伏見稲荷大社は、京都府京都市伏見区にある神社です。朱色の鳥居がいくつも並ぶ「千本鳥居」で知られ、訪日外国人の定番観光スポットとなっています。
伏見稲荷大社とは?全国の「お稲荷さん」の総本宮:朱色の「千本鳥居」が有名
伏見稲荷大社は、全国に3万社ある「お稲荷さん」の総本宮として知られる神社で、朱色の鳥居が何本も並ぶ「千本鳥居」が有名です。1,300年の歴史があり、日本古代の豪族伊侶巨秦公が勅令を受け稲荷大神を祀ったことが伏見稲荷大社の始まりといわれています。1467年に起きた応仁の乱により一部の社殿が崩壊したのち、1499年には現在まで残る本殿が再建されました。1946年に「宗教法人・伏見稲荷大社」に改称しました。その後伏見稲荷大社は、「まさに訪日外国人が思い描く日本の姿」として話題となり、2019年までの6年間はトリップアドバイザーのランキングで連続1位を獲得するなど、日本旅行の「定番」という位置づけになりました。稲荷伏見大社へは、京都駅より5分のJR奈良線稲荷駅から徒歩でアクセスできます。
TripAdvisorで2位&平均評価は4.5/5を獲得:訪日外国人は伏見稲荷大社にどんな感想を持っているのだろうか
TripAdvisorの「外国人に人気の観光スポットランキング 2020」によると伏見稲荷大社は、日本で2番目に訪日外国人に人気の観光地となっています。TripAdvisor上では5点満点中4.5点の高評価を受けています。伏見稲荷大社を訪れた訪日外国人はどのような感想を持っているのでしょうか。TripAdvisorの口コミからいくつかピックアップしてみます。
- This is truly an amazing shrine to visit in Kyoto, There are thousands of vermilion Tori gates of various sizes to pass through to start your hike up the hill. I first remembered the Tori gates that was featured in the 2005 movie Memories of a Geisha. It is so much more sensational when viewed in real time.
- 口コミ日本語訳
- 京都で訪れるには本当に素晴らしい神社です。丘を登る途中、さまざまなサイズの朱色の鳥居が何千もあります。 2005年の映画「芸者の思い出」で取り上げられた鳥居を最初に思い出しました。実際に見るととてもセンセーショナルです。(カナダ)
- We came here on the afternoon of our first day in Kyoto and found this to be the most fascinating shrine that we visited during our two weeks in Japan.
- 口コミ日本語訳
- 京都での初日の午後にここに来ましたが、日本での2週間の間に訪れた中で最も魅力的な神社であることがわかりました。(アメリカ アリゾナ州)
- Just had to time it right to avoid a viewfinder full of Tourists, but a modicum of patience conquered all.
- 口コミ日本語訳
- たくさんの観光客による(カメラの)ファインダーを避けるためにちょうどいいタイミングをとらなければなりませんでしたが、少しの忍耐がすべてを克服しました。(イギリス ホーシャム)
訪日外国人は伏見稲荷大社でどのような写真を撮っているのだろうか
2020年10月20日時点でInstagram上で「#fushimiinari」とタグが付けられた写真はおよそ49万件投稿されています。では、具体的に訪日外国人は伏見稲荷大社でどのような写真を撮っているのでしょうか。Instagramの投稿で特徴的なものをいくつかご紹介します。
千本鳥居とともに写るのが定番
伏見稲荷大社の有名な千本鳥居をバックに写真を撮るのが定番のようです。
家族やカップルで記念撮影する訪日外国人も
千本鳥居をバックに家族やカップルで記念撮影し、Instagramに投稿する訪日外国人も多いようです。
楼門へと続く参道で写真を撮る訪日外国人も
国の重要文化財に指定されている楼門やその手前の参道は、千本鳥居と並んで人気の撮影スポットとなっています。
伏見稲荷大社ではどのようなインバウンド対策をしているのだろうか/何故インバウンドに人気なのだろうか
TripAdvisor、またInstagramの投稿から伏見稲荷大社は訪日外国人にとって人気の観光スポットとなっていることが把握できます。伏見稲荷大社ではインバウンド向けにどのような対策をしているのでしょうか。いくつかのインバウンド対策例をご紹介します。
公式ウェブサイトの多言語化
伏見稲荷大社の公式ウェブサイトは、 日本語・英語・韓国語・中国語(簡体字・繁体字)の4か国語 に対応しています。伏見稲荷大社の場合は日本語以外の言語のページにも力が入れられており、情報量が多いのが特徴です。内容も、神社の歴史からアクセス情報まで幅広く扱っています。また、ウェブサイトのデザインは黒と朱色を基調とした威厳を感じさせる雰囲気になっており、伏見稲荷大社のイメージによく合っています。
月ごとの行事情報を多言語で発信:写真・説明付きでわかりやすく告知
伏見稲荷大社の公式ウェブサイトでは、月ごとの行事情報を多言語で発信しています。日付のほか、写真や行事に関する簡単な説明も併せて掲載されているのが特徴です。写真や多言語での説明があれば、神道の行事になじみがない訪日外国人でもその行事がどのようなものか想像しやすくなります。
商店街を挙げたインバウンド対応:フリーWi-Fi整備・多言語マップなど
伏見稲荷大社の「お膝元」にある老舗商店街「稲荷繁栄会」は、訪日外国人の増加を受け2012年ごろから商店街を挙げたインバウンド対策に乗り出しています。具体的には、外部の講師を招いて訪日外国人との文化の違いなどについて学んだり、商店街に所属する店舗のスタッフを対象に英会話教室を開催したりしました。 さらに2014年ごろには、 フリーWi-Fi環境の整備 も行いました。現在でもフリーWi-Fi環境の整備は全国的に課題とされていますが、稲荷繁栄会はいち早くそこに目を付け、対策を行っていました。フリーWi-Fi環境が整えば訪日外国人のSNS利用を促進することにもつながります。観光地で写真を撮ってすぐにSNSに投稿してもらえればPRにもなるため、観光地では必要なインバウンド対策といえるでしょう。 稲荷繁栄会ではそのほかにも、インバウンド向けの観光案内所の設置や、日本語・英語・中国語の3か国語で 商店街マップの作成 を行っています。