2024年に行くべき52か所」に山口市を選出しており、現地メディアから日本の地方の観光地に注目が集まる様子もうかがえます。
そんな欧米豪市場の特徴や、今気になる話題について、英語圏向けの訪日メディア「ジャパンガイド」を運営するエクスポート・ジャパン インバウンドマーケティング事業部長 高倉氏に聞きました。
※欧米豪市場…ヨーロッパ・アメリカ・オーストラリア市場の総称。多くが英語で対応できること、日本から遠いため泊数が多く1人当たり旅行支出が高いことなど、共通した特徴を持つため、インバウンドの話題においてはまとめてこう呼ばれることが多い。
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「新たにアンケート調査を実施中」注目の欧米豪市場、その市況感は
欧米豪市場の市況感について、高倉氏はどう見ているのでしょうか。
高倉氏「JNTOの訪日外客統計などでも回復が見られますが、弊社メディア(japan-guide.com)でも、まず全体のアクセス数としては、ほぼコロナ前の水準に戻った状況です。国別にみると、アメリカ、シンガポールからのアクセスは特に早いタイミングで回復しています。
ただし、これまでアクセスの戻りが緩やかだったオーストラリア、イギリス、その他の欧州諸国(スペイン、フランス、ドイツ等)からのアクセスも直近増加している状況です。
市場の特性については、現在新たにアンケート調査を実施しているところです。たとえば「訪日目的」という設問では、「日本の伝統文化」等に関心を抱くユーザーの割合が高くなり、一方で、「ショッピング」を選択するユーザーの割合が低くなるのではないかと見込んでいます。
他に航空券、ホテル、アクティビティの予約については、欧米豪圏の場合、よりリードタイムが長くなる傾向にありますね。さらに、"個別の購入・予約のタイミング"など、これまで調査したことがなかった設問も盛り込んでおりますので、私たちとしても結果を見るのを楽しみにしています」
欧米メディア、日本の地方観光に熱視線!
ニューヨーク・タイムズの「2024年に行くべき52か所」に日本から山口市が選出。2023年は岩手県の盛岡が選出され、外国人観光客が殺到したとの報道もありました。今後も、日本の地方は注目され続けるのでしょうか。
高倉氏「間違いなく、今後も日本の地方が注目され続けることになると思います。先日実施した調査ではまだゴールデンルートへの注目度が高い状況ではあったものの、比較的マイナーな地域ページにおいてもPV数の大幅な増加が見られています。
今は団体旅行が減り、さまざまなタイプの旅行者がいますし、特定の旅行に特化したチャネルも増えていますから、盛岡・山口に限らず、欧米豪からの旅行者は徐々に全国各地へ足を延ばすことになるでしょう。また、ニューヨークタイムズのような記事も含め、地方に足を運んでもらおうとする観光業界の努力も、少しずつ良い影響を及ぼすのではないかと思います。
ジャパンガイドとしても、あまり知られていない場所にフォーカスした情報発信の努力は今後も継続していくべきだと感じているところです。こうした取り組みは、オーバーツーリズムの予防策にもなります」
関連記事:NYタイムズが選ぶ「2024年に行くべき観光地」日本から山口市が選出
24日に「欧米豪市場の基礎」がわかるセミナー開催!見どころは?
エクスポート・ジャパン(ジャパンガイド運営)、ジーリーメディアグループ(ラーチーゴー運営)、mov(訪日ラボ運営)の3社は4月24日、「基礎から始めるインバウンド対策」と題したセミナーを共催で開催します。その見どころは。
高倉氏「今回のセミナーのために、新たに欧米豪市場に関するアンケートを実施しました。初めて公開する内容ですので、ぜひ見ていただきたいですね。ラーチーゴーさんが集めた台湾市場の情報と合わせて、各市場の共通点や違いなどをお伝えしていこうと思っています。
他にも市場の基礎的な知識や、ジャパンガイドのアクセス状況からわかる市況感までしっかりと解説していきます。ご興味のある方はぜひ参加していただければ幸いです!」
→ セミナーについて詳しく見てみる:4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜
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