マレーシアの人気ドラマ、舞台は「佐賀」 ロケ誘致で地域を盛り上げるフィルムコミッションの挑戦

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映画やドラマ、アニメなどのロケ地を訪ね、作品の世界に浸る観光スタイルを「ロケツーリズム」と呼びます。「聖地巡礼」という呼び方で、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

観光スポットを訪れる一般的な旅行と異なり、作品に登場する“普通の街の風景”に観光客が集まることもあり、地方誘客の促進策としても期待が高まっています。

そしてロケーション撮影の支援活動の中心となるのが、日本各地のフィルムコミッションです。

なかでも佐賀県フィルムコミッション(以下、佐賀県FC)では、東南アジアの作品を積極的に誘致。支援活動と観光を連携させることで、大きな成果を上げています。

自治体主導のロケツーリズム促進は難しいとされるなかで、佐賀県はいかにして取り組みを成功させたのでしょうか。

訪日ラボは、佐賀県庁でフィルムコミッションを担当する楢崎氏にお話を聞きました。

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▲佐賀県庁でフィルムコミッションを担当する楢崎氏:佐賀県FC提供

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「物語のワンシーンに出てくる佐賀県」を売り込む

—— まずは、佐賀県FCについて教えていただけますか。

そもそもフィルムコミッションとは、映画やドラマなど、映像作品のロケーション撮影を円滑に行うための支援を行う非営利団体です。制作チームを誘致するプロモーション活動から、実際のロケーション支援や、支援した作品を活用した地域活性化のための活動まで、一貫して行っています。

佐賀県FCは2005年に設立されました。これまで支援した代表的な作品は、2006年の「佐賀のがばいばあちゃん」や、2010年の「悪人」などです。

これらの作品は佐賀が舞台のため誘致が成立しましたが、そのほかの国内の作品では、東京にいる制作チームを佐賀まで呼ぶのはなかなか難しいと感じていました。そこで2013年からは、海外作品の誘致も積極的に行っています。

—— フィルムコミッションの目的や役割はどういったものなのでしょうか。

一番の目的は地域活性化です。佐賀県FCでは、映像作品を通じて佐賀を広く知ってもらうこと、そして佐賀県民の誇りを醸成することが重要な役割となっています。

物語のワンシーンとして出てくる佐賀県は、地元の人にとっても、地域外の人にとっても、より魅力的に映ると思っています。プロが撮影した映像をうまく活用して、佐賀県の魅力を発信していきたいですね。

—— 全国各地のフィルムコミッションと比べた、佐賀県FCの特徴について教えてください。

私たちは、隣県の福岡空港直行便がある東南アジアへのアプローチに力を入れています。

2013年からタイ作品の誘致を進め、映画がヒットした影響で、佐賀県におけるタイ人観光客は6年間で30倍近くになりました。その時の成功体験を活かして、現在はマレーシアなどの市場を開拓をしています。

また、運営体制にも大きな特徴があります。

佐賀県FCは、佐賀県庁広報広聴課の一部署で、非常勤の職員を含めて4名の専任職員がいます。県直轄かつ、専任職員を何人も配置しているのは大きな特徴だと思います。

—— 全国のフィルムコミッションでは、他業務と兼任している人も多く、専任職員数が平均0.8人(2017年時点)と言われています。佐賀県では、ロケ支援に専念できる環境が整っているんですね。

そうですね。他地域のフィルムコミッションでは、観光連盟などに所属していることが多く、観光業務に携わりながら誘致活動や撮影のサポートをしている場合がほとんどです。県の広報に属する私たちの運営体制は、全国的に珍しいといえます。

業務に専念できることで、撮影中は朝から晩までサポートできます。「佐賀県は撮影がしやすい」と思ってもらえれば、リピートにもつながる。そうした好循環が生まれるのは専任職員がいることの大きなメリットだと思います。

あとは、県庁の直轄であるからこそ、道路使用の認可など、撮影地の交渉がスムーズに進んでいる側面はあると思いますね。

関連記事:74%の自治体が「インバウンド施策を実施」、現場の職員が感じる課題とは?

佐賀県フィルムコミッション マレーシア タイ ロケ誘致 ロケツーリズム

▲波戸岬(はどみさき)でのロケの様子:佐賀県FC提供

可能性を感じたタイでロケ誘致が成功

—— 佐賀県FCが、最初に東南アジア、特にタイをターゲットにした理由を教えてください。

2013年7月にタイ人の訪日観光ビザが免除され、ビザなしで2週間の滞在が可能になったことで検討を始めました。

タイは親日国ですし、隣接する福岡と直行便があるため、アクセス面も問題なし。また、韓国中国などと比べると、ライバルが少ない市場です。

この続きから読める内容

  • 「第二のタイ」を作るべくマレーシアへ
  • 異動があるからこそ、担当者の力量に頼らない
  • 労力は3倍、それでも寄り添うことで信頼が生まれる 
  • 日本の何でもない風景が海外に刺さる
  • 必ずしも聖地巡礼がゴールではない
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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