国連世界観光機関(UNツーリズム)は9月25日、最新の世界観光指標(2024年9月号)を発表しました。
今回の発表によると、2024年1〜7月の国際観光客数は、コロナ前の水準の96%まで回復したといいます。
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国連世界観光機関、最新の世界観光指標を発表
UNツーリズムの世界観光指標「バロメーター」は、最新の世界の観光動向を示す統計指標で、年4回をめどに公表されています。9月25日に、最新の世界観光指標(2024年9月号)が発表されました。
7月までの国際観光客数、コロナ前の96%まで回復
最新の世界観光指標によれば、2024年1月から7月の国際観光客到着数は、ヨーロッパの強い需要やアジアの市場再開によってけん引され、コロナ前の水準の96%まで回復しました。2024年の7か月間の国際観光客到着数は約7億9,000万人にのぼり、前年同期比で11%の増加を記録しています。
UNツーリズムのズラブ・ポロリカシュヴィリ事務局長は、「国際観光は、観光セクター史上最大の危機から完全な回復を遂げようとしている」と述べました。
航空路線拡大とビザ簡素化が、回復に貢献
国際観光の回復は、航空路線の拡大とビザの簡素化によって支えられ、全地域で強い回復がみられています。
特に中東は、相対的に最も高い成長を維持しており、2024年の最初の7か月間の国際観光客到着数は2019年の水準を26%上回りました。なかでもカタールは到着数が2倍以上(2019年比147%増)となっています。
またアフリカは2019年同期比で7%増加し、ヨーロッパと米州はそれぞれ99%、97%まで回復しました。アジアは82%まで回復し、6月に85%、7月には86%まで到達しています。
国際観光収入・国際観光支出も回復傾向
今回の発表によると、入手可能なデータの63か国のうち、47か国の国際観光収入が2024年上半期でコロナ前の数値まで回復し、その多くが2019年比で2桁の大きな伸びを記録したといいます。
特にアルバニア(2019年同期比128%増)やセルビア(同126%増)が、6月または7月までの観光収入が2倍になった国として紹介されています。また第1四半期の注目すべき点として、2019年と比べて著しい成長を遂げたサウジアラビア(2019年同期比207%増)とエルサルバドル(同168%増)が挙げられています。
国際観光支出については、2024年7月までの強いアウトバウンド需要が表れているといいます。特にドイツ(2019年同期比38%増)や米国(同32%増)などが堅調な結果となりました。
また限定的なデータではあるものの、第1四半期におけるインドのアウトバウンド消費は2019年同期比で86%増加し、著しく成長したといいます。
課題は残るものの、2024年は明るい見通し
UNツーリズムによると、2024年9〜12月の信頼指数*の見通しは120ポイントとなり、5〜8月の130ポイント(スコア:0~200点、100は期待される実績と同等)を下回る一方で、2024年終盤にかけての見通しは明るいといいます。
また専門家の指摘によると、観光セクターが現在直面している課題として、世界的な運送費や宿泊費の高騰などの旅行・観光におけるインフレや、世界的な経済状況、人材不足、異常気象が挙げられています。
*信頼指数…専門家委員会が作成する指標で、世界観光の信頼度を示す
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UNWTO:国際観光客到着数は2024年7月までに新型コロナウイルス前の水準の96%まで到達した
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