2024年1月〜11月の訪日外国人客数が3,337万9,900人となり、累計で過去最高を更新しました。ますますインバウンド市場が盛り上がる中、インバウンドの消費額も増加しています。
では、国別にインバウンドの消費単価を見てみると、どの国の人が、どのくらいのお金を使っているのでしょうか？
このシリーズでは、観光庁による2024年7-9月期 インバウンド消費動向調査のデータをもとに、費目別の消費単価をグラフを用いながらわかりやすく解説。「"1日"当たりの消費単価」についてもご紹介します。今回は「飲食編」です。
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【飲食単価】欧米市場が高い傾向に
まずは訪日旅行1回当たりの飲食費の消費単価です。（「"1日"当たりの消費単価」は、後ほどご紹介します）
飲食費の消費単価が最も高額な国は、イタリア（10万1,587円）でした。続いて、ドイツ（8万1,692円）、オーストラリア（8万1,044円）となりました。最も低いのは、韓国（3万690円）でした。
2019年同期の飲食単価が最も高いのは、ドイツ（6万5,641円）でした。次いで、イギリス（6万3,547円）、オーストラリア（6万851円）となっています。最も低いのは、韓国（1万8,869円）でした。
コロナ前と比較すると、飲食単価が全体的に増加していることがわかります。たとえば訪日ドイツ人客の飲食単価は、2019年が6万5,641円、2024年は8万1,692円となり、約1.2倍増加しています。
【平均泊数】 欧米圏では10日以上
次に、各市場の平均泊数を見ていきます。
最も平均泊数が長いのは、ドイツ（16. 3日）でした。次いで、フランス（14.4日）、スペイン（12.9日）となっています。最も短いのは、韓国（3.7日）でした。欧米圏からの訪日客は滞在日数が長く、比較的訪日しやすいアジアの人は短いことがわかるかと思います。
【1日当たりの飲食費】TOP3はシンガポール・韓国・香港
では、「"1日"当たりの飲食単価」のグラフを見てみましょう。「訪日旅行1回当たりの消費単価÷平均泊数」から算出しています。
1日当たりの飲食単価は、シンガポール（8,983円）が最も高くなっています。次いで、韓国（8,295円）、香港（8,161円）となりました。
旅行全体での飲食単価とは異なり、シンガポール、韓国、香港といったアジア市場が上位にきています。2024年の飲食単価が最も高いドイツは、16番目という結果でした。
このことから、消費額が多いとされる欧米圏の訪日客より、アジアからの訪日客の方が、飲食費にお金をかけていることがわかります。
では、コロナ禍前と比較してみましょう。2019年同期の1日当たりの飲食単価は、香港（6,206円）が最も高額となり、次いで中国（5,931円）、韓国（5,550円）となっており、かなり順位が変動していることがわかります。
2024年は、全体的に飲食費が増加していることがわかります。特に訪日タイ人の飲食費が増加しているのも特徴的です。
まとめ：データをもとにした戦略的なインバウンド対策を
今回の分析では、訪日全体での飲食単価は欧米圏が多い一方、1日当たりにすると香港や韓国、シンガポールなどのアジア圏が多いという結果になりました。ここから考えると、飲食店ではアジア圏の訪日客をターゲットにした方が、より1日当たりの消費を伸ばせるという仮説が立てられます。
また、2024年と2019年のデータを比較してみると、かなりの順位変動があることがわかりました。戦略を立てる際には最新のデータを参照し、現在のトレンドを反映した施策を行うことが重要であることが改めてわかります。
そして、ターゲット選定の際には1つのデータを見るのではなく、さまざまなデータを多角的な視点から見ていくことが重要です。訪日ラボではさまざまなデータをわかりやすくまとめておりますので、ぜひインバウンド対策にご活用ください。
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＜参照＞
観光庁：インバウンド消費動向調査
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