動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)は、Googleが提供する検索広告の一種で、広告主のWebサイトの内容に関連するキーワードを検索したユーザーに、Googleが自動で広告を作成して表示する仕組みです。
最近では、多くの経営者や担当者が、マーケティング戦略の一環としてWeb広告に注力しています。広告は顧客の目に留まり、自社サイトに訪問してもらうための効果的な仕組みを作るうえで重要な役割を果たします。
特に、顧客の検索意図にぴったり合った広告を表示する動的検索広告(DSA)は非常に注目されています。
また、インバウンド需要が高まる中、訪問者が検索エンジンで自ら情報を探す際、自社の製品やサービスを効率的にアピールする手段として、DSAはインバウンドを対象としたマーケティングでも大きな役割を果たします。
この記事では、動的検索広告(DSA)の基本的な仕組みやメリット・デメリット、そして具体的な活用方法についてわかりやすく解説します。
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DSAとは
企業は、多く検索されるキーワードを分析して広告に活用しますが、キーワードやその組み合わせは頻繁に変化するため、すべてをカバーするのは簡単ではありません。
そのような課題を解決するのが「動的検索広告(DSA)」です。この機能では、自社サイトの内容をもとにGoogleが自動的に広告文表示やキーワードを設定するため、手動でキーワードを設定しきれなかった場合でも、顧客を取り逃がすリスクを減らすことが期待できます。
ここでは、DSAの基本的な仕組みや、どのような業種で活用が適しているかについてわかりやすく解説します。
DSA=「Dynamic Search Ads」の略
「DSA」とは、「Dynamic Search Ads」の略称で「動的検索広告」を指します。自社サイトのタイトルやテキストをもとに、自社に関連のあるキーワードの選定をGoogleが自動で行う機能です。
Googleが2019年12月に発表した「2024年Google検索ランキング」によれば、日本で最も検索されたキーワードは「ドジャース」、次いで「オリンピック」「田中真美子」でした。
ランキングから分かる通り、検索キーワードは時事的な影響を強く受けるので、日々大きく変化しています。
膨大にあるキーワードの中から、自社の商品やサービスに関連したキーワードを漏れなく設定するのはただでさえ労力のいる作業で、時事的キーワードや顧客の検索にフィットするキーワード設定は困難です。
そこで動的検索広告(DSA)を使用すると、Googleが自社サイトの情報をもとにして関連のある検索キーワードに対し自動で広告表示を行うため、作業負担が軽減されます。
さらに関連のある検索キーワードを自動で判別、設定するので、キーワードの見落としによる機会損失を未然に防止できます。
動的検索広告(DSA)と相性のいい広告主は?
動的検索広告(DSA)の概要を見ると、設定していないキーワードを検索した顧客にもアプローチができてターゲット層が広がり、メリットが大きいように感じます。しかし、業種やWebサイト広告の展開目的によっては適さない場合があります。
取扱商品が多いサイト
動的検索広告(DSA)を使用することで効果がより期待できるのが、さまざなま商品やサービスを持っている広告主です。
商品が多いとそれに対応するキーワードも多くなり、設定する労力や費用面でもかさみます。そのため商品の種類やサービスの種類が多い事業では、動的検索広告(DSA)により労力と運用コストを抑えられます。
SEOが十分に施されているサイト
また、しっかりSEO対策がされたサイトも動的検索広告(DSA)に適しています。
SEO構築はもともと上位表示されやすいようなキーワードを重要項目としているため、動的検索広告(DSA)を用いればより関連ワードと紐付けられる可能性が高まります。
動的検索広告(DSA)のメリット
具体的に、DSAを利用することでどのようなメリットが得られるでしょうか。ここでは、4つの観点でメリットを紹介します。
1. 作業時間の短縮
通常の広告を作成する場合、検索されやすいキーワード情報を収集し、そのキーワードを前提とした広告文やタイトル、テキストを作成するなど、何かと手間がかかります。
動的検索広告(DSA)ではタイトルやテキストなどから関連のあるキーワードを選んで設定し、なおかつ広告文を自動生成して広告表示してくれるので、キーワードの収集や設定の時間を削減できます。
2. キーワードの網羅性向上
動的検索広告(DSA)は関連キーワードを自動抽出することで、手動で設定するよりもより多くのキーワードを網羅でき、見込み顧客を逃しません。
3. 広告表示の最適化
広告は一度出して終わりではなく、日々情報を更新する必要があります。また、宣伝している商品が品切れしている場合も想定されます。
たとえば品切れしている商品の広告は自動表示から除外するなど、広告内容の更新や商品在庫に応じて最適な広告を表示します。
4. コンバーション率(CVR)の向上
サイトを訪問したユーザーが商品を購入するなど成約に至ることをコンバーション(CV)と言います。動的検索広告(DSA)で顧客のニーズに合致した広告表示が可能になれば成約の可能性が高まります。
作業負担を軽減しながら収益の拡大が望めますので、費用対効果も高いと言えるでしょう。
動的検索広告(DSA)のデメリット
先にも述べたとおり、ひとつの決まったキーワードを軸にプロモーションを展開している場合には、キーワードを多く拾い集めることはメリットになりません。
ここでは、動的検索広告(DSA)のおもなデメリットを2つ紹介します。
1. タイトルやリンク先を指定できない
動的検索広告(DSA)は自動で広告タイトルやリンク先を作成するメリットがありますが、広告タイトルにこだわりたい、リンク先を指定したいというユーザーには向きません。
また広告タイトルはページ内容に左右されるため、意図しないタイトルとなる可能性があります。
2. 定期的なキーワードの除外が必要
関連性が高いと判断し設定されたキーワードの中には、不要なものも混在します。
そのまま設定していてもクリックやコンバーションにつながる可能性が低い場合は、キーワードを除外しなくてはいけません。
動的検索広告(DSA)の設定方法
最後に、実際に動的検索広告(DSA)を使用する場合の具体的な流れを解説します。
1. 動的検索広告(DSA)用のキャンペーンを作成する
ここで実施するのは、キャンペーンの基本設定と、その一部である動的検索広告の設定です。
Google広告の「キャンペーン」から、「新しいキャンペーンを作成する」を選択し、キャンペーン作成を開始します。
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キャンペーン目標は特に決まりはありませんが、目標を選択すると、キャンペーンのゴールと設定が最適化されます。
続いてキャンペーンタイプの選択で「検索」を選択します。
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キャンペーン名の入力画面で、下にある「検索ネットワーク」と「ディスプレイネットワーク」のチェックについて、検索ネットワークのみチェックが入った状態にします。両方入っていると他の機能と併用できなくなる可能性があります。
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自動的に入札単価を最適化したい場合は、[単価設定] で自動入札戦略を選択します。[目標コンバージョン単価] がおすすめです。
その後、キャンペーンに名前を付けて、ターゲットにする地域、使用する言語、予算を入力します。目標設定や単価設定は、これまでのリスティング広告実施時などと変わりません。
キャンペーン設定を確認し、問題がなければ [キャンペーンを公開] をクリックします。
2. 広告グループの種類を「動的広告」に設定する
新しい検索キャンペーンを作成したら、[キャンペーン] ページの [設定] タブをクリックします。
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[設定] ページで [動的検索広告の設定] を選択します。
ウェブサイトのドメインを入力し、ウェブサイトの言語を選択し、[保存] をクリックします。
これで、動的検索広告(DSA)を利用したキャンペーンを開始することになります。
検索広告(DSA)を使って効率的なプロモーションを
自社の商品やサービスと顧客をつなぐ検索キーワードは、Web広告に不可欠な一方で抽出と設定の作業負荷が大きく、最適を導くのに試行錯誤を必要とします。
動的検索広告(DSA)を導入してGoogleが広告文を自動で作成すれば、作業負荷や作業時間が減らされ、その分違う作業に労力を使うことができるでしょう。
関連あるキーワードの設定と不要なキーワードの除外によって、入札単価が適正にコントロールされますから、無駄なコストも削減できます。動的検索広告(DSA)の活用は、費用対効果の高い広告戦略の実施が可能です。
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