ビジネスに役立つフレームワーク15選、使う状況や分析方法を紹介

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フレームワークとは、ビジネスの戦略立案や課題解決を効率的に進めるための「考え方の型(枠組み)」のことです。フレームワークを活用すると、全体の流れを整理しながら問題を分析し、適切な改善策を見つけやすくなります。

インバウンド需要が高まる中、訪日外国人向けの施策を効果的に進めるには、フレームワークを使って課題を明確にし、計画的に対策を立てることが重要です。

また、業界や状況に応じたフレームワークもあり、それぞれの特徴を理解することで、さまざまな課題に柔軟に対応できるようになります。

本記事では、ビジネス全般で役立つ基本的なフレームワークに加え、各業界で活用されているフレームワークについても紹介します。


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フレームワークとは

フレームワークとは、ビジネスの戦略や課題解決を効率化するための「枠組み(骨組み)」を指します。フレームワークに沿って考えることで、ものごとの全体図を把握しつつ、効果的に問題を分析し、改善策を導き出すことが可能です。

また、フレームワークを活用することで、課題をチーム全体で正しく共有できるというメリットがあります。

個人の主観に左右されやすい事柄も、フレームワークに当てはめて整理することで、課題や目標の方向性が明確になり、一貫性を持って共有できます。これにより、意思決定のスピードが上がり、生産性の向上にもつながるでしょう。

経営戦略立案に活用できるフレームワーク2選

ここでは、経営戦略立案に活用できるフレームワークを2つ紹介します。

1. SWOT分析

SWOT分析とは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(驚異)」の頭文字を取ったフレームワークです。

SWOT分析ではこれらの要素を、経済や社会情勢といった「外部環境」や、自社がもつ商品やサービスの質やブランド力といった「内部環境」に分類して分析します。SWOT分析を活用することで経営に関わる社会情勢や競争の激化といった状況を読み解くことができます。

また自社のセールスポイントなどもあぶり出され、経営を進める上でより意思決定しやすくなります。

関連記事:SWOT分析とは?経営戦略をつくるための具体的な方法やコツを紹介

2. PEST分析

PEST分析は、企業や組織が外部環境を分析し、戦略を立てる際に活用されるフレームワークの一つです。

「政治(Politics)・経済(Economy)・社会(Society)・技術(Technology)」の4つの視点から、ビジネスに影響を与える要因を整理し、市場環境を把握するために用いられます。

「政治(Politics)」では、法律や規制、政治の動向が市場に与える影響を、「経済(Economy)」は、経済状況や市場の変動が企業の成長に及ぼす影響を分析します。

「社会(Society)は、社会的な価値観や人口動態が市場に与える影響を、「技術(Technology)」は、技術革新やデジタル化が業界に与える影響を考慮することで、企業が外部環境を的確に把握し、リスクを回避しながらチャンスを活かすことが可能です。

マーケティングに活用できるフレームワーク10選

ここでは、マーケティングに活用できるフレームワークを5つ紹介します。

1. 3C分析

3C分析は「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3要素から成り、主にマーケティングの環境を分析する目的で利用される多いフレームワークです。

「Customer(顧客)」では市場と顧客の双方の観点から外部環境を分析し、「Competitor(競合)」の観点では競合各社の状況を、「Company(自社)」では自社の持つ資源や商品・サービスの現状を分析します。

SWOT分析と同じく、3C分析を実施することで自社を取り巻く状況や業界の環境を把握できます。

関連記事:観光分野における「3C分析」とは何か?仕組みや具体例を徹底解説

2. ABC分析

ABC分析とは、商品を売上順などの重視する指標で分類し、どの商品を重点的に管理するかの優先順位を決めるフレームワークで「重点分析」ともいいます。

たとえば、売り上げ金額の累計構成比率(売り上げ金額全体に占める割合)の高い順に3つの大きなグループに分類する場合を考えます。

売上金額における構成比率の高い順に、Aグループ、Bグループ、Cグループとすると、Aグループが売り上げがもっとも高いグループとなり、このグループに属する商品は優先的に管理するといった判断ができます。

売上金額の比率以外には、以下のような指標が考えられます。

  • 販売個数
  • 売上利益
  • コスト

3. パレート分析

パレート分析とは、マーケティング業界で利用されるフレームワークで、複数の事象や現象を構成要素が大きいものから並べ、優先順位をつけてデータ化する分析方法です。

パレート分析には棒グラフと折れ線グラフを複合した「パレート図」と呼ばれるグラフを使用します。

パレート分析をすることで、解決の必要性が高い問題を調べたり、課題に優先順位をつけることにつながります。

関連記事:パレート分析とは?課題を絞り込み・パレート図についても解説

4. カスタマージャーニー

カスタマージャーニーとは、自社の商品やサービスを利用する典型的なユーザーである「ペルソナ」の動きを時系列にまとめるフレームワークです。

ペルソナがどのようなプロセスで商品の購入に至るのかを書き出し、顧客が辿る購入体験の過程を可視化することで、顧客に対する理解が高まる効果があります。

またカスタマージャーニーには、顧客の商品購入を妨げている理由やマーケティングの改善点についてアイデアを得るといった活用方法もあります。

関連記事:カスタマージャーニーとは?概要や作り方、メリットを紹介

5. AIDMAの法則

AIDMAの法則とは、「Attention(認知)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の頭文字を取ったフレームワークです。

AIDMAの法則は1920年代にアメリカで提唱された後、マーケティング業界で広く利用されています。

近年、SNSやインターネット広告などが消費者に普及したことなどによりAIDMAの法則のほか、後述の「AISASの法則」「SIPS理論」などがAIDMAの法則に代わるフレームワークとして知られています。

しかしAIDMAの法則はおよそ100年に渡ってさまざまな業種のマーケティングで認知されているフレームワークで、消費者行動を認知するためのもっとも基本的な考え方です。

またビジネスモデルによってはAIDMAの法則を活用することで、消費者の行動を他のフレームワークより効果的に分析できる場合もあります。

6. AISASの法則

AISASの法則は「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Action(購入)」「Share(共有や拡散)」を指すフレームワークで、マーケティング業界の中でも特にECサイトなどを含めたインターネット市場における消費行動の分析に用いられます。

AISASの法則では顧客が購入体験を辿り終えるまでに「検索」「共有・拡散」といった要素が含まれていることが特徴で、AISASの法則をうまく用いることにより、SNSやインターネット上での行動も視野に含めた顧客の行動を把握できます。

関連記事:AISASモデルとは?AIDMAやDECAXとの違いや具体的な活用法を解説

7. SIPS理論

SIPS理論とは、「Sympathize(共感)」「Identify(確認)」「Participate(参加)」「Share & Spread(共有拡散)」の頭文字をとったフレームワークの一つです。

2011年当時、株式会社電通の社内グループであった「サトナオ・オープン・ラボ」(現:電通モダン・コミュニケーション・ラボ)が提唱した概念で、ソーシャルメディアを利用する消費者の行動に注目した消費者の購入モデルです。

SIPS理論を用いることにより、ソーシャルメディアに関連付けた消費者の購入体験を把握することが可能になります。

8. DECAXの法則

DECAXの法則は「発見(Discovery)」「関係(Engage)」「確認(Check)」「購買(Action)」「経験(experience)」の言葉から成るフレームワークです。

DECAXでは「経験」という視点がフレームワークに組み込まれており、企業や情報の発信者と消費者のあいだにある関係性を重視しているという特徴があります。

関連記事:DECAXとは?インバウンド対策をするうえでも押さえておきたい購買行動・5つのプロセス

9. VRIO分析

VRIO分析は「Value(経済価値)」「Rarity(希少性)」「Inimitability(模倣困難性)」「Organization(組織)」の要素から成るフレームワークです。

これらの4要素と自社が抱える事業や組織を照らし合わせることにより、自社の経営資源が強みであるか否かを判別できます。

VRIO分析は主にマーケティング戦略などにおける分析の場面で用いられており、企業が持つ競争的な優位性の把握や改善に有効です。

関連記事:VRIO分析とは?4つの項目で経営資源をチェック・強みと弱みを把握・方法を解説

10. STP分析

STP分析とは「Segmentation(分割)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(位置付け)」の要素から成るフレームワークです。

このうちのセグメンテーションは、一つの顧客グループを類似する需要を持っている者同士に分類することを意味します。

VRIO分析と同様、自社が持つ経営資源の優位性を把握するときやどの市場や業界で価値提供を行うかといったマーケティング業界の分析過程で用いられます。

思考整理に活用できるフレームワーク3選

ここでは、「PDCA」「5W1H」「ロジックツリー」など、思考整理に活用できるフレームワークを3つ紹介します。

1. PDCA

PDCAは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字から成るフレームワークです。

「PDCAサイクル」とも呼ばれるPDCAは、計画・実行・評価・改善の4ステップを繰り返すことで、さまざまな業務における改善を促します。

もともとPDCAは品質管理の場面で広く利用されてきたフレームワークですが、現在はマーケティングや経営全般などさまざまなビジネスシーンで用いられています。

関連記事:PDCAとは?PDCAサイクルの回し方、ビジネスに活用する方法、ポイントを解説

2. 5W1H

5W1Hは「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(誰が)」「何を(What)」「なぜ(Why)」「どうやって(How)」の頭文字から成り、英語圏では「Six Ws」とも呼ばれています。

情報を伝えるための文章や記事を作成する場面でしばしば用いられるフレームワークで、ビジネスの場面では社内外でのプレゼンテーションやコミュニケーションの場で活用されています。

5W1Hを盛り込んだ情報伝達を取り入れることで、要点をつかんだ情報が伝わりやすくなるという効果が見込めます。

3. ロジックツリー

ロジックツリーは、ある事象や問題を成す要素をツリー形式に書き出し、事象の分析や問題の原因特定などに役立てることを指します。

ロジックツリーを用いることで、ある問題を取り巻く全体像を把握しやすくなり、問題の解決方法を探るヒントを得ることが可能です。

ロジックツリーは、営業や経営などあらゆる業種で応用できます。

自社に適した分析方法で効果的なマーケティングを

自社を取り巻く状況や事業が抱える課題を分析する際に「フレームワーク」を活用することで、マーケティング戦略を立てたり経営判断したりする際の参考になります。

フレームワークには「SWOT分析」や「PEST分析」など経営戦略立案に役立つ手法のほか、特にマーケティング業界で役立つ「AIDMA理論」「SIPS理論」、飲食業界などで活用されている「ABC分析」など様々な方法があります。

どのようなフレームワークが適しているかは自社で扱う商品・サービスや業界にも左右されるため、様々なフレームワークを比較し、自社が抱える課題や状況と照らし合わせて最適な手法を選択していくと良いでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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