訪日中国人数は月間66.1万人 コロナ前比32.3%減にとどまるも、消費額は95%まで回復:中国市場の最新インバウンドデータを徹底解説【2024年上半期】

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日本政府観光局JNTO)が7月19日に発表した訪日外客統計によると、2024年6月の訪日中国人数は66万900人でした。

同日、観光庁インバウンド消費動向調査の結果を公表。2024年4-6月期の訪日中国人旅行消費額は4,420億円となっています。

本記事では、中国市場のインバウンド動向について解説します。

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訪日中国人客数最新データ:月間66.1万人

日本政府観光局JNTO)が発表している訪日外客統計によると、2024年6月の訪日中国人数は66万900人で、2019年同月比32.3%減と、コロナ禍前の水準には未だ届いていません。

他の市場でインバウンドの回復が始まった2022年10月以降、中国政府による「ゼロコロナ」政策の余波や、日本政府による水際対策の再強化などが重なり、中国人客数の戻りは大きく遅れていました。さらに少しずつ回復してきたかと思われた2023年8月には、ALPS処理水放出への中国側の反発(「処理水問題」)があり、引き続き低迷する要因となりました。

訪日中国人客数 2019年と2024年の比較 日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計
▲訪日中国人客数 2019年と2024年の比較:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成

ただし、2024年に入ってから中国からの訪日客数は急回復しています。例年人気となる桜シーズンや、清明節、労働節といった連休をきっかけに、日本に来る人が増えているようです。

関連記事:中国からの訪日客数が急回復、その要因は?

これまでの年間推移と、2024年上半期を比較してみましょう。2024年上半期は306万8,000人で、2019年比67.7%にとどまっています。ただし、訪日中国人は例年7〜8月にピークを迎えており、さらに10月には国慶節の大型連休も控えていることから、下半期に数値を伸ばす可能性が高いといえます。

なお、現在の需要低迷は主に航空便の少なさと、それに伴う航空チケット代の高止まりが大きな要因となっているため、今後は航空各社がどう動くかで訪日需要の推移は変わってきます。

訪日中国人客数の推移 日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計
▲訪日中国人客数の推移:日本政府観光局(JNTO)訪日外客統計より訪日ラボ作成

訪日中国人消費額最新データ:4-6月期4,420億円

続いて、観光庁が発表しているインバウンド消費動向調査です。2024年4-6月の訪日中国人旅行消費額は4,420億円(2019年同期比95%)と、コロナ禍前の水準にあと一歩というところまで来ています。

訪日客数に比べて消費額の回復が早くなっていますが、これは次で解説するように消費単価が増加しているためです。

国別ではすでに中国が1位となっており、今後訪日客数が回復してくれば、インバウンド市場全体における中国の存在感はさらに大きくなるでしょう。

関連記事:4〜6月の訪日消費額、国・地域別では中国が1位

訪日中国人旅行消費額 2019年と2024年の比較 観光庁 インバウンド消費動向調査
▲訪日中国人旅行消費額 2019年と2024年の比較:観光庁 インバウンド消費動向調査より訪日ラボ作成


1人あたり消費額は28万6,244円

1人あたり消費額を見てみましょう。2024年4-6月の訪日中国人の1人あたり消費額は、28万6,244円でした。全市場の1人あたり平均消費額と比較すると4万7,522円多くなっています。

1人あたり消費額の構成をみると、最も大きな割合を占めたのは買物代で13万8,943円。次いで宿泊費が6万6,945円、飲食費が5万701円、交通費が2万691円、娯楽等サービス費が8,963円でした。2019年同期と比較して5つの費目全てが増加し、その中でも宿泊費、買物代、飲食費はそれぞれ1万円を超える増加となっています。

中国市場においては「爆買い」の終焉が指摘されて久しく、たとえば転売目的で大量の家電を持ち帰る、といった消費行動は確かに少なくなってきました。一方で1人あたり消費額を見ると、買物代が減少しているといった傾向は見られません。

これについては、円安を背景に日本でハイブランドを買い求める人が増えていることなどがわかっています。「モノ消費」の需要は、形を変えながらも存在し続けていると言えそうです。

訪日中国人の1人あたり消費額 観光庁 インバウンド消費動向調査
▲訪日中国人の1人あたり消費額:観光庁 インバウンド消費動向調査より訪日ラボ作成

以上、中国の最新インバウンドデータを解説しました。訪日ラボでは、中国インバウンド動向や中国人観光客の特徴などをまとめていますので、ぜひご覧ください。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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