中国のマーケティング会社Dragon Trailは、2025年4月の中国人の海外旅行動向に関するレポートを発表しました。
調査の結果、中国人の海外旅行への関心は継続して高まっており、なかでも香港、マカオ、日本など、北東アジアが人気であることがわかりました。
本レポートは、Dragon Trailが3月12日〜18日にかけて実施した、中国人旅行者1,022人を対象とする意識調査に基づいています。
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今年「海外旅行した」「計画している」は75% 調査開始以降最多に
2025年の海外旅行計画について質問したところ、75%が「すでに海外旅行をした」、あるいは「予約を済ませている」「予約はしていないが、計画している」と回答しました。これは、2022年12月に海外旅行の意向について調査を始めて以来、最も高い割合となっています。
また、2025年にすでに海外に出かけた人の93%が、今後もさらなる旅行を計画していることが分かりました。
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旅行先では香港、マカオ、日本が上位 北東アジアが人気
2025年に行った、あるいは計画している旅行先では、香港、マカオ、日本、韓国、タイ、シンガポールが上位にランクインしました。アジアへの旅行者の割合は前年を上回り、特に北東アジアは、ヨーロッパを抜いて最も人気のある旅行先となりました。
一方で、2024年3月と比較すると、ほとんどの地域で旅行先としての関心度は上昇しました。

「旅行先として安全」多くの国で改善
中国人旅行者にとって、海外旅行を計画する際の一番の懸念点は「安全性」です。旅行先の安全性に関する質問では、2024年8月の調査と比べ、ほとんどの国・地域で旅行者の認識は改善しました。
日本に対しては、「安全」と回答した割合(57%)が調査対象国の中で6番目である一方、「安全」の認識が同程度の国々と比べて、「安全ではない」の割合が高い(19%)ことが分かりました。

また、タイに対する安全性の認識は低下しており、加えてベトナムやカンボジアも低い結果となりました。
Dragon Trailが発表した別の調査も見てみると、中国における海外旅行が解禁された2023年以降は、日本を含む多数の国の安全認識が改善したものの、タイに関してはコロナ禍よりも「安全ではない」の割合が高くなっています。これは、2025年1月に中国人がタイとミャンマーの国境で行方不明になり、のちに救出された事件が影響していると考えられます。

また米国は、2021年3月以降、初めて、「安全」が「安全ではない」を上回りました。一方で、39%は「わからない」と回答しています。
しかし本調査後にも世界経済の状況は変わっており、4月9日には、中国政府が米国への渡航に関する注意喚起を行いました。Dragon Trailは今後も、中国人の米国旅行に対する認識について、引き続き監視をするとしています。
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一方、シンガポールは他の国・地域に比べ、常に「安全」と認識されており、「安全ではない」の割合は1桁を維持しています。これは、中国人旅行者の間でシンガポールが人気を集めている要因の一つと言えるでしょう。

情報収集は「Ctrip」が主流だが、若者は「RED」を使用
旅行先の情報収集チャネルについては、中国のオンライン旅行サイト「Ctrip」が最も広く使われており、特に45~65歳の76%が利用していることがわかりました。
しかし、18~34歳の旅行者では「小紅書(Xiaohongshu/RED)」(76%)の利用が最も高くなりました。これに対しDragon Trailは、若い世代におけるSNSの重要性を指摘しています。
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海外旅行のインスピレーション源については、「SNS」(50%)が最も多かったものの、次いで「友人、家族、知人」(39%)がランクインしました。
さらに旅行者の94%が、自身の旅行体験をオンライン上で発信していることがわかりました。こうした投稿は、他の人々にとって有益な情報源となっています。

また、「持続可能な観光」をどのように理解しているのかという質問では、「文化の保護、地域のライフスタイルや伝統の尊重」の回答(72%)が最も多くなりました。中国人旅行者は、環境面(二酸化炭素排出量の削減など)よりも、地域の文化・経済への配慮を重視している人が多いことがわかります。

<参照>
Dragon Trail International:
- Chinese Traveler Sentiment Report: April 2025
- Chinese Travelers’ Safety Perceptions for Outbound Destinations
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