※本記事は、2021年9月10日に掲載した記事を一部修正の上、再掲しています。
Googleビジネスプロフィールのメリット・デメリットについて、Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパートの永山卓也氏に解説してもらう連載企画。全3回でお送りします。
今回は、「そもそもGoogleビジネスプロフィールとはなんなのか」というところと、「一般の店舗オーナーにとってのGoogleビジネスプロフィールのメリット、デメリット」に関する内容をお届けします。
とくに「Googleビジネスプロフィールに登録はしたけど運用について迷っている」「メリット・デメリットを把握したうえで運用を始めたい」と考えている初心者の方に必見の内容です!
また、インバウンド対策として外国人観光客への情報発信に関心のある方にも役立つ情報をお届けします。
Googleビジネスプロフィールの可能性を知り、より効果的な店舗運営に活かしましょう!
<プロフィール>
永山卓也 - Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート/「訪日ラボ」アドバイザー&「口コミコム」テクニカルアドバイザー
ローカルビジネスのマーケティング支援に豊富な経験を持ち、企業、自治体、地域団体を問わず実績は多数。株式会社ユニットティ代表取締役。Googleビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパート。インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」アドバイザー&「口コミコム 」テクニカルアドバイザー。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
はじめに:Googleビジネスプロフィールとは
編集部:
まずは、「Googleビジネスプロフィールとはなんなのか」というところから解説いただけますでしょうか。
永山卓也氏(以下 永山):
わかりました!
「Googleビジネスプロフィールというものがあって、すごく効果が高いらしい」というような漠然としたイメージを持っているけれど、
「そもそもどういうものかわからない」
「何で効果が高いのかわからない」
「何をしたらいいのかわからない」
などの理由で、導入するかどうか悩まれている方も多いと思います。
編集部:
確かにそういったお声は結構お聞きします。
永山:
たとえばですが、Google検索で地域名とお店のジャンルやメニュー名などを検索した際に店舗や施設などの情報が表示されますよね。
永山:
そしてGoogleマップの地点情報にも使われているので、非常に多くの人が参考にしている情報です。
見ている人が多く、重要な情報であるにもかかわらず「Googleとお客様だけの情報で勝手に作られ、それが閲覧されている」という、非常に危うく、多くのケースでもったいない状態になっています。
この施設・店舗情報を「オーナーや管理者が優先的に加筆編集できるサービス」が、Googleビジネスプロフィールです。
編集部:
Googleビジネスプロフィールは「Googleマップなどに掲載された店舗情報を、オーナーとして編集するサービス」ということですね。このGoogleビジネスプロフィールは、無料で提供されていますよね。
永山:
そうなんです。めちゃくちゃ目立つ所に表示されるのに、無料で使えるんですよ!
またGoogleビジネスプロフィールは新機能なども頻繁に更新されていますが、これらの機能の追加はGoogle側で行うため、たとえば「ホームページのリニューアル」のような大きな改修費などもかかりません。
ホームページの場合、お店側がある程度カンタンに記事などを更新するためには更新システム(CMS)の導入などが必要となりますが、これに関しても更新システムがGoogle側に存在するので気にする必要がありません。
編集部:
それは助かりますね。
永山:
はい。先述したようにGoogleビジネスプロフィールで扱う情報は、すでにGoogle検索またはGoogleマップを利用して多くの人に見られています。
そのため、Googleビジネスプロフィールを使って情報を整備すると、集客効果が非常に早く期待できます。
例を挙げると、SNSであればフォロワーをイチから集めたりしなければなりませんが、そういう手間も要らないわけです。
(さらに多く集客したい場合は閲覧者を集める手間を掛ければ、もっといろいろできます)
編集部:
なるほど!SNSとの違いというのは考えたことがなかったです。確かにすでに検索もされていて、引っかかる可能性の高いプラットフォームで発信するほうが、フォロワーを集めるよりも手っ取り早いですね。
永山:
そうですね。これらが、「効果が高い」とよく言われている理由だと思います。
さらに投稿機能などを用いて関連のあるキーワードを発信し、うまく紐付けることで、そこから先の集客展開も期待できます。
関連記事:Googleビジネスプロフィールの運用、成果を出すためにどうするべき?投稿機能と写真・アクセス解析機能など
永山:
しかもGoogleビジネスプロフィールにはパフォーマンスデータ機能(アクセス解析機能)があり、これが非常にわかりやすく、初心者にも参考にしやすく、使いやすくなっています。
「どれくらいお店が検索されているか」
「どれくらいルート検索されているか」
「どれくらい電話がかけられているか」
などを知ることができます。
関連記事:Googleビジネスプロフィールのアクセス解析機能「パフォーマンスデータ(旧インサイト)」で確認できる情報は?
永山:
さまざまな店舗運営に役に立つ情報や、さらなる集客の戦略を考える基礎情報になり、さらにその施策効果の実証もできるという、非常に使える機能を備えているんです。
Googleビジネスプロフィールのメリット・デメリットを把握しよう
ここからは、Googleビジネスプロフィールを「店舗のオーナー」「チェーンビジネス」「自治体・DMO担当者」それぞれの立場で活用する場合、どのようなメリット・デメリットがあるのかについて解説いただきます。
今回は、一般的な店舗のオーナーがGoogleビジネスプロフィールを活用するメリット・デメリットについて聞いていきます。「チェーンビジネス」「自治体・DMO担当者」のメリット・デメリットは中編で紹介します。
編集部:
単独、もしくは数店舗規模の店舗オーナーの場合、Googleビジネスプロフィールを活用するメリット・デメリットはどういったものがあるのでしょうか?
永山:
大前提として、店舗のオーナーさんであればインターネットが一般化している現状を鑑みるに、「Googleビジネスプロフィールをやらない手はない」といえます。
メリットは先述の通りたくさんあり、無料で使えてシステムの導入費や改修費がかからない、多くの人に見られているため影響力が大きい、そして効果が早い段階で期待できるといった点が挙げられます。
一方デメリットは、基本的にありません。
編集部:
デメリットがないのは意外です。インターネット上では「Googleビジネスプロフィールに登録するとユーザーが口コミを投稿できるようになるため、評価の低い口コミや誹謗中傷が入ってきてしまう」という点がデメリットとして挙げられることがあるのですが、これはデメリットではないのでしょうか?
永山:
そうですね。まだ情報がGoogle上に登録されていない、とくに店舗の外に看板も設置していない会社などの場合、登録することで口コミが投稿できる場所を作ることになります。悪評が入る可能性があるため、この要因を作ってしまうというデメリット的な見方はできます。
ただ、飲食店や小売店なども含めてほとんどの店舗や施設は、このデメリットは気にしなくてかまいません。
編集部:
気にしなくていいというのはどういうことでしょうか?
永山:
営業を続けていると、オーナーの意図とは関係なく、いつかは店舗や施設の情報がGoogle上に作られてしまいます。
Google上に店舗情報が存在する限りお客さまは口コミを投稿できます。ですので、Googleビジネスプロフィールに登録していてもしていなくても、評価の低い口コミや誹謗中傷が入ってきてしまいます。
むしろ、Googleビジネスプロフィールを使って口コミを監視・管理していくほうが健全ですね。
編集部:
なるほど。たいていのビジネスではすでに情報が掲載されていて、口コミも投稿できてしまうから、新たに悪評が入りやすくなるというデメリット自体がほとんどの場合、存在しないということですね。
永山:
そうですね。
あとはデメリットとして、これもしいて言えばGoogleビジネスプロフィールを知らない人にとっては使い方を覚えないといけない点のほか、アルバイトを雇っておらずオーナー1人で回している店舗にとっては「時間が足りない」といった問題はあります。
元々の予備知識がどれくらいあるかにもよりますね。Googleビジネスプロフィールの操作がさすがにカンタンとはいえ、たとえばスマートフォンをまったく触ったことがない人は、最初は難しく感じるかもしれません。
編集部:
それだとGoogleビジネスプロフィールのために携帯の使い方から覚えることになりますもんね。
永山:
ただ、これらはデメリットというより「ハードル」といったほうが正しいかもしれませんね。スマートフォンも、定期的に使っていれば少しずつ使えるようになっていくものです。
ぜひこれを機会にチャレンジしてみてください。
いちばん最初に取り組むとするなら、ホームページなどを作って管理するよりよっぽどカンタンに取り組めるはずです。
まとめ
今回は、Googleビジネスプロフィールの概要や有用性、一般的な店舗のオーナーがGoogleビジネスプロフィールを活用するメリット・デメリットについて、永山氏に語っていただきました。
<前編のまとめ>
- Googleビジネスプロフィールは無料で使えてシステムの導入費や改修費がかからない
- Google検索やGoogleマップで表示される施設情報は閲覧機会も多く影響力が大きいため、早い段階で効果が期待できる
- 一般の店舗オーナーにとってデメリットはとくにないが、最低限、PCやスマホ操作の知識と、編集や情報発信作業を行う時間が必要
次回は中編です。前編の続きとして、「チェーンビジネス」「自治体・DMO担当者」にとってのGoogleビジネスプロフィールのメリット・デメリットについて永山氏に解説いただきます。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
【インバウンド情報まとめ 2025年1月前編】2024年訪日客数・消費額「過去最高」2025年は4,000万人へ ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に1月前編のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→2024年訪日客数・消費額「過去最高」2025年は4,000万人へ ほか:インバウンド情報まとめ【2025年1月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!