訪日中国人の購買行動を促進する「WeChat Pay」と「WeChat Mini program」 ── 市場動向と事業者へのヒント

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テンセント(Tencent)が2013年にリリースしたWeChat Payは、中国を拠点とする多機能メッセージングアプリWeChat微信/ウィーチャット)」内で提供されるモバイル決済サービスです。日々の連絡から決済までをたったひとつのアプリ内で完結できるため、多くの中国人が利用しています。

また、WeChat Mini Program(以下、Mini Program)は、WeChatが公開しているオープンソースを活用することで、あらゆる企業がインストール不要のアプリ機能をWeChat内で展開できる仕組みです。近年では91の海外地域の企業・団体がMini Programを通じたグローバルユーザーサービスを展開しており、世界的に注目を集めています。

すでに観光スポットの予約や交通サービスなど幅広いサービスWeChat内で展開されており、訪日中国人観光客の利便性を高め、インバウンドにも良い影響を及ぼしています。

今回は、そんなWeChat Payが日本市場や訪日観光市場でどのように使われているか、インバウンド観光市場におけるテンセント側の展望について、取材を踏まえてまとめました。

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訪日中国人の購買行動に欠かせないWeChat Pay / Mini Program

観光庁 インバウンド消費動向調査のデータによると、2024年の訪日中国人旅行者の消費額は1兆7300億円に達しており、全市場の中で1位となりました。

WeChat Pay および WeChat Mini Program(以下、WeChat Pay / Mini Program)の海外チームによると、訪日中国人は日本の観光業に変革をもたらすほどの購買力を持っていることから、WeChat Payは日本企業と中国人観光客との接点を強化しています。また、現在日本国内におけるMini Programの月間アクティブユーザーは数百万に達しており、訪日ユーザーの取引金額は半年間で59%も増加しています。

WeChat Pay / Mini Programの具体的な活用分野としては、旅行や交通、小売、飲食などが挙げられます。訪日中国人と在日中国人をターゲットに、彼らの「デジタルエコシステムへの依存度が高い」という特徴を活かし、地下鉄乗車や病院予約などあらゆるサービスWeChatが活用されています。

訪日中国人観光客の関心は、有名な観光スポットをめぐる旅から、より深い文化体験を追求する傾向に移り変わっています。なかでも注目を集めているのはコンビニエンスストアだといい、その利便性の高さと品揃えの豊富さから新たな人気スポットとなっています。そしてその決済場面においても、WeChat Payが活用されています。

WeChat Pay / Mini Programの日本国内での活用事例

WeChat Pay決済手段の一つとしてすでに日本国内で存在感を示していますが、Mini Programの利用も浸透しつつあり、百貨店や空港などが積極的に導入を進めています。

具体的な事例として、阪急阪神百貨店では、訪日中国人の利便性向上のために半年ほどかけてMini Programを活用したサービスを展開。店内の案内や、翻訳機能を活用した中国語での商品検索、レストラン街での注文用QRコードなど、さまざまなプログラムの開発に活用されています。そのほかにも、アプリ内で事前予約した化粧品の店頭受け取りなど店内の混雑緩和にも役立つ機能や、中国のVIP顧客に対する会員サービスなど、あらゆる用途で活用されています。

また羽田空港などでは、訪日中国人観光客免税品を購入後、その受け取りを帰国時にスムーズにできるといったサービスWeChat内で展開しています。

さらに2025年4月から開催中の大阪・関西万博では、完全キャッシュレス化を実現する上でWeChat Payが活用されており、中国人来場者がMini Programで開発された機能を用いてチケットを購入することができるほか、会場内での物品購入や自動販売機での購入にもWeChat Pay / Mini Programが活用されています。

訪日中国人市場におけるWeChat Payのニーズ

一方で、日本国内においてはさまざまな決済アプリがすでに展開されており、既存の決済サービスとどのように差別化していくかが気になるところです。

WeChat Pay / Mini Programの海外チームは、そもそもWeChat Payを「日本人向け」の決済サービスとして展開する予定はなく、日本においてはあくまで訪日中国人・在日中国人向けを主としているとのこと。その上で、WeChatが他の決済アプリと差別化できる点について「ソーシャルメディアとしての側面が強く、横のつながりで購買が広がっていく」ことを挙げています。

この続きから読める内容

  • タクシーアプリ「GO」の導入──日本の観光事業者にどう活用されていくか
  • 日本の魅力ある商品を在日外国人インフルエンサーとつなげるマッチングプラットフォーム「trial JAPAN」
  • 【インバウンド情報まとめ 2026年2月後編】訪日中国人数6割減でも「インバウンド全体としては好調」、観光庁 / 1月の訪日外客数359.8万人、韓国が史上初の110万人超え ほか
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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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