インバウンド市場が拡大するなか、都市部だけでなく地方部の注目度も高まりつつあります。
2025年の外国人延べ宿泊者数では、全国の都道府県のなかで鳥取県が最も高い伸び率を記録しました。さらに別の調査では、鳥取県のなかでも特に米子エリアにインバウンド客が集まっていることがわかりました。
本記事では、なぜ米子エリアがインバウンドの注目を集めているのかを解説します。
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鳥取県米子市、訪日外国人数が山陰エリアで最多に
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2025年の外国人延べ宿泊者数で鳥取県(前年比68.0%増)が都道府県別で最も高い伸び率を記録しました。そのなかでもインバウンドの注目が集まっているのが、米子エリアです。
アジア圏からの旅行者が9割以上
島根県・鳥取県の地域連携DMOである山陰まんなか観光局(中海・宍道湖・大山圏域観光局)によると、2024年8月から2025年7月までの期間で、山陰エリアの中心部*で訪日外国人数が最も多かったのは鳥取県米子市(6万700人)となり、次いで島根県松江市(5万2,150人)と出雲市(3万9,510人)が続きました。
米子市の訪日外国人数を国別で見ると、韓国(36%)、中国(28%)、香港(16%)、台湾(15%)と続き、アジアからの旅行者が多くを占めました。
*米子市、出雲市、松江市、安来市、境港市、大山圏域(日吉津村、大山町、南部町、伯耆町、日南町、日野町、江府町)
米子空港の国際線拡充がインバウンドの受け皿に
米子エリアのインバウンドが好調な背景には、受け入れ口となる米子空港の国際線の拡充が挙げられます。2025年の米子空港の国際線利用者数は前年比で70%以上増加しました。米子空港では、韓国・香港*1 への直行便に加え、2025年5月には台湾からの直行便も就航し、アジア各地からのアクセスが大きく向上しています。
特にソウル便が好調で、2025年12月にはデイリー運航*2 が始まりました。直近の動向を見てみると、ソウル便は1月と2月の2か月連続で搭乗者数が1万人を上回りました。韓国人の搭乗率は1月が87.9%、2月が87.6%と好調に推移しています。
台北便も好調で、春節を含む2月の外国人搭乗者数は2,213人、搭乗率は86.2%を記録しました。2025年8月以降、7か月連続で全体の搭乗率が8割を超えて安定した推移を見せています。
*1 米子〜香港便は2025年9月1日より運休
*2 米子〜ソウル便は2026年3月29日より週5便で運航
米子が取り組むインバウンド施策とは?
米子市では、飲食店のインバウンド受け入れ体制を支援するための補助事業を実施しています。また米子商工会議所でも、事業者のGoogleマップ最適化を支援しており、店舗名・店舗情報が正確に自動外国語翻訳されるように見直しを行っています。
また山陰エリア全体では、ストーリー性のあるコンテンツを持つ重点エリアを選定し、周辺の多様なコンテンツと組み合わせて打ち出すことで、山陰ブランドの確立を目指しています。
また、長期滞在による消費額拡大を図るため、ナイトタイムエコノミーや滞在型観光コンテンツの開発、高付加価値旅行者層に向けたコンテンツの強化を実施しているほか、情報発信やプロモーションについては、海外旅行会社やFIT(個人旅行者)層に向けて山陰エリアならではの観光資源をアピールし、認知度向上および訪問意欲の向上を図っています。
2026年秋頃には山陰・せとうち地方でAdventureWEEK2026の開催も予定されています。アドベンチャーウィークとは、アドベンチャートラベルの推進に向けてAdventure Travel Trade Association(ATTA)と連携して実施される大型のファムトリップで、2026年は鳥取県・島根県・岡山県・広島県などを訪問予定です。
アドベンチャートラベルは地方誘客とも相性が良いため、米子市をはじめとする山陰エリアのインバウンド強化の追い風となるかもしれません。
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リピーター多い韓国・台湾 地方への注目度も高い傾向
米子市が韓国や台湾からの訪日客の注目を集めているのはなぜでしょうか。
観光庁のインバウンド消費動向調査によると、韓国は約79%、台湾は約86%が訪日リピーターとなっています。訪日リピーターは、初訪日者と比べて地方部を訪問する割合が高い傾向にあることが特徴です。
また、訪日リピーターは「まだ知られていない日本」を求めることも多いため、地方誘客との相性も良いといえます。特に韓国では、近年のトレンドである「日本小都市旅行」が地方誘客の追い風になっており、日本政府観光局(JNTO)は日韓国交正常化60周年を契機として、韓国市場向けに特設サイト「日本のお勧め小都市60選」を開設しています。台湾も地方への訪問意欲が高く、“季節性×地方”のコンテンツの人気が高まっています。
地方部への注目度の高まりを背景に、国際線拡充によるアクセス性向上と地域の集客施策が噛み合ったことで、米子市を訪れる外国人旅行者の増加につながったと考えられます。
2月の旧正月(ソルラル)には、韓国の大手旅行会社ロッテ観光による大型インバウンドツアーが米子〜ソウル便を利用して実施され、さらなる訪日韓国人客数の拡大に寄与することが期待されています。
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